アスレティックトレーナーの難易度・合格率・勉強時間

養成講習会を受けるには都道府県スポーツ協会などからの推薦が必要で、募集人数は年100名程度です。

最終更新: 2026-08-28

アスレティックトレーナーの基本情報

正式名称公認アスレティックトレーナー
分類民間資格
実施団体公益財団法人 日本スポーツ協会(JSPO)
試験形式専門科目の検定試験はCBT方式で、基礎科目・応用科目とも各80問・各120分の五肢択一式および五肢択二式です。受験するには、その前に3カテゴリーの実技確認テストにすべて合格している必要があります
受験資格養成講習会の受講条件は、受講する年の4月1日現在で満20歳以上、かつ都道府県スポーツ協会・中央競技団体などJSPO加盟団体等から推薦されることです。個人からの直接申込は受理されません。このほか、JSPOが承認した大学院・大学・専門学校の免除適応コースを修了して取得するルートがあります
試験日程専門科目の検定試験は年2回で、春期が5月中旬から6月中旬、秋期が11月中旬から12月中旬の期間内に本人が受験日時を予約します。養成講習会の募集は年1回で、令和8年度は推薦団体からJSPOへの推薦締切が2026年3月17日でした
受験料養成講習会の受講料は110,000円(税込。共通科目22,000円・専門科目55,000円・専門科目実技確認テスト33,000円の合計)で、テキスト代は別途必要です(共通科目のリファレンスブックが電子版2,640円・紙版3,300円、専門科目のテキストが電子版8,910円・紙版11,000円)。検定試験の受験料は22,000円(基礎科目・応用科目 各11,000円)、資格の登録料は4年間で23,000円から27,000円で、初回のみ初期登録手数料3,300円がかかります
合格率2022年カリキュラム(新カリキュラム)の専門科目検定試験は、2025年度秋期が全体20%(受験180人・合格36人)、春期が18%(118人・21人)でした。経過措置として並行実施されている2006年カリキュラム(旧カリキュラム)の理論試験は2025年度が67%(1,375人・925人)で、どちらの試験を受けるかで数字が大きく変わります
難易度★★★★
独立のしやすさ☆☆☆☆(この資格単独での独立開業は一般的ではありません)
勉強時間目安JSPOは勉強時間の目安を公表していません。カリキュラムの時間数は共通科目150時間・専門科目600時間で、これに現場実習180時間が加わります(JSPOの養成講習会を受講する場合、現場実習は免除されます)
申込方法養成講習会の募集は年1回で、加盟団体等からの推薦が必要です。令和8年度の推薦締切は2026年3月17日で終了しています。検定試験の申込期限は回ごとの開催案内で通知されます
公式サイト試験の公式ページを見る

申込・試験日程

回次申込受付期間試験日
令和8年度 養成講習会(試験ではなく講習会です)2026年3月17日(火) まで記載の日付は、推薦団体からJSPOへの推薦締切です。受講希望者はこれより前に、所属する都道府県スポーツ協会・中央競技団体等へ個人調書を提出する必要があります。個人からの直接申込およびJSPO加盟団体以外からの推薦は受理されません共通科目の集合講習は令和8年8月から11月の間の3日間。専門科目は1期が令和8年11月から12月(計3日)、2期が令和9年3月(計6日)、3期が令和9年5月から6月(計3日)で、実技確認テストが令和9年7月から8月(計1日)の予定です
専門科目検定試験(2022年カリキュラム)申込と受験料の納入は指導者マイページ、会場予約はCBTS受験者マイページで行います。各回の手続きの期限は、回ごとの開催案内で通知されます春期は5月中旬から6月中旬、秋期は11月中旬から12月中旬。この期間内で、受験者本人が全国のテストセンターの空き状況から受験日時を予約します合格発表: 各回の試験期間が終了した月の翌月末ごろに、CBTS受験者マイページのトップ画面に合否が表示されます(具体的な発表予定日は回ごとの開催案内で通知されます)

日程は変更される場合があります。申し込みの際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

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アスレティックトレーナーとはどんな資格?

公認アスレティックトレーナーは、公益財団法人日本スポーツ協会(JSPO)が認定する民間資格です。略称はJSPO-ATで、公認スポーツ指導者制度のなかでは、スポーツドクター・スポーツデンティスト・スポーツ栄養士と並ぶ「メディカル・コンディショニング資格」に位置づけられています。

JSPOはJSPO-ATの役割を、次の4つに関する知識と実践する能力を活用し、スポーツをする人の安全と安心を確保したうえでパフォーマンスの回復や向上を支援する指導者と定義しています。

  1. スポーツ活動中の外傷・障害予防
  2. コンディショニングやリコンディショニング
  3. プレーヤーの安全管理と健康管理
  4. 医療資格者に引き継ぐまでの救急対応

4つ目の書かれ方に注意してください。JSPO-ATの役割は「医療資格者に引き継ぐまでの救急対応」と定義されており、医療行為そのものを行う資格ではありません。指導の対象も、日本代表やプロスポーツ選手として活動する競技者に限らず、地域スポーツクラブ、学校・大学等の運動部活動、民間スポーツ施設、地域のスポーツセンターなどでスポーツ活動をするすべての人々とされています。

養成が始まったのは1994(平成6)年です。2006(平成18)年のカリキュラム改定から10年余りが経過し、スポーツ現場のニーズ拡大やコンディショニング技術の高度化といった変化を受けて、2022(令和4)年4月に専門科目カリキュラムが改定されました。後述するとおり、この改定は合格率の読み方にも直接影響します。

認定者数は、令和7(2025)年10月1日現在で6,116名です。JSPO公認スポーツ指導者全体(スポーツリーダーを除く)が308,336名なので、そのなかでは規模の小さい資格にあたります。男女の内訳は男性75.4%・女性24.6%で、JSPO公認スポーツ指導者全体の男性79.9%・女性20.0%と比べると女性の比率がやや高くなっています。

難易度と合格率

JSPOは専門科目検定試験の結果概要を年度ごとにPDFで公表しています。まず押さえておきたいのは、2022年カリキュラム(新カリキュラム)と2006年カリキュラム(旧カリキュラム)の2つの試験が並行して実施されており、合格率が大きく違うという点です。

2022年カリキュラムの検定試験は、基礎科目と応用科目に分かれます。

実施回 受験者(全体) 合格者(全体) 合格率(全体) 基礎科目 応用科目
2023年度 秋期 70人 16人 23% 47% 26%
2024年度 春期 68人 17人 25% 20% 27%
2024年度 秋期 119人 27人 23% 37% 38%
2025年度 春期 118人 21人 18% 18% 26%
2025年度 秋期 180人 36人 20% 21% 33%

一方、経過措置として続いている2006年カリキュラムの試験は、理論試験と実技試験で構成され、2025年度の結果は次のとおりでした。

試験 受験者 合格者 合格率
理論試験(全体) 1,375人 925人 67%
実技試験 2025年度前期(2025年8月) 132人 90人 68%
実技試験 2025年度後期(2026年1月から3月) 925人 680人 74%

同じ資格でありながら、2025年度は旧カリキュラムの理論試験が67%、新カリキュラムの検定試験は18%から20%と大きく開いています。これから取得を目指す方が受けるのは新カリキュラムの試験なので、「合格率は約7割」という説明を見かけたら、それが旧カリキュラムの数字ではないかを確かめてください。当サイトが確認した範囲では、JSPOは両者を1つの合格率にまとめた数値を公表していません。

新カリキュラムの合格基準は明確で、基礎科目・応用科目のいずれも7割以上の正答が必要です。合否判定は科目ごとに行われ、両方に合格して初めて専門科目を修了したことになります。不合格だった科目は、受験の権利が有効な期間内であれば次回以降に再受験できます。基礎科目と応用科目の合格率が回によって入れ替わっている(2024年度春期は基礎20%・応用27%、2025年度秋期は基礎21%・応用33%)のは、科目ごとに判定されるためです。

もう1つ、受験者がどのルートから来ているかも見ておきます。JSPOがルート別の内訳を公表しているのは旧カリキュラムの試験だけですが、そこでは受験者のほとんどが大学・専門学校のルートです。2025年度の旧カリキュラム実技試験(後期)は、925人のうち免除適応コース修了者が914人で、JSPOの養成講習会受講者は11人でした。前期も132人のうち適応コース修了者が125人、養成講習会受講者が7人です。新カリキュラムの検定試験の結果概要には、2023年度から2025年度までルート別の内訳が載っていません。次に見るとおり養成講習会の募集が年100名程度であることを踏まえると、この資格の主な入口は学校側にあると考えられます。

勉強時間の目安

JSPOは勉強時間や勉強期間の目安を公表していません。代わりに、カリキュラムの時間数が細かく定められています。

区分 時間数
共通科目 150時間(集合講習および自宅学習)
専門科目 600時間(集合講習および自宅学習)
現場実習 180時間(見学実習30時間・総合実習150時間)

専門科目600時間の内訳は、JSPO-ATの役割30時間、安全・健康管理とスポーツ外傷・障害の予防90時間、コンディショニング90時間、リコンディショニング90時間、救急対応60時間、検査・測定と評価30時間、人体の解剖と機能60時間、スポーツ科学概論90時間、スポーツ医学概論60時間の9科目です。

現場実習の扱いには注意が必要です。JSPOの養成講習会を受講する場合、現場実習180時間は免除されます。ただしこれは「不要」という意味ではなく、選考・評価基準に「カリキュラムの一部である『現場実習』が免除されるため、現場実習で本来学習すべき内容・時間数に相当する実績があるか、確認を行います」と明記されています。つまり推薦を得る段階で、過去5年間のトレーナーとしての活動実績が審査されます。大学・専門学校の免除適応コースで学ぶ場合は、現場実習もカリキュラムに含まれます。

なお、JSPOがサイト上で示している「養成講習会実施方針」の表では、専門科目の時間数が780時間と書かれています。この780時間は、開催要項の専門科目600時間と現場実習180時間の合計と一致します。

受験資格と試験日程

取得ルートは2つあります。JSPOが実施する養成講習会を受講するか、JSPOが承認した大学院・大学・専門学校の免除適応コース(アスレティックトレーナーコース)を修了するかです。どちらの場合も、共通科目と専門科目を修めて実技確認テストに合格したうえで、検定試験に合格する必要があります。

養成講習会は推薦制です

養成講習会の受講条件は次のとおりです。

  • 受講する年の4月1日現在、満20歳以上であること
  • JSPO、JSPO加盟団体(都道府県スポーツ協会、中央競技団体等)およびJSPOが特に認める国内統轄競技団体から推薦され、受講者選考基準を満たすこと
  • 受講有効期間内に講習の全日程に参加できること

個人からの申込およびJSPO加盟団体以外からの推薦は受理されません。募集人数は100名程度で、提出された個人調書と団体調書兼推薦書をもとに、JSPO指導者育成委員会アスレティックトレーナー部会が活動実績等を審査して受講者を内定します。JSPOは注意事項として、推薦を希望する団体でトレーナーとしての活動実績が乏しい場合は推薦を得られないことがあると明記しています。選考では、スポーツ医・科学に関する学びへの意欲、過去5年間の活動実績に加え、推薦団体におけるJSPO-ATの必要性や取得後の活用計画も評価の対象になります。

令和8年度の推薦締切は2026年3月17日でした。講習の日程は、共通科目の集合講習が令和8年8月から11月の間の3日間、専門科目が1期(令和8年11月から12月・計3日)、2期(令和9年3月・計6日)、3期(令和9年5月から6月・計3日)と続き、実技確認テストが令和9年7月から8月に行われる予定です。集合講習は1期から3期の順に受けなければならず、2期の受講前にはJSPOが定める一次救命処置(BLS)講習の有効な認定証を提出する必要があります。

受講有効期間は、受講が決定した年度の4月1日から共通科目4年間・専門科目5年間です。この期間内に検定試験の基礎・応用の両方に合格できなかった場合、受講者としての権利と取得した単位のすべてを失います

実技確認テストと検定試験

検定試験の前に、実技確認テストがあります。3つのカテゴリーに分かれ、制限時間内にプレーヤー役に対して実技と指導を行い、2名の検定員が評価します。

カテゴリー 内容 制限時間
カテゴリーⅠ 救急対応 8分間
カテゴリーⅡ コンディショニング、リコンディショニング 11分間
カテゴリーⅢ 安全・健康管理およびスポーツ外傷・障害の予防(テーピング) 8分間

評価はA(可)・B(不可)・C(危険な指導を伴うため不可)の3段階で、2名ともAか、1名がAで1名がBであれば合格です。2名ともBの場合は当日の再テストができますが、1名でもCと評価された場合は当日の再テストができず、別日の再受験になります

検定試験はCBT方式で、基礎科目・応用科目とも各80問・各120分、五肢択一式および五肢択二式で出題されます。基礎科目は人体の解剖と機能・スポーツ科学・スポーツ医学・JSPO-ATの役割・検査・測定と評価など、応用科目は安全・健康管理とスポーツ外傷・障害の予防・コンディショニング・リコンディショニング・救急対応などが範囲です。実施時期は春期が5月中旬から6月中旬、秋期が11月中旬から12月中旬で、この期間内に受験者本人が全国のテストセンターの空き状況を見て日時を予約します。

合否は、各回の試験期間が終了した月の翌月末ごろにCBTS受験者マイページのトップ画面に表示されます。なお、体調不良や自己都合で受験できなかった場合は欠席扱いとなり、そのまま不合格として処理される点にご注意ください。

費用は受講料だけではありません

取得までにかかる費用は複数に分かれます。

費目 金額(税込)
養成講習会 受講料 110,000円(共通科目22,000円・専門科目55,000円・実技確認テスト33,000円)
共通科目 リファレンスブック 電子版2,640円/紙版3,300円
専門科目 テキスト 電子版8,910円/紙版11,000円
検定試験 受験料 22,000円(基礎科目11,000円・応用科目11,000円)
資格登録料(4年間) 23,000円から27,000円
初期登録手数料(初回のみ) 3,300円

検定試験の受験料は、初回は基礎・応用の両方を受験するため22,000円です。2回目以降に片方だけを受ける場合は11,000円になります。一度納入された受験料は、欠席などいかなる理由でも返金されません。また、講習会の受講にあたって旅費や宿泊費の補助はありません。

他資格による免除は共通科目Ⅲには届きません

JSPOの公認スポーツ指導者資格には共通科目の段階があり、アスレティックトレーナーに必要なのは共通科目Ⅲです(コーチ3、教師、スポーツ栄養士と同じ段階)。

健康運動指導士は、JSPOが共通科目Ⅰ・Ⅱの免除対象として挙げている関連資格です。ただしJSPOは、保有する資格より上の段階の共通科目を受講する際はすべての共通科目講習会を受講する必要があり、一部免除はないと明記しています。したがって、健康運動指導士を持っていても、アスレティックトレーナー養成講習会の共通科目が免除されることはありません。

4年ごとの更新に10単位が要ります

資格の有効期間は4年間で、4年ごとに更新します。更新登録の要件は単位制で、有効期限の6か月前までに、更新研修への参加やJSPO-ATとしての活動実績を単位として合計10単位以上(必須単位を含む)取得することが必要です(令和8年4月16日改定の要件)。単位は11のカテゴリーから選んで計画的に取得することが望ましいとされています。

なお、免除適応コース承認校のアスレティックトレーナー専任教員を続ける場合は、同じ期限までに合計20単位以上が必要です。

こんな人におすすめ

推薦制という入口の形から、この資格は「これからトレーナーを目指す人が最初に取る資格」というより、すでにスポーツ現場で活動している人が、その実績を前提に受ける資格という性格が強くなっています。養成講習会の選考では過去5年間の活動実績が評価され、推薦団体における取得後の活用計画まで問われるためです。

一方、大学・専門学校の免除適応コースで学ぶルートは在学中から始められます。実際、2025年度の旧カリキュラム実技試験では受験者の9割以上が免除適応コース修了者でした。高校生や進学を検討している方であれば、志望校がJSPOの承認校かどうかを調べることが最初の一歩になります。承認校の一覧はJSPOのサイトで公開されています。

すでに他分野の資格を持つ方の位置づけも整理しておきます。プログラム作成と実践指導計画の調整を担う健康運動指導士、薬剤師免許を前提にドーピング防止を担う公認スポーツファーマシストと比べると、JSPO-ATは外傷・障害の予防から救急対応、リコンディショニングまでを現場で担う役割です。スポーツ医学の知識をまず確かめたい段階であれば、受検資格に制限がなく個人で申し込めるスポーツ医学検定から入る方法もあります。

出典・参考情報

受験料・日程等は変更される場合があります。受験の際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。