国家資格医療・福祉

ケアマネジャーの難易度・合格率・勉強時間

介護保険サービスの利用にはケアプランが必要で、特別養護老人ホームなどには介護支援専門員を1人以上置く人員基準があります。

最終更新: 2026-08-03

ケアマネジャーの基本情報

正式名称介護支援専門員(ケアマネジャー)
分類国家資格
実施団体各都道府県(試験問題の作成と合格基準の設定は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが受託)
試験形式五肢複択式のマークシート・60問(介護支援分野25問、保健医療福祉サービス分野35問)・試験時間120分。分野ごとに合格基準点が設定されます
受験資格医師・看護師・介護福祉士・社会福祉士など別表に定める21の法定資格にもとづく業務、または生活相談員・相談支援専門員などの相談援助業務に、通算5年以上かつ900日以上従事していること
試験日程年1回・10月(第29回は2026年10月11日)。試験日と合格発表日は全国共通ですが、申込先は都道府県ごとに異なります
受験料都道府県により異なります(第29回の例として、和歌山県8,400円、兵庫県9,400円、福岡県9,700円、東京都12,400円、新潟県13,200円、大阪府・愛知県13,400円。別途、払込手数料が必要な都道府県があります)
合格率第28回(令和7年10月12日実施) 25.6%(受験者50,601人・合格者12,961人)
難易度★★★★
独立のしやすさ★★☆☆☆
勉強時間目安公式の目安は公表されていません
申込方法年1回。申込先・受験料・申込期間は都道府県ごとに異なります(第29回の受付は5月下旬〜7月上旬に行われ、いずれも終了しています)
公式サイト試験の公式ページを見る

申込・試験日程

回次申込受付期間試験日
第29回(令和8年度)試験申込受付期間・受験手数料・申込先は都道府県により異なります。第29回の受付は各都道府県とも2026年5月下旬〜7月上旬で終了しています2026年10月11日(日)午前10時開始合格発表: 2026年11月24日(火)予定

日程は変更される場合があります。申し込みの際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

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ケアマネジャーとはどんな資格?

ケアマネジャー(介護支援専門員)は、介護保険法にもとづく資格です。要介護認定を受けた方の相談に応じ、本人や家族の希望と心身の状態に合わせてケアプラン(居宅サービス計画・施設サービス計画)を作成し、サービス事業者との連絡調整を行います。介護保険サービスを実際に使うには、このケアプランが必要になります。

資格を得るには、まず「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格します。名前のとおり、この試験は合格そのものが資格の付与ではなく、実務研修を受ける資格を得るための試験です。東京都福祉局も、実務研修を行うにあたって事前に介護保険制度などに関する必要な専門知識等を有していることを確認するための試験だと説明しています。

合格後は実務研修(愛知県の例では87時間)を修了し、都道府県の登録簿に登録されたうえで、介護支援専門員証の交付を受けます。研修を修了しただけでは登録も証の交付も行われないため、いずれも申請の手続きが必要です。

なお、この資格が国家資格にあたるかどうかは分類が分かれてきましたが、厚生労働省老健局長は2026年5月22日の衆議院厚生労働委員会で、介護支援専門員について「法律に規定された国家資格として位置づけている」と答弁しています。当サイトではこれにもとづき国家資格として扱っています。

介護支援専門員証には有効期間があり、大阪府の説明によれば交付の日から5年間です。更新には更新研修の修了と更新手続きの両方が必要で、有効期間が切れたまま業務を行った場合は登録消除となる可能性があるとされています。取得して終わりではなく、5年ごとの更新が前提の資格です。

試験の実施主体は都道府県で、試験問題の作成と合格基準の設定は、厚生労働大臣の登録を受けた公益財団法人社会福祉振興・試験センターが受託しています。そのため、試験日・試験問題・合格発表日は全国共通ですが、申込先・受験料・申込期間は都道府県ごとに異なります

難易度と合格率

厚生労働省が公表している実施状況によると、直近6回の合格率は次のとおりです。

回次 年度 試験日 受験者数 合格者数 合格率
第28回 令和7年度 2025年10月12日 50,601人 12,961人 25.6%
第27回 令和6年度 2024年10月13日 53,699人 17,228人 32.1%
第26回 令和5年度 2023年10月8日 56,494人 11,844人 21.0%
第25回 令和4年度 2022年10月9日 54,406人 10,328人 19.0%
第24回 令和3年度 2021年10月10日 54,290人 12,662人 23.3%
第23回 令和2年度 2020年10月11日 46,415人 8,200人 17.7%

おおむね20〜25%で推移していますが、17.7%から32.1%まで年度による振れ幅が大きいのが特徴です。第27回は直近6回で突出して高く、第28回は25.6%に戻っています。「合格率◯%の試験」と一つの数字で捉えるより、年度によって20%台を上下する試験と考えたほうが実態に近いでしょう。

この数字を読むうえで押さえておきたいのは、受験者が全員、5年以上の実務経験者だという点です。介護福祉士や看護師として、あるいは生活相談員などとして5年以上現場に立ってきた方が受けて、それでも合格するのはおよそ4人に1人(回によって3〜5人に1人)という水準になります。介護や医療の実務知識がある前提で作られた試験であることが、合格率に表れています。

試験は五肢複択式のマークシートで、介護支援分野25問と保健医療福祉サービス分野35問の合計60問、試験時間は120分です(点字受験は180分、弱視等は156分)。五肢択一ではなく五肢複択、つまり5つの選択肢から正しいものを複数選ぶ形式で、一つでも取りこぼすと得点にならないため、あいまいな理解では点が伸びにくい設計になっています。

合格判定は厚生労働省の通知で「介護支援分野と保健医療福祉サービス分野のそれぞれの分野で、別途、都道府県知事又は登録試験問題作成機関が設定する一定割合以上の正答の場合に合格とする」と定められています。合計点ではなく分野ごとの基準点をどちらもクリアする必要があるため、得意分野で稼いで苦手分野を補うという戦い方ができません。基準点は回次ごとに設定・公表されるもので、あらかじめ決まった固定の点数ではない点にご注意ください。

勉強時間の目安

試験を実施する都道府県や厚生労働省は、学習時間の目安を公表していません。インターネット上には具体的な時間数が出回っていますが、公式の根拠がある数値ではないため、本記事では扱いません。

学習計画を考えるうえでの手がかりになるのは、試験の構成です。介護支援分野25問は介護保険制度の仕組み・要介護認定・ケアマネジメントの手法が中心で、保健医療福祉サービス分野35問は医療知識と福祉サービス各論が問われます。ここで差がつきやすいのが、自分の実務でカバーしていない側です。介護職出身の方は医療系の設問、看護職出身の方は介護保険制度や福祉サービスの設問で苦戦しやすく、どちらの分野にも基準点があるため、弱いほうを放置できません。

計画のうえで注意したいのは申込の時期です。試験は10月ですが、申込は各都道府県とも5月下旬から7月上旬に締め切られます。この期間を逃すと次の受験機会は1年後になるため、学習の進み具合にかかわらず、申込だけは先に済ませておくのが安全です。

なお、法改正の反映が問われる試験でもあります。介護保険制度は定期的に改正されるため、教材は受験する年度に対応した最新版を使うことをおすすめします。

受験資格と試験日程

受験資格は、次のアまたはイの業務に従事した期間が通算5年以上、かつ従事日数900日以上であることです。

ア. 別表に定める法定資格にもとづく業務 医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士、精神保健福祉士の21資格です。

イ. 相談援助業務 特定施設・介護老人福祉施設・介護老人保健施設等の生活相談員/支援相談員、計画相談支援の相談支援専門員、障害児相談支援の相談支援専門員、生活困窮者自立相談支援事業の従事者などが対象です。

神奈川県の説明によれば、期間の要件を満たすだけでなく「要援護者に対する直接的な援助が本来業務として明確に位置付けられている」ことが必要とされています。同じ職場にいても職務内容によって認められるかどうかが変わるため、迷う場合は受験する都道府県に確認してください。

かつては無資格でも介護等の業務経験を積むことで受験できるルートがありましたが、平成27年2月12日の厚生労働省通知(老発0212第2号)による受験要件の見直しと3年間の経過措置の終了により、第21回(平成30年度)試験からは上記のアまたはイに限定されています。

受験する都道府県は自由に選べるわけではありません。愛知県社会福祉協議会の案内では、勤務地(就業していない場合は住所地)の都道府県で受験することとされています。取扱いは実施要項に定められているため、受験前にご自身の都道府県の案内で確認してください。

試験は年1回、例年10月に実施されます。第29回(令和8年度)の日程は次のとおりです。

  • 試験日: 2026年10月11日(日)午前10時開始
  • 合格発表日: 2026年11月24日(火)予定

試験日と合格発表日は全国共通です。一方、申込期間と受験手数料は都道府県によって異なります。第29回の実例は次のとおりでした。

都道府県 受験手数料 申込受付期間
和歌山県 8,400円 2026年5月29日〜6月19日
兵庫県 9,400円 2026年5月25日〜6月26日
福岡県 9,700円 2026年6月4日〜7月3日
東京都 12,400円 2026年6月1日〜6月30日
新潟県 13,200円 2026年6月1日〜6月26日
愛知県 13,400円 2026年5月27日〜6月24日
大阪府 13,400円 2026年5月25日〜6月22日

上表は各都道府県が定める受験手数料で、これとは別に払込手数料がかかる場合があります(東京都はコンビニ振込手数料148円、大阪府はコンビニ払込手数料170円が別途必要です)。

東京都の12,400円は、試験手数料11,000円と試験問題作成事務手数料1,400円の合計です。試験問題作成事務手数料1,400円は共通で、これに各都道府県が設定する試験事務手数料が加わる形になっています。金額に5,000円ほどの幅があるのはこのためです。

第29回の申込は、確認できたいずれの都道府県でも受付を終了しています。次回(第30回・令和9年度)の日程と受付期間が公表されるのは例年5月頃と見られます。受験を予定している方は、ご自身が受験する都道府県の公式ページで発表を確認してください。確認できた範囲では、申込方法はいずれも郵送でした。

独立して働くなら

ケアマネジャーが独立する形として一般的なのは、居宅介護支援事業所を開設することです。ただし、開業までにはいくつかの条件があります。

まず、法人であることが必要です。 介護保険法第79条は、指定居宅介護支援事業者の指定について「申請者が市町村の条例で定める者でないとき」は指定をしてはならないと定めています。この条例は市町村ごとに定められるもので、たとえば福岡市の条例では「法第79条第2項第1号の条例で定める者は、法人…とする」と申請者を法人に限っています。個人事業として開業することはできず、先に法人を設立する必要があります。条例の内容は市町村によって異なるため、開業を予定している地域の条例を確認してください。

管理者は原則として主任介護支援専門員です。 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第3条は、事業所ごとに常勤の管理者を置くこと、その管理者は主任介護支援専門員でなければならないことを定めています(主任介護支援専門員の確保が著しく困難であるなど、やむを得ない理由がある場合の例外は認められています)。

この要件には経過措置がありますが、これから新規に開設する方は対象外です。札幌市の説明によれば、経過措置は令和3年3月31日時点で主任介護支援専門員でない管理者がいた事業所について、その管理者が継続する場合に限って令和9年(2027年)3月31日まで適用を猶予するものです。新規開設や管理者の交代にあたっては、令和3年4月1日以降、主任介護支援専門員であることが求められています。

主任介護支援専門員になるには主任介護支援専門員研修を修了する必要があり、その受講要件は都道府県が定めています。つまり、実務経験5年 → 試験合格 → 実務研修 → 現場で経験を積む → 主任研修 → 開業という長い階段を上る資格で、合格してすぐ独立できる性質のものではありません。

仕事の中身はケアプランの作成と、サービス事業者・医療機関・家族との連絡調整です。報酬は介護保険の介護報酬にもとづくため、価格で差をつけて選ばれるという発想は基本的に成り立ちません。事業の安定は担当できる利用者数の確保にかかっており、依頼の入口は病院の退院支援部門・地域包括支援センター・近隣のサービス事業者からの紹介が中心になります。開業前に地域でどれだけ信頼関係を築けているかが、そのまま立ち上がりを左右する仕事だといえます。

一方、独立という選択をしなくても、介護支援専門員の配置が制度上求められている職場があります。特別養護老人ホーム(指定介護老人福祉施設)と介護老人保健施設は、それぞれの人員基準で介護支援専門員を1人以上置くこととされ、入所者の数が100人またはその端数を増すごとに1人を標準とすると定められています。地域包括支援センターについては、介護保険法施行規則第140条の66が「主任介護支援専門員その他これに準ずる者」の配置を定めています。資格を活かす場が制度によって確保されている点は、この資格の安定感につながっています。

こんな人におすすめ

  • 介護福祉士や看護師などとして5年以上の実務経験があり、次のステップを探している方
  • 直接介護から、相談・調整を中心とする仕事に軸足を移したい方
  • 制度と現場の橋渡しをする役割にやりがいを感じる方
  • 現場の身体的な負担を減らしながら、介護・医療の分野で長く働き続けたい方

ケアマネジャーは、受験資格の段階で5年以上の実務経験が求められる、キャリアの途中で目指す資格です。介護分野で先に取得を目指すなら介護福祉士が受験資格につながる代表的なルートで、そこから5年の実務経験を経てケアマネジャーへ、という進み方が一般的です。5年ごとの更新研修が必要な点も含めて、長く続けることを前提に検討したい資格といえます。

出典・参考情報

受験料・日程等は変更される場合があります。受験の際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。