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行政書士の通信講座を比較|料金・教材・サポートで選ぶ

行政書士の通信講座7社を公式サイトの表記で比較。税込と税別、目標年度、常時割引、入会金と、料金が横並びに見えない理由を整理し、教育訓練給付制度の使い方と質問サポートの違いまで解説します。

最終更新: 2026-09-10

行政書士の通信講座を調べ始めると、料金が3万円台から30万円近くまで並んでいて面食らいます。ただ、この幅の大部分は「講座の質の差」ではなく、そもそも同じ条件で並んでいないことから来ています。

この記事では、主要7社の公式サイトに書かれている内容を確認日つきで整理し、料金・教材・サポートを見るときにどこを揃えて比べればよいかをまとめます。

この記事の方針

  • 掲載した各社の金額・割引条件は、2026年9月10日時点で各社の公式サイトに書かれていた表記です。これ以外の項目(教育訓練給付制度の要件・音声提供の有無)は、本文にそれぞれの確認日を記載しています。講座の価格は割引の切り替わりで頻繁に変わるため、申し込み前に必ず公式サイトでご確認ください
  • 各社が公表している合格率は比較していません。分母の定義(受講者全体・アンケート回答者・修了者など)が各社で異なり、公表していない会社もあるため、並べても比較になりません
  • 順位付けや「おすすめ」の指定はしていません。事実の整理に徹しています
  • 割引率だけが示されていて金額が公式に載っていない場合、当サイトで計算した金額は載せていません

料金が横並びに見えない4つの理由

1. 税込表示と税別表示が混ざっている

各社の主表記はそろっていません。たとえばアガルートの入門カリキュラム/フルは298,000円(税抜)です。ユーキャンの行政書士講座は69,000円(税込)です。伊藤塾のフレキシブルワンコースは講座ページに258,000円とあり、税込か税別かの表記がありません。

金額だけを並べると、税抜表記の講座が実際より安く見えます。

2. 目標年度が違う

行政書士試験は年1回・11月です。今から学習を始める人にとって現実的なのは翌年以降を目標にしたコースですが、各社のページには複数年度のコースが並んでいます。

2026年9月10日時点で確認できた主要コースの目標年度は、アガルート・スタディング・クレアール・LEC・TACが2027年合格目標、伊藤塾が2026・2027年の2年度対応、ユーキャンは年度指定なし(標準学習期間6ヵ月)でした。スタディングとクレアールは、2026年8月25日の前回確認時には2026年合格目標のコースを主力として掲示していました。11月の本試験が近づくと各社が翌年度のコースへ切り替えるため、同じページを見ても時期によって並ぶコースが変わります。受講期間の長さが違うコースの価格を並べても、比較にはなりません

3. ほとんどの社が割引価格を掲示している

確認した7社のうち、通常価格をそのまま提示していたのはユーキャンだけでした。ほかは何らかの割引が出ています。

  • クレアール(完全合格初学者カレッジコース):一般価格169,000円(税込)に対し、9月割引価格92,950円(税込)
  • LEC(パーフェクトコース):一般価格245,000円(税込)に対し、2026年10月末まで60,000円OFFの185,000円。以降は割引額が段階的に縮小
  • TAC(プレミアム本科生Plus・Web通信講座):通常受講料275,000円(税込)に対し、早割キャンペーン第1弾で198,000円
  • アガルート(入門カリキュラム/フル):298,000円(税抜)に対し、期間限定10%OFFで268,200円(税抜・税込295,020円)

残る2社は割引率だけを示していました。伊藤塾は再受講割引40%OFF、スタディングは無料お試し受講の登録で配布される受講料15%OFFクーポンです。どちらも割引後の金額が公式ページに載っていないため、当サイトでは金額を出していません。なお伊藤塾の講座ページで、2026年9月10日時点に「割引情報」欄へ掲示されていたのは再受講割引40%OFFだけでした。ページ下部の【クーポンについて】には「早期申込割引」と「友人紹介」は併用可能という記載が残っていますが、これはクーポン併用のルール説明であって、実施中のキャンペーンの掲示ではありません。

割引価格を定価だと思って比べると、実態からずれます。また割引の期限の性質もそろっていません。アガルートは固定の期日(10%OFFは2027年3月1日23:59まで)、LECとTACは申込時期による段階制、クレアールは月ごとの割引で、9月時点の掲示は「9月割引価格」でした。クレアールの給付制度の説明にも「各月の割引キャンペーン適用後の受講料」と書かれており、月をまたぐと金額が変わります

なお、アガルートの講座ページにある「販売期間」は商品の販売期間であって、割引の期限とは別のものです。

4. 受講料以外の費用がある社がある

  • TAC:入会金10,000円(税込)。0から始まる会員番号を持たない場合に必要
  • 伊藤塾:入塾料10,000円。塾生以外に必要
  • クレアール:入学金は受講料に含まれると明記
  • ユーキャンは「教材費、指導費、消費税などが含まれます」と記載

受講料だけを比べると、実際に払う額と一致しない場合があります。

教育訓練給付制度を使えるかどうかで負担が変わる

料金を比べるうえで見落とせないのが、国の教育訓練給付制度です。厚生労働省の指定を受けた講座なら、条件を満たすことで受講費用の一部が支給されます。

一般教育訓練給付金の場合、支給されるのは受講費用の20%(上限10万円)で、受け取れるのは訓練の修了後です。主な要件は次のとおりです(ハローワークインターネットサービス・2026年8月12日確認)。

  • 雇用保険に加入していた期間が1年以上(初めて利用する場合)
  • 離職している場合は、資格喪失日から受講開始日までが1年以内
  • 支給額が4千円を超えない場合は支給されない

制度を当てにするなら、次の3点を先に確認してください。

対象は「会社」ではなく「コース」

同じ会社でも、対象になるコースとならないコースがあります。アガルートは公式に「一部カリキュラムが一般教育訓練給付金対象講座」と記載しており、対象は入門カリキュラム/フルに限られます。TACは対象クラスが開講時期で決まっており、LECは提携校通学が対象外と明記されています。

2026年9月10日時点で「対象」と公式に確認できたのはアガルート(対象カリキュラムのみ)・ユーキャン・クレアール・LEC・TACです。スタディングの行政書士講座の価格ページには教育訓練給付制度の記載がなく、伊藤塾の当該コースも指定講座一覧に掲載が確認できませんでした。

自分が申し込むコースが対象かどうかは、厚生労働省の教育訓練講座検索システムで確認できます。

受講すれば自動的に戻るわけではない(修了要件)

支給には各社が定める修了要件を満たす必要があります。ユーキャンは本人確認に加えて標準学習期間内に添削課題をすべて提出し修了課題が基準点以上、クレアールは提出する添削問題すべてで60%以上、TACは修了試験の正答率60%以上かつ出席率または答案提出率80%以上と、それぞれ公式に定めています。

合格特典と併用できない社がある

ここは特に注意が要ります。アガルートの合格特典ページには、「合格特典とは併用できませんので、ご確認の上申込みをお願いいたします」「講座のお申込み時に教育訓練給付金利用申請をいただいた場合には、本特典はご利用いただけません」と明記されています。給付金を申請すると合格特典(全額返金またはお祝い金)が使えなくなり、申込時にどちらかを選ぶことになります。

LECの合格者受講料返還制度にも、全額返還を利用した場合は教育訓練給付制度を利用できない旨の記載があります。「給付金で20%戻って、合格したらさらに全額返金」とはならない点は、申込前に押さえておく価値があります。

各社の公式表記(2026年9月10日確認)

講座 目標年度 受講料(公式表記) 教育訓練給付
アガルート 入門カリキュラム/フル 2027年 298,000円(税抜)/10%OFF時 268,200円(税抜・税込295,020円) 対象(このカリキュラムのみ)
スタディング 合格コース スタンダード(冊子テキスト付) 2027年 54,000円(税込)/ペーパーレス版 44,000円(税込) 価格ページに記載なし
ユーキャン 行政書士講座 年度指定なし 一括 69,000円(税込)/分割 4,980円×14回=69,720円 対象
クレアール 完全合格初学者カレッジコース 2027年 一般価格 169,000円(税込)/9月割引 92,950円(税込) 対象
伊藤塾 行政書士合格講座 フレキシブルワンコース 2026・2027年 258,000円(講座ページに税の表記なし)+入塾料10,000円 指定講座一覧に掲載を確認できず
LEC パーフェクトコース【通信】 2027年 一般価格 245,000円/2026年10月末まで 185,000円(いずれも税込) 対象(提携校通学は対象外)
TAC プレミアム本科生Plus(Web通信講座) 2027年 通常 275,000円/早割第1弾 198,000円(いずれも税込)+入会金10,000円 対象(開講時期で対象クラスが決まる)

同じ社でもコースやクラスによって金額と条件が変わります。上表は各社の初学者向け中心コース1つを取り上げたもので、講座の全体像ではありません。

アガルートとLECの講座ページは、下のリンクから公式サイトで開けます(当サイトの広告提携先の2社のみ。ほかの社は出典欄の公式ページをご覧ください)。

教材:紙で読むかスマホで完結させるか

教材の形は大きく分かれます。冊子のテキストが標準で付くのがアガルート・ユーキャン・クレアール・LEC・TAC、紙かデジタルかを選べるのがスタディングです。

スタディングは同じ「スタンダード」でも冊子テキスト付が54,000円(税込)、ペーパーレス版が44,000円(税込)と10,000円差があります。この44,000円は、上位の「コンプリート」の冊子テキスト付69,400円・ペーパーレス版59,400円とは別物ですが、コース名だけを見て金額を控えると、紙が付くほうと付かないほうを取り違えます。コース名とテキストの形はセットで確認してください。

音声で学べるかどうかも差が出ます。2026年8月12日時点で音声の提供を公式ページで確認できたのは、スタディング(基本講座・過去問解法講座がビデオと音声)、クレアール(過去問題集の読み上げ音声をダウンロード可)、LEC(音声ダウンロードの視聴期限の記載あり)でした。通勤時間を学習に充てたい場合は、ここが効いてきます。

サポート:質問できる回数は社ごとにまったく違う

質問対応は3つの型に分かれます。

回数の上限があるタイプ

  • アガルート:入門カリキュラム/フルで100回(オンライン質問サービス)
  • TAC:質問メール80回(プレミアム本科生Plus・プレミアム本科生の場合)
  • ユーキャン:1日3問まで

原則として制限がないタイプ

  • クレアール:公式に「質問回数無制限」と記載
  • LEC:「原則として質問に制限はございませんが、ご利用が集中したような場合には、一時的にご利用をお断りする場合がございます」との注記つき
  • 伊藤塾:マイページから24時間質問可能。回数制限の記載なし

別売のタイプ

  • スタディング:学習Q&Aチケット制。スタンダードには標準で付かず、標準付属は上位のコンプリート(30枚)のみ

「サポートが手厚い」という言葉だけでは中身が分かりません。総回数の上限なのか、1日あたりの上限なのか、そもそも別料金なのかは、申込前に確認する価値があります。

添削については、回数を明示していたのはユーキャン(7回・総合実力診断テスト1回を含む)でした。他社は「添削あり」と分かっても回数の記載がないところが多く、横並びでは比べられませんでした。

申し込む前に確認したい7つのこと

  1. そのコースはどの年度の試験に向けたものか。学習期間が自分の予定と合っているか
  2. 表示金額は税込か税別か。表記がない場合は問い合わせるか、購入手続きの画面で確認する
  3. その金額は定価か割引価格か、割引の期限はいつか。期限が書かれていない場合もある
  4. 受講料以外に入会金・入塾料が必要か
  5. 教育訓練給付制度の対象コースか。会社単位ではなくコース単位で確認する
  6. 給付金と合格特典が併用できるか。併用不可の社がある
  7. 質問できる回数と、その数え方はどうなっているか(総回数か1日あたりか、別料金か)

金額の大小だけで決めると、あとから条件の違いに気づくことになります。とくに給付制度と合格特典は、申込の時点で選択が確定してしまうため、後から変更できません。

行政書士試験そのもののデータ(合格率14.54%・令和7年度、勉強時間の目安600〜1,000時間)は行政書士のページにまとめています。独学と講座で迷っている段階なら、独学で狙いやすい国家資格ランキングもあわせてご覧ください。