国家資格医療・福祉

介護福祉士の難易度・合格率・勉強時間

業務独占ではありませんが、名称を名乗れるのは有資格者だけで、A・B・Cのパート別合格は翌年・翌々年の試験まで有効です。

最終更新: 2026-09-19

介護福祉士の基本情報

正式名称介護福祉士
分類国家資格
実施団体公益財団法人 社会福祉振興・試験センター(指定試験機関)
試験形式筆記試験のみ・125問(五肢択一を基本とする多肢選択形式)。第37回試験から実技試験は廃止
受験資格ルート別に要件あり(実務経験3年以上+実務者研修の修了/介護福祉士養成施設の卒業/福祉系高校の卒業/EPA)
試験日程年1回(1月下旬に筆記試験)・合格発表は3月
受験料20,510円(第39回試験)
合格率第38回(令和8年1月25日実施) 70.1%(受験者78,469人・合格者54,987人)
難易度★★★☆☆
独立のしやすさ☆☆☆☆(この資格単独での独立開業は一般的ではありません)
勉強時間目安公式の目安は非公表です。一般には250時間前後と言われています(資格予備校等が示す数値で、公式データではありません)
申込方法年1回。第39回はインターネット受験申し込みシステムで2026年7月22日〜9月2日に受付
公式サイト試験の公式ページを見る

申込・試験日程

回次申込受付期間試験日
第39回(令和8年度)試験2026年7月22日(水) 〜 2026年9月2日(水)期間内に受験手数料の支払いを完了する必要があります2027年1月31日(日)合格発表: 2027年3月23日(火)

日程は変更される場合があります。申し込みの際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

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介護福祉士とはどんな資格?

介護福祉士は、介護の分野で唯一の国家資格です。社会福祉士及び介護福祉士法にもとづく資格で、心身の状況に応じた介護を行うとともに、介護者への指導も担う立場と位置づけられています。

業務そのものを独占する資格ではなく、資格がなければ介護の仕事ができないわけではありません。一方で「介護福祉士」という名称を名乗れるのは有資格者だけと法律で定められており、現場ではリーダーや指導的な役割につながりやすい資格です。

受験のハードルは合格率の数字よりも「受験資格」にあります。誰でも申し込める試験ではなく、実務経験や養成課程の修了を先に満たす必要があります。

難易度と合格率

第38回試験(令和8年1月25日実施)の合格率は70.1%(受験者78,469人・合格者54,987人)でした。前回の第37回は78.3%(受験者75,387人・合格者58,992人)で、いずれも7〜8割が合格する水準です。

合格率だけを見ると易しく思えますが、これは受験者があらかじめ実務経験や養成課程の要件を満たした人に限られているためです。母集団がすでに絞り込まれている点は割り引いて考える必要があります。

合格基準は、第38回試験では次の2つを満たすこととされました。

  • 総得点125点に対し、得点64点以上(総得点の60%程度を基準とし、問題の難易度で補正。配点は1問1点)
  • 上記を満たした人のうち、11の科目群すべてで得点があること

11科目群は「人間の尊厳と自立、介護の基本」「社会の理解」「人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術」「生活支援技術」「こころとからだのしくみ」「発達と老化の理解」「認知症の理解」「障害の理解」「医療的ケア」「介護過程」「総合問題」です。1つでも0点の科目群があると不合格になるため、苦手分野を捨てられません。

また、第37回試験からパート合格制度が導入されました。試験はA・B・Cの3つのパートに分かれており、全体の合格基準に届かなかった場合でも、パートごとの合格基準点以上を得点し、そのパートを構成する科目群すべてで得点があれば、そのパートだけ合格として扱われます。パート別合格は翌年・翌々年の試験まで有効で、次回は全パートを受け直すか、合格していないパートだけを受けるかを選べます。第38回でのパート別合格者は、Aパート3,935人、Bパート1,509人、Cパート6,181人でした。

なお、第37回(令和6年度)試験より実技試験は廃止され、現在は筆記試験のみの実施です。

勉強時間の目安

試験センターは学習時間の目安を公表していません。一般には250時間前後と言われていますが、これは資格予備校等が示す数値であり、公式データではない点にご注意ください。

出題範囲は「人間と社会」「介護」「こころとからだのしくみ」「医療的ケア」の4領域に加えて総合問題が出ます。実務経験ルートで受験する方は日々の業務で扱っている内容が多く、過去問演習を中心にした対策が取りやすい試験です。一方で「発達と老化の理解」「障害の理解」「医療的ケア」など、担当業務によっては触れる機会が少ない科目もあり、11科目群すべてで得点する必要がある以上、範囲を一巡させる学習計画が現実的です。

実務経験ルートで受験資格として必要になる実務者研修は、その内容がそのまま試験範囲の土台になります。研修の受講と試験対策を切り離さず、同じ時期に進める方が効率的です。

受験資格と試験日程

受験資格は主に4つのルートに分かれます。

  • 実務経験ルート: 実務経験3年以上に加えて、実務者研修の修了が必要です。平成28年度(第29回)試験から実務者研修の修了が要件に加わったため、実務経験3年だけでは受験できません。介護職員基礎研修と喀痰吸引等研修(3号研修を除く)を修了している場合も受験資格となります。実務経験は従業期間と従事日数の両方の要件を満たす必要があります。
  • 養成施設ルート: 介護福祉士養成施設を卒業するルートです。養成施設の卒業者には、試験に合格しなくても(不合格または未受験でも)卒業した年度の翌年度の4月1日から5年間は介護福祉士となる資格を有するとする経過措置があります。試験センターの経過措置登録のページによると、この対象は延長前は「令和9年3月31日までに卒業した者」でしたが、法改正により「令和14年3月31日までに卒業した者」へ延長されました。ただし令和9年4月1日から令和14年3月31日までに卒業する方は、5年間の資格登録有効期限を解除するには国家試験に合格する必要があります(令和9年3月31日までの卒業者に認められている、卒業した年度の翌年度の4月1日から資格登録有効期限まで継続して介護等の業務に従事することで解除する方法は使えません)。なお、同センターの受験資格(ルート図)のページには「令和9年度以降に養成施設を卒業する方からは、国家試験に合格しなければ介護福祉士になることはできません」という延長前の記述が残っています(この経過措置に関する記載は2026年9月19日時点の情報です)。
  • 福祉系高校ルート: 平成21年度以降の入学者は卒業により受験資格が得られます。特例高校等の場合は、卒業後に9か月以上の介護等の業務経験が必要です。
  • EPAルート: 経済連携協定にもとづく外国人介護福祉士候補者向けのルートです。

ご自身がどのルートに当てはまるか、必要な証明書は何かは、公式サイトのルート図と「受験の手引」でご確認ください。

試験は年1回です。第39回(令和8年度)試験の日程は次のとおりです。

  • 受験申し込み: 2026年7月22日(水)〜9月2日(水)。インターネット受験申し込みシステムを利用し、期間内に受験手数料の支払いまで完了する必要があります
  • 筆記試験: 2027年1月31日(日)
  • 試験地: 35都道府県
  • 合格発表: 2027年3月23日(火)にホームページ掲載、結果通知の発送は3月26日(金)

受験手数料は20,510円です(第39回試験)。第38回試験は18,380円だったため、回次によって金額が変わる点にご注意ください。

こんな人におすすめ

  • 介護の現場で3年以上の実務経験があり、キャリアの区切りとして国家資格を取りたい方
  • 事業所内でリーダーや指導的な役割を任され、裏づけとなる資格が必要になった方
  • 介護福祉士養成施設や福祉系高校で学び、卒業後に資格を確実に取得したい方
  • 前回の受験でパート合格を得ており、残りのパートだけを受け直したい方

介護福祉士は事業所に所属して働くことを前提とした資格で、この資格単体で独立開業する性質のものではありません。取得後のステップとしては、実務経験を積んだうえで受験するケアマネジャー(介護支援専門員)や、より広い福祉分野を扱う社会福祉士が次の目標になります。福祉・医療の周辺分野に広げるなら登録販売者、子どもの支援の分野へ進むなら保育士も選択肢です。