国家資格食・栄養

管理栄養士の難易度・合格率・勉強時間

特定保健指導で初回面接と行動計画の作成、実績評価を行えるのは、医師・保健師・管理栄養士の3職種に限られています。

最終更新: 2026-08-29

管理栄養士の基本情報

正式名称管理栄養士
分類国家資格
実施団体厚生労働省(栄養士法第5条の2にもとづき厚生労働大臣が施行。願書の受付や当日の運営は管理栄養士国家試験運営本部事務所が担当)
試験形式マークシート方式の筆記試験です。9科目と応用力試験から計200問が出題され、配点は1問1点。5つの選択肢から1つの正解肢を選ぶ形式が原則で、栄養管理の思考・判断力を問う問題では最も適切なものを選びます
受験資格4年制の管理栄養士養成施設の卒業者(卒業見込み者を含む)か、栄養士免許を取得したうえで定められた施設で栄養の指導に従事した方です。必要な実務年数は、卒業した栄養士養成施設の修業年限が2年なら3年、3年なら2年、4年なら1年です
試験日程年1回。試験日は2月下旬から3月上旬の日曜日で、受験書類の提出は前年11月上旬から12月上旬
受験料受験手数料は6,800円(収入印紙を受験願書に貼って納付)。合格後に管理栄養士免許を申請する際は、別途15,000円分の収入印紙が必要です
合格率第40回(令和8年3月1日実施)は47.6%(受験者15,927人・合格者7,582人)。学校区分別では管理栄養士養成課程の新卒が79.3%、同じ課程の既卒が9.4%、栄養士養成課程の既卒が11.0%と大きく開きます
難易度★★★☆☆
独立のしやすさ★★☆☆☆
勉強時間目安厚生労働省が示した勉強時間の目安はありません。出題数の配分は分野ごとに公表されており、200問の内訳は人体の構造と機能及び疾病の成り立ちと臨床栄養学が各26問、食べ物と健康が25問、応用力試験が30問などです
申込方法年1回。第41回は2026年11月2日から12月4日まで、原則として書留郵便で受け付けます
公式サイト試験の公式ページを見る

申込・試験日程

回次申込受付期間試験日
第41回(令和9年2月実施)2026年11月2日(月) 〜 2026年12月4日(金)提出は原則として書留郵便で、2026年12月4日までの消印があるものに限り受け付けます。受験手数料6,800円は収入印紙を受験願書に貼って納めます。視覚・聴覚・音声機能・言語機能に障害があり配慮を希望する方は、2026年10月30日までに申し出が必要です2027年2月28日(日)※試験地は北海道・宮城県・埼玉県・東京都・愛知県・大阪府・岡山県・福岡県・沖縄県の9か所合格発表: 2027年3月26日(金)午後2時に、厚生労働省ウェブサイトへ受験地と受験番号を掲載して発表。合格証書も同日に投函されます

日程は変更される場合があります。申し込みの際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

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管理栄養士とはどんな資格?

管理栄養士は、栄養士法にもとづく国家資格です。国家試験は栄養士法第5条の2にもとづいて厚生労働大臣が施行し、合格して厚生労働省の名簿に登録されると管理栄養士の免許が与えられます。

厚生労働省の出題基準改定検討会の報告書は、管理栄養士の主な業務の一つとして傷病者に対する栄養の指導があると述べ、活躍する場は保健・医療・介護・福祉・教育など多様な分野に広がっていると説明しています。同じ報告書は、管理栄養士の登録がすべて国家試験に合格した者に対して行われるようになったのは昭和62年度(第1回)の国家試験からであるとも記しています。

登録者数は着実に増えています。厚生労働省が公表している名簿登録数の推移によると、管理栄養士は令和7年12月末時点の累計で298,243人です。栄養士免許の交付数は別に集計されており、こちらは令和6年度末で累計1,197,729人です(集計の時点と対象が異なるため、2つの数値を直接割り算した比率には意味がありません)。

なお、国家試験の合格証書は免許証ではありません。厚生労働省は、免許申請後の書類審査を経て名簿登録が完了するまでは管理栄養士の名称を用いて業務を行うことはできない、と明記しています。

難易度と合格率

第40回(令和8年3月1日実施)の合格率は47.6%でした。受験者15,927人に対し、合格者は7,582人です。

ただし、この47.6%という数字だけを見るのは危険です。厚生労働省は学校区分別の合格状況も公表しており、管理栄養士養成課程の新卒と既卒では合格率が8倍以上開いています

学校区分 受験者数 合格者数 合格率
管理栄養士養成課程(新卒) 8,585人 6,810人 79.3%
管理栄養士養成課程(既卒) 2,222人 208人 9.4%
栄養士養成課程(既卒) 5,120人 564人 11.0%
合計 15,927人 7,582人 47.6%

受験者の半数以上を占める管理栄養士養成課程の新卒者は79.3%が合格している一方、働きながら受ける既卒者のルートは10%前後にとどまります。全体の47.6%は、この3つの区分の人数構成で決まっている数字です。自分がどのルートで受けるのかによって、見るべき数字が変わります。

近年の推移は次のとおりで、第36回の65.1%をピークに4回続けて下がっています。

実施年 受験者数 合格者数 合格率
第36回 令和4年 16,426人 10,692人 65.1%
第37回 令和5年 16,351人 9,254人 56.6%
第38回 令和6年 16,329人 8,056人 49.3%
第39回 令和7年 16,169人 7,778人 48.1%
第40回 令和8年 15,927人 7,582人 47.6%

合格基準は公表されています。第40回の結果資料は「配点を1問1点とし、総合点120点以上/200点」を合格の基準としています。つまり6割の得点が必要です。同じ資料に示されている基準は総合点だけで、科目ごとの最低点は書かれていません。出題基準の改定検討会も、合格基準については現行を継続することが望ましいとしています。

勉強時間の目安

厚生労働省が示した勉強時間の目安はありません。当サイトが確認した範囲では、公表されているのは出題数の配分で、これが学習量の配分を考える手がかりになります。

科目 出題数
社会・環境と健康 16問
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 26問
食べ物と健康 25問
基礎栄養学 14問
応用栄養学 16問
栄養教育論 13問
臨床栄養学 26問
公衆栄養学 16問
給食経営管理論 18問
応用力試験 30問
200問

配点は1問1点なので、この表がそのまま配点表になります。人体の構造と機能及び疾病の成り立ちと臨床栄養学が各26問、食べ物と健康が25問で、この3科目だけで77問と全体の4割近くを占めます。応用力試験の30問は分野をまたぐ設問を扱う枠で、改定検討会は今後さらに充実させることが望ましいとしています。

出題形式は、5つの選択肢から1つの正解肢を選ぶ方式が原則です。ただし栄養管理を実践するうえで必要な思考・判断力を評価する問題では、正解ではなく最も適切なものを選ぶことになっています。

受験資格と試験日程

受験資格は5つに分かれます。管理栄養士養成施設を出るルートと、栄養士として働いてから受けるルートの2系統です。

ルート 必要な条件
管理栄養士養成施設(4年制) 卒業した方、または令和9年3月10日までに卒業見込みの方
栄養士養成施設(2年制) 栄養士免許取得後、定められた施設で令和8年12月4日までに3年以上の栄養の指導
栄養士養成施設(3年制) 同じく2年以上の栄養の指導
栄養士養成施設(4年制) 同じく1年以上の栄養の指導
旧法指定の栄養士養成施設(3年制) 卒業して栄養士免許を受けた方

実務経験として認められる施設も定められており、寄宿舎・学校・病院など継続的に食事を供給する施設、食品の製造や販売を行う施設、学校や認定こども園、保健所などの行政機関、そのほか栄養の指導業務が行われる施設が挙げられています。

第41回の日程は、令和8年7月15日付で厚生労働大臣が示した施行の内容として公表されています

項目 内容
試験日 2027年2月28日(日)
試験地 北海道・宮城県・埼玉県・東京都・愛知県・大阪府・岡山県・福岡県・沖縄県
書類の受付期間 2026年11月2日(月)から12月4日(金)まで
受験手数料 6,800円(収入印紙)
受験票の交付 2027年2月10日(水)に投函
合格発表 2027年3月26日(金)午後2時

受験の申込みは、紙の受験願書を書留郵便で送る方式です。オンライン申請ではありません。提出先は東京都江東区の管理栄養士国家試験運営本部事務所で、12月4日までの消印があるものに限り受け付けられます。受験願書は令和8年8月下旬から窓口等で配布される予定で、厚生労働省のサイトから印刷して使うこともできます。書類を受理した後は試験地の変更が認められない点にも注意してください。

受験票が2027年2月18日(木)までに届かない場合は、運営本部事務所に問い合わせることとされています。

試験時間は回ごとに案内されます。参考として第40回は、午前が10時00分から12時25分、午後が13時40分から16時20分で、開場は8時40分でした。1日で200問を解く長丁場です。

栄養士とどう違う?

厚生労働省が示す受験資格は「栄養士養成施設を卒業して栄養士の免許を受けた後」に一定年数の栄養の指導に従事するか、4年制の管理栄養士養成施設を卒業するかの2系統です。つまり栄養士は養成施設を卒業することで免許を受けられるのに対し、管理栄養士になるには国家試験の合格が必要で、栄養士養成施設を出たルートではそのうえで1年から3年の実務経験も求められます。

制度上の役割にも差があります。厚生労働省の「特定健康診査・特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き」は、特定保健指導について次のように定めています。

  • 保健指導事業の統括者は、常勤の医師・保健師・管理栄養士とする
  • 動機付け支援と積極的支援の初回面接、行動計画の策定、6か月後の実績評価は、医師・保健師・管理栄養士が行わなければならない
  • 3か月以上の継続的な支援については、この3職種に加えて、食生活の改善指導や運動指導の専門的知識・技術を有すると認められる者(実践的指導者)も行える

つまり、特定保健指導の入口と出口にあたる部分を担えるのは医師・保健師・管理栄養士の3職種だけで、栄養士はここに含まれていません。栄養の分野で管理栄養士まで進む意味が制度としてはっきり現れている場面です。

免許の申請先も違います。管理栄養士免許の申請は住所地の都道府県の窓口で行い、厚生労働省は対面・郵送とも直接受け付けていません。申請には15,000円分の収入印紙が必要で、名簿登録から免許証の交付まで2〜3か月程度かかります。就業先に早く証明を出す必要がある場合は、免許申請と同時に管理栄養士登録済証明書の発行を申し出ることができます(後から依頼することはできません)。

受験手数料6,800円と免許申請の15,000円を合わせると、資格を得るまでにかかる公的な費用は21,800円です。養成施設の学費は別に必要です。

独立して働くなら

管理栄養士の主な勤め先は、病院や高齢者施設、学校や保育所、給食を受託する会社、行政機関などで、組織に所属して働くのが一般的です。管理栄養士でなければできないと法律で定められた独占業務があるわけではないため、資格そのものが開業を裏づけるものではありません。

そのうえで、制度上のとっかかりになるのが前述の特定保健指導です。保健指導は保険者が実施しますが、外部の機関へ委託することが認められており、その委託先で初回面接や実績評価を担える人材は医師・保健師・管理栄養士に限られます。指導を担える職種が3つに絞られていること自体が、外部委託の受け皿としての需要を生む構造になっています。ただし委託契約は個人ではなく機関を単位に結ばれるのが基本で、いきなり個人事業として受注できるとは限りません。

このほか、学校や事業所の給食運営への助言、食品会社の商品開発やレシピ監修、スポーツ現場の栄養サポートなど、勤務のかたわらで仕事の幅を広げていく道もあります。いずれも資格があれば仕事が来るという性質のものではなく、どの領域で経験を積んだかが問われます。まずは病院や給食施設で臨床・大量調理の実務を重ね、そのうえで領域を絞っていくのが現実的です。

こんな人におすすめ

  • 管理栄養士養成施設に在学中で、卒業見込みでの受験に向けて準備を始めたい方
  • 栄養士として実務を積んでおり、特定保健指導の初回面接や実績評価まで担えるようになりたい方
  • 病院や高齢者施設で、傷病者への栄養の指導という業務に正面から関わりたい方

逆に、栄養士免許を持っていて実務経験の年数が足りない方は、その年数を満たすまで受験できません。必要な年数は卒業した養成施設の修業年限によって1年から3年と変わるため、まず自分がどの区分に当たるかを確認してください。また、既卒での受験は合格率が10%前後にとどまります。在学中に受験できる立場にある方は、その機会を逃さないほうが結果的に近道になります。

出典・参考情報

受験料・日程等は変更される場合があります。受験の際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。