健康運動指導士の難易度・合格率・勉強時間

認定試験を受けるには養成講習会か養成校の養成講座の修了が必要で、すでに持っている資格によって履修する単位数が変わります。

最終更新: 2026-08-25

健康運動指導士の基本情報

正式名称健康運動指導士
分類民間資格
実施団体公益財団法人 健康・体力づくり事業財団
試験形式四肢択一の筆記試験で、プロメトリック株式会社の会場で受けるCBT方式です。出題は養成講習会カリキュラムの104単位分の内容に沿って行われます
受験資格認定試験を受けられるのは、財団の養成講習会で申込コースの全単位を修得した方と、養成校の養成講座を修了した方です。養成講習会の受講資格は、医療・栄養系の国家資格、4年制体育系大学の卒業、健康運動実践指導者などの指導者資格のいずれかで、どれに当たるかで受講するコースが変わります
試験日程認定試験は年3回で、各回とも1か月半ほどの実施期間内に1回だけ受験できます。養成講習会の受講申込は前期が2月下旬から3月上旬、後期が7月下旬から8月中旬です
受験料養成講習会の受講料は受講コースにより137,500円から291,500円(教材込み)です。これとは別に認定試験の受験料13,619円(税込)と、合格後の登録料25,300円(税込)がかかります
合格率第161回(令和8年2月13日〜3月31日実施)は総計71.4%(受験465人・合格332人)。再受験者を含まない「計」は77.3%で、再受験者は42.3%でした
難易度★★★☆☆
独立のしやすさ★★☆☆☆
勉強時間目安財団は勉強時間の目安を公表していません。認定試験は受講したコースにかかわらず養成講習会カリキュラムの104単位分から出題されるため、免除された単位の範囲も自分で補う必要があります
申込方法認定試験は年3回で申込期間が定められています。第163回の申込は2026年9月25日〜10月21日。受験には養成講習会または養成校の養成講座の修了が必要です
公式サイト試験の公式ページを見る

申込・試験日程

回次申込受付期間試験日
令和8年度 養成講習会〈後期〉2次募集(試験ではなく講習会です)受付は2026年8月17日から。2次募集の締切は会場ごとに異なり、講習会開催日の前月の同一日までです。定員になり次第終了します。年度をまたいでの受講はできません講習会の開催期間は、カテゴリーごとに会場と日程が分かれ、令和8年10月から令和9年1月にかけて開催されます(eラーニングは令和8年10月1日〜令和9年3月5日)
第163回 認定試験2026年9月25日(金) 〜 2026年10月21日(水)受験できるのは令和8年10月21日までに養成講習会の所定単位を修了した方です。申込コースの全単位を修得していないと受験できません2026年10月26日(月)〜12月9日(水)の実施期間内で1回のみ受験
第164回 認定試験2027年1月15日(金) 〜 2027年2月10日(水)受験できるのは令和9年2月10日までに養成講習会の所定単位を修了した方です2027年2月15日(月)〜3月31日(水)の実施期間内で1回のみ受験

日程は変更される場合があります。申し込みの際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

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健康運動指導士とはどんな資格?

健康運動指導士は、公益財団法人健康・体力づくり事業財団が認定する民間資格です。財団は健康運動指導士を、保健医療関係者と連携しつつ安全で効果的な運動を実施するための運動プログラム作成および実践指導計画の調整等を行う役割を担う者と定義しています。

成り立ちには行政との関わりがあります。養成事業は昭和63年に厚生大臣の認定事業として創設され、平成18年度からは財団独自の事業として続けられています。平成19年度には養成カリキュラムと資格取得方法の大幅な見直しが行われ、財団は現在、生活習慣病にかかる可能性のあるハイリスク者も対象にした運動指導を行う専門家を目指すうえでまず取得すべき標準的な資格と位置づけています。

登録者は、令和8年8月1日現在で全国17,530人です。財団が公表している職場の内訳(令和7年12月1日現在・17,718人)は次のとおりで、フィットネス系だけでなく医療・福祉の現場が大きな比率を占めています。

職場 人数
その他(学生を含む) 4,967人
アスレチッククラブ・フィットネスクラブ等 3,819人
診療所・病院等 2,717人
フリーで活動等 2,403人
老健・特養施設等 1,172人
保健所等 1,171人
学校 1,166人
健保組合・会社(健康管理部門) 303人

財団は同じ枠組みで健康運動実践指導者という称号も認定しています(令和8年8月1日現在16,158人)。こちらは自ら見本を示せる実技能力と、特に集団に対する運動指導技術に長けた者を養成するという位置づけで、プログラムを作る側の健康運動指導士とは役割が分けられています。後述のとおり、健康運動実践指導者を持っていると健康運動指導士の養成講習会をもっとも短いコースで受けられます。

特定保健指導との関係は間接的です

健康運動指導士は特定保健指導と関連づけて語られることがありますが、制度上の関係は少し込み入っているため、正確に整理しておきます。

特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準(平成19年厚生労働省令第157号)は、運動指導を行える者として「運動指導に関する専門的知識及び技術を有すると認められる者」を定めており、その中身は平成20年厚生労働省告示第10号に書かれています。当サイトがこの告示の全文を確認したところ、そこに「健康運動指導士」という語は出てきません。告示が定めているのは「看護師、栄養士等であって、内容が別表第2に定めるもの以上である運動指導担当者研修を受講した者」と「1に定める者と同等以上の能力を有すると認められる者」の2つです。

では健康運動指導士は関係がないのかというと、そうではありません。厚生労働省の「特定健康診査・特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き」は、後者の「同等以上の能力を有すると認められる者」の要件が通知(平成20年3月10日 健発第0310007号、保発第0310001号)で示されているとしたうえで、運動指導に関しては健康・体力づくり事業財団が認定する健康運動指導士のほか、事業場における労働者の健康保持増進のための指針にもとづく運動指導担当者で所定の追加研修を受講した者が該当すると説明しています。つまり、告示に名前が書かれているのではなく、告示が定める2つ目の類型として扱われているというのが制度上の位置関係です。

財団の側からも接点があります。財団は告示の別表第2に掲げられた計147時間の研修に該当する内容として「特定保健指導の実施にかかる運動指導担当者研修」を開催しており、これは健康運動指導士養成講習会と同時に実施され、申込時には104単位コースを選択することになっています。受講対象者は看護師・栄養士・歯科医師・薬剤師・助産師・准看護師・理学療法士で、受講料は291,500円(税込・教材を含む)です。

ただし、財団はこの研修の案内に次のとおり明記しています。

標記研修会を修了されても健康運動指導士認定試験の受験資格は付与されません。

カリキュラムは重なっていても、運動指導担当者研修の修了と健康運動指導士の資格は別のものとして扱われます。どちらを目的にするかで申込の入口が変わるため、混同しないようにしてください。

難易度と合格率

財団は認定試験の結果を回ごとに公表しています。直近の第161回(令和8年2月13日〜3月31日実施・CBT方式)の内訳は次のとおりです。

区分 受験者数 合格者数 合格率
養成講習会 104単位コース 17人 17人 100%
養成講習会 70単位コース 41人 41人 100%
養成講習会 51単位コース 42人 32人 76.2%
養成講習会 40単位コース 170人 141人 82.9%
健康運動指導士養成校修了者 117人 68人 58.1%
387人 299人 77.3%
再受験者 78人 33人 42.3%
総計 465人 332人 71.4%

この試験の合格率を読むときは、どの行を見ているかで数字が大きく変わることに注意が必要です。財団の表は、コース別・養成校別の合計を「計」、これに再受験者を加えたものを「総計」として分けて示しています。再受験者を含まない「計」は77.3%ですが、含めた総計は71.4%まで下がります。逆に、養成講習会の104単位コースと70単位コースはこの回どちらも100%でした。もっとも低いのは養成校の養成講座を修了して受験した方の58.1%です。

数字だけを見れば7割前後が合格する試験ですが、難しさは試験そのものより手前の段階にあります。受験には養成講習会か養成校の養成講座の修了が要り、その講習会を受けるにも医療・栄養系の国家資格か4年制体育系大学の卒業か指導者資格が必要で、受講料も13万円台から29万円台かかります。合格率の高さは、その選抜が先に済んでいることの裏返しと考えたほうが実態に近くなります。

なお、不合格だった場合の扱いについて、財団はよくある質問で次回以降の試験に申し込めるとしており、受験回数・受験年数に制限はないと明記しています。

勉強時間の目安

財団は勉強時間や勉強期間の目安を公表していません。当サイトが公式サイト内のページを検索した範囲では、該当する数値は見つかりませんでした。

代わりに、試験の構造から準備の輪郭を示しておきます。財団は認定試験について、養成講習会を修了した方を対象として講習会カリキュラムの内容(104単位分)に沿って行うと説明しています。つまり、40単位コースや51単位コースで受講した方も、出題範囲そのものは104単位分です。自分が講習会で受けなかった範囲は、テキストなどで自力で埋めることになります。この点は、コース別の合格率で104単位・70単位コースが高く出ていることとも整合します。ただしこの回の104単位コースは17人、70単位コースは41人と受験者が少なく、回による振れが大きい点にはご注意ください。

講習会そのものの負荷も見ておく必要があります。講習は1日5講義(1講義90分)で、9時から18時15分までが基本です。必要なカテゴリーは同一年度内に修了しなければならず、年度をまたいで受講することはできません。欠席・遅刻した場合は補講の手続きが必要で、補講料は1単位2,750円(税込)、Eカテゴリーの健康産業施設等現場研修は2日間で20,952円(税込)です。仕事と並行して受ける場合は、まとまった日程を確保できるかが最初の関門になります。

受験資格と試験日程

資格取得の流れは、養成講習会の受講または養成校の養成講座の修了、認定試験の合格、健康運動指導士台帳への登録という3段階です。講習会・養成校の認定・認定試験・登録のいずれも財団が実施しています。

養成講習会は、すでに持っている資格によって受講するコースが4つに分かれます。

コース 受講料(教材込み) 主な受講資格
104単位コース 291,500円 歯科医師・看護師・准看護師・助産師・薬剤師・栄養士・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師・理学療法士・作業療法士・臨床検査技師のいずれかを持ち、かつ4年制大学を卒業した方など
70単位コース 220,000円 医師・保健師・管理栄養士のいずれかを持つ方
51単位コース 165,000円 4年制体育系大学(教育学部体育学系を含む)の卒業者(卒業見込みを含む)
40単位コース 137,500円 健康運動実践指導者、日本スポーツ協会公認のスポーツプログラマー・アスレティックトレーナー・フィットネストレーナー、日本フィットネス協会公認のGFIエグザミナー・GFIディレクターのいずれかを持つ方

受講資格を証明する書類は申込の段階でそろえる必要があります。財団はよくある質問で、資格試験に合格していても登録証が申込期限までに間に合わない場合は申し込めないと回答しています。

大学の養成校ルートもあります。財団が認定した養成校の養成講座を修了すれば、養成講習会を受けずに認定試験へ進めます。養成校は令和8年4月現在で全国80校あり、体育学部・スポーツ健康科学部・健康福祉系の学科などが認定されています。在学中から資格取得を視野に入れる場合は、こちらが費用面でも現実的な選択肢になります。

養成講習会の受講申込期間は、令和8年度は前期が2026年2月20日(金)から3月8日(日)、後期が2026年7月31日(金)から8月16日(日)でした。定員に満たない場合は2次募集が行われ、令和8年度後期の2次募集は2026年8月17日から受付が始まっています。2次募集の締切は会場ごとに異なり、講習会開催日の前月の同一日までとされているため、全国一律の締切日はありません。定員に達し次第終了する点にもご注意ください。

認定試験は年3回です。令和8年度の日程は次のとおりで、いずれもプロメトリック株式会社の運営でCBT方式により実施されます。

試験実施期間 受験申込期間
第162回 2026年7月27日(月)〜9月9日(水) 2026年6月26日(金)〜7月22日(水)
第163回 2026年10月26日(月)〜12月9日(水) 2026年9月25日(金)〜10月21日(水)
第164回 2027年2月15日(月)〜3月31日(水) 2027年1月15日(金)〜2月10日(水)

いずれの回も、実施期間内に受験できるのは1回だけです。また各回とも受験申込の対象は、申込期間の最終日までに講習会を修了した方に限られます。受験料は13,619円(税込)です。

合格後は登録の手続きが必要で、登録料は25,300円(税込)、登録の有効期間は5年間です。

5年ごとの更新に単位が要ります

この資格を検討するうえで見落としやすいのが更新制度です。登録の有効期間は5年で、期限までに更新申請がないと登録は抹消されます。

更新するには、財団が認定した講習会(認定講習会)で実習を含む20単位以上を履修し、その証明書を添えて申請します。健康運動指導士の場合、この20単位には5年間に1回の「更新必修講座」の受講が必ず含まれていなければなりません。更新必修講座は全講座の受講で5単位で、eラーニング版は財団が、現地開催版はNPO法人日本健康運動指導士会が実施しています。更新手数料は22,000円(税込)です。

単位は認定講習会以外でも積めます。財団発行の月刊「健康づくり」を定期購読すると1年で1.2単位、5年で6単位を取得できるほか、消防庁(署)や日本赤十字社が実施する一次救命処置等の対象講座の受講で実習単位を取ることもできます。学会大会や行政機関・公益法人主催の講習会については、個別認定審査を経て単位になるかが判断されます。

うっかり失効した場合について、財団は認定試験を再受験して合格すれば再登録できると回答しています。ただし受験には改めて修了の要件を満たす必要があるため、期限管理は計画的に行うのが安全です。

独立して働くなら

健康運動指導士には、業務独占も名称独占もありません。この資格がなければできない仕事が法律で定められているわけではないため、独立するとしても「資格を取れば依頼が来る」という性質のものではない点を最初に押さえておく必要があります。

そのうえで、財団が公表している職場の内訳ではフリーで活動等が2,403人(令和7年12月1日現在の登録者17,718人のうち)を占めており、13.6%にあたります。組織に属さずに活動している方が一定数いることは、公表データから確認できます。

想定される働き方は、フィットネスクラブや自治体の健康教室での指導、医療機関・介護施設からの運動プログラム作成や指導の受託、健康保険組合や企業の健康づくり事業への関与などです。いずれも施設・自治体・企業を相手にした受託や業務委託が中心で、個人客を直接集めるモデルとは性格が異なります。

そのため、独立を視野に入れる場合は、資格そのものより元になる職歴と、その先にある人の縁が土台になります。40単位コースの受講資格が健康運動実践指導者やスポーツ指導者資格の保有者に開かれているのも、すでに指導の実務を持つ人が上位の役割へ進むことを想定した設計と読めます。実務経験のない状態で資格だけを先に取る進め方では、独立の足がかりにはなりにくいと考えたほうがよいでしょう。

こんな人におすすめ

  • 看護師・理学療法士・管理栄養士などの医療・栄養系の資格を持ち、運動指導まで自分で組み立てられるようにしたい方
  • フィットネスクラブや自治体の健康教室で指導しており、プログラムを作る側の知識を体系的に身につけたい方
  • すでに健康運動実践指導者やスポーツ指導者資格を持っていて、40単位コースで上位の称号へ進みたい方
  • 体育系の大学に在学中で、養成校のカリキュラムを使って在学中に取得を目指せる方

一方で、この資格は受講資格の段階で対象がかなり絞られます。医療・栄養系の国家資格も、4年制体育系大学の卒業も、指導者資格もない場合は、まず健康運動実践指導者などの手前の資格を取ってから40単位コースに進む形になります。スポーツと身体の知識を受験資格の制限なく学びたいということであれば、同じスポーツ・健康カテゴリのスポーツ医学検定のほうが入口としては近い位置にあります。

出典・参考情報

受験料・日程等は変更される場合があります。受験の際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。