宅建士とFP技能士、どちらを先に取るべき?
宅建士とFP技能士で迷ったときの選び方を、合格率・勉強時間・受験機会・活かせる場面の4点から公式データで比較します。
最終更新: 2026-07-25
宅地建物取引士(宅建士)とファイナンシャル・プランニング技能士(FP技能士)は、どちらも社会人に人気があり、学習範囲に重なる部分もある資格です。「両方いずれ取りたいが、どちらから手をつけるべきか」で迷う方に向けて、判断材料を整理します。
結論:目的で決まる
先に結論をまとめます。
| こんな方 | おすすめ |
|---|---|
| 不動産業界で働く・転職したい | 宅建士から |
| まず1つ資格を取って学習習慣をつけたい | FP技能士3級から |
| 7月に読んでいて、今年中に成果がほしい | 宅建士(申込が7月末で締切) |
| 金融・保険業界で働く、家計にも活かしたい | FP技能士から |
理由を順に見ていきます。
1. 難易度の差は小さくない
公式に公表されている直近の合格率は次のとおりです。
| 資格 | 合格率 | 実施年度・回 |
|---|---|---|
| 宅建士 | 18.7% | 令和7年度(受験者245,462人) |
| FP技能士3級 | 学科86.60% / 実技84.88% | 日本FP協会・2025年10月〜2026年2月実施CBT |
| FP技能士2級 | 学科47.18% / 実技56.47% | 同上 |
宅建士の合格率は18.7%で、過去数年も15〜18%台で推移しています。一方でFP技能士3級は学科・実技とも80%台です。
勉強時間の目安も、宅建士が300〜400時間程度と言われるのに対し、FP技能士3級は80〜150時間程度が目安とされます。まず1つ資格を取り切る成功体験がほしい方には、FP技能士3級のほうが到達しやすいといえます。
なお、FP技能士2級になると学科の合格率が50%前後まで下がり、勉強時間の目安も150〜300時間程度に増えます。「FPは簡単」と一括りにはできない点に注意してください。
2. 受験できる回数が決定的に違う
ここが見落とされがちですが、実務的にはもっとも重要な違いです。
- 宅建士: 年1回(10月の第3日曜日)。申込はインターネットで7月1日〜7月31日
- FP技能士: CBT方式で通年実施。都合の良い日時を選んで随時申し込める
宅建士は申込時期を逃すと、次のチャンスは1年後です。もしこの記事を7月に読んでいて宅建士に興味があるなら、まず申込期限を確認することをおすすめします。学習は申し込んでからでも始められます。
FP技能士は通年受験できるため、「準備ができたときに受ける」という進め方が可能です。急ぐ理由がないなら、締切のある宅建士を優先し、FPは後から自分のペースで、という順序にも合理性があります。
現在の申込状況は申込受付中の資格でまとめています。
3. 資格の「強さ」の種類が違う
- 宅建士には独占業務があります。 不動産取引における「重要事項の説明」は宅建士にしかできません。さらに不動産会社は事務所ごとに従業員5人に1人以上の宅建士を置くことが法律で義務付けられているため、業界内で常に一定の需要があります
- FP技能士に独占業務はありません。 その代わり、年金・保険・税金・資産運用・相続と守備範囲が広く、金融・保険・不動産業界での評価に加えて、自分自身の家計管理にも直接役立ちます
「就職・転職で武器にしたい」なら独占業務のある宅建士、「知識の応用範囲の広さ」ならFP技能士、という整理になります。
4. 学習範囲は一部重なる
両方を目指す場合、この重なりは効いてきます。
- 不動産(宅建業法・不動産取引の税金)
- 相続・贈与
FP技能士の出題範囲には「不動産」「相続・事業承継」の分野があり、宅建士で学ぶ内容と重なります。どちらを先に取っても、もう一方の学習が少し楽になります。 順序による有利不利はそれほど大きくありません。
費用も確認しておく
| 資格 | 受験料 |
|---|---|
| 宅建士 | 8,200円(非課税) |
| FP技能士3級 | 8,000円(学科4,000円+実技4,000円) |
| FP技能士2級 | 11,700円(学科5,700円+実技6,000円) |
受験資格の違いに注意
- 宅建士: 制限なし。年齢・学歴を問わず誰でも受験できます
- FP技能士3級: 「FP業務に従事している者または従事しようとしている者」が対象です
- FP技能士2級: 3級合格者、FP業務2年以上の実務経験者、AFP認定研修修了者などの条件のいずれかを満たす必要があります
FP技能士2級をいきなり受けることはできない場合が多いため、2級を目標にする方も3級から順に進めるのが一般的です。
まとめ
不動産業界を目指すなら宅建士から、まず1つ取り切りたいならFP技能士3級から。そして年1回しかない宅建士の申込時期(7月)は、迷っている間に過ぎてしまわないよう注意してください。
出典・参考情報
- 不動産適正取引推進機構「宅建試験の概要」 (2026-07-25 確認)
- 不動産適正取引推進機構「試験実施概況(令和7年度以前10年間)」 (2026-07-25 確認)
- 日本FP協会「2級・3級試験要綱」 (2026-07-25 確認)
- 日本FP協会「試験結果データ」 (2026-07-25 確認)
受験料・日程等は変更される場合があります。受験の際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。