国家資格建築・技術

測量士補の難易度・合格率・勉強時間

基本測量・公共測量に技術者として従事できるのは登録された測量士・測量士補に限られ、土地家屋調査士試験では筆記の一部が免除されます。

最終更新: 2026-09-15

測量士補の基本情報

正式名称測量士補
分類国家資格
実施団体国土地理院
試験形式筆記試験(択一式)28問を3時間で解きます。1問25点の700点満点です。電卓は使用できません(測量士試験は国土地理院が用意した電卓を使用)
受験資格学歴・年齢・性別・実務経験・国籍に関係なく受験できます
試験日程年1回、例年5月の日曜日に実施。令和8年は5月17日(日)。翌年の日程は毎年11月末頃に国土地理院ホームページと官報で公表されます
受験料試験手数料は書面申請2,850円(収入印紙)、電子申請(e-Gov)2,800円(電子納付)。合格後に測量士補として登録する際は登録免許税15,000円が別途かかります
合格率令和8年 44.4%(受験者12,269人・合格者5,447人)。令和7年51.2%・令和6年31.4%・令和5年32.2%・令和4年44.1%
難易度★★☆☆☆
独立のしやすさ☆☆☆☆(この資格単独での独立開業は一般的ではありません)
勉強時間目安国土地理院は勉強時間の目安を公表していません。択一式28問のうち18問(450点)以上の正解で合格となる試験で、過去5年分の問題と解答一覧が公式サイトで公開されています
申込方法年1回。令和8年試験の願書受付は1月5日〜1月22日(書面・電子申請とも)。令和9年試験の日程は11月末頃に公表予定
公式サイト試験の公式ページを見る

申込・試験日程

回次申込受付期間試験日
令和8年試験(実施済み)2026年1月5日(月) 〜 2026年1月22日(木)書面申請は土日祝を除く午前8時30分〜正午・午後1時〜5時15分の窓口受付で、追跡できる郵送は1月22日(木)の消印まで有効、追跡できない郵送は1月22日必着です。電子申請(e-Gov)は手数料の納付期限も1月22日です令和8年5月17日(日)午後1時30分〜4時30分(試験室への入室は開始1時間前から、開始30分前までに入室)合格発表: 令和8年6月25日(木)午前9時(合格者の受験番号はホームページに1か月間掲載され、合格証書が送付されます)
令和9年試験(日程未公表)願書受付期間は未公表です。令和8年試験は1月5日〜1月22日の受付で、受験案内は前年12月から配布されました例年5月の日曜日に実施。令和9年の試験日と願書受付期間は令和8年11月末頃に国土地理院ホームページと官報で公表される予定です

日程は変更される場合があります。申し込みの際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

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測量士補とはどんな資格?

測量士補は、測量法に基づく国家資格です。試験は国土地理院が実施し、合格後に国土地理院の測量士補名簿へ登録することで測量士補になります。

測量法第48条は、技術者として基本測量または公共測量に従事する者は、登録された測量士または測量士補でなければならないと定めています。測量法が定める基本測量・公共測量に技術者として携わるには、この資格が前提になるということです。同条は役割も分けており、測量士は測量に関する計画を作製・実施し、測量士補は測量士の作製した計画に従って測量に従事します。無資格で従事した場合の罰則も第62条に定められています(1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)。

制度を理解するうえで押さえておきたい点が3つあります。

1つ目は、試験に合格しただけでは測量士補にならないことです。国土地理院はQ&Aで「測量士(測量士補)試験に合格しただけでは、業務を行う事はできません。国土地理院が保有する名簿に登録されることにより初めて測量士(測量士補)となります」と説明しています。登録申請には登録免許税15,000円がかかり、標準の事務処理期間は受理から50日間です。登録申請に期限はなく、登録後の更新手続もありません。

2つ目は、試験以外にも資格を得る道があることです。測量法第51条は、測量士補となる資格として、文部科学大臣の認定を受けた大学・短期大学・高等専門学校で測量に関する科目を修めて卒業した者、国土交通大臣の登録を受けた養成施設で1年以上学んだ者、測量士補試験の合格者などを並べています。土木工学科や地理学科などの卒業者は、試験を受けずに登録できる場合があります。この記事は試験ルートを扱います。

3つ目は、土地家屋調査士試験の一部が免除の対象になることです。土地家屋調査士法第6条第5項は、測量士補となる資格を有する者に対し、その申請により「土地及び家屋の調査及び測量」に関する筆記試験を免除すると定めています。土地家屋調査士を目指す方が先に測量士補を取る流れは、この規定に基づいています。

なお、測量士補試験に合格した方が実務経験を積んでも、それだけでは測量士には登録できません。国土地理院はQ&Aで、試験合格者が測量士になるには測量士試験に合格する必要があると明記しています(測量士補が測量士養成施設で高度の専門の知識・技能を修得した場合は、測量法第50条第4号により測量士となる資格を得られます)。測量業者は原則として営業所ごとに測量士を1人以上置くことが義務づけられており(測量法第55条の13)、測量士補は測量士の計画のもとで実務を担う立場です。

難易度と合格率

国土地理院は過去5年分の受験者数・合格者数・合格率を公表しています。参考として、同じ日に実施される測量士試験の数値も並べます。

試験日 測量士補 受験者 合格者 合格率 測量士 受験者 合格者 合格率
令和8年5月17日 12,269人 5,447人 44.4% 3,966人 961人 24.2%
令和7年5月18日 13,363人 6,837人 51.2% 3,703人 1,487人 40.2%
令和6年5月19日 13,633人 4,276人 31.4% 3,717人 485人 13.0%
令和5年5月21日 13,480人 4,342人 32.2% 3,667人 379人 10.3%
令和4年5月15日 12,556人 5,540人 44.1% 3,194人 460人 14.4%

数字を読むときの注意点を3つ挙げます。

1つ目は、年によって合格率が大きく動くことです。直近5年で最も低い令和6年の31.4%と最も高い令和7年の51.2%では、20ポイント近い開きがあります。合格基準は700点満点中450点以上という得点で決まり、受験者の上位何%を合格させるという方式ではないため、その年の問題の難しさが合格率の変動に表れやすい構造です。前年の合格率だけを見て難易度を判断すると、見込みを外すことがあります。

2つ目は、願書を出した人の2割強が受験していないことです。国土地理院の実施結果によると、令和7年の測量士補の願書提出者は17,149人(紙申請11,165人・オンライン申請5,984人)で、受験者は13,363人でした。願書提出者に対する受験者の割合は77.9%です。表の合格率は受験者を分母にしているため、申し込んだ人全体で見ると合格の割合はこれより低くなります。

3つ目は、測量士試験との差です。同じ日に実施される測量士試験は択一式に加えて記述式があり、令和6年から択一式の合格基準が400点から450点に引き上げられました。令和5年・令和6年の測量士は合格率が10.3%・13.0%で、同じ年の測量士補(32.2%・31.4%)を大きく下回ります。測量士補は測量士試験の出題範囲のうち公共測量の実務の基礎となる部分を問う試験と位置づけられており、両者の難易度は大きく異なります。

合格基準は、1問25点の700点満点で450点以上です。28問中18問以上の正解に相当します。国土地理院が公表している令和6年の合格基準の変更は測量士試験の択一式に関するもので、測量士補試験の450点以上という基準は令和8年も同じです。

勉強時間の目安

国土地理院は勉強時間の目安を公表していません。試験の構成から見当をつけることになります。

試験は択一式28問を午後1時30分から4時30分までの3時間で解く形式で、電卓は使用できません。測量士試験では国土地理院が用意した電卓を使いますが、測量士補試験ではそれもありません。机上に置けるのは受験票、鉛筆またはシャープペンシル(HBまたはB)、消しゴム、鉛筆削り、直定規、時計機能のみの時計です。三角定規や三角スケール、目盛以外の記載がある定規は使えません。計算問題を電卓なしで解く練習が必要になります。

試験科目は次の4つです。

科目 内容
測量に関する法規 科目名の変更なし
測地測量 従来の多角測量・汎地球測位システム測量・水準測量を置き換えた科目
測図測量 従来の地形測量・写真測量・地図編集を置き換えた科目
応用測量 科目名の変更なし

科目名は、令和6年6月12日に改正され令和7年4月1日に施行された測量法により変更されました。国土地理院は、各科目に関連して技術者倫理・測量の基準・基礎的数学と、三次元点群測量についても出題すると案内しています。古い教材では科目名が旧来のままのことがあるため、公式サイトの試験科目と照らし合わせて範囲を確かめておくとよいでしょう。解答に適用される法令等は、令和8年試験では令和8年1月1日現在で施行されているものです。

問題作成方針では、測量士補試験について「測量士の作製した計画に従い測量に従事するために必要な専門的技術等を問う」「測量士試験に出題されている範囲の中で、公共測量の実務に関して、特に基礎となるものを問う」とされています。過去5年分の試験問題と解答一覧は公式サイトで公開されており、出題の傾向をそのまま確かめられます。ただし国土地理院は、作業規程の準則や測量法等の改正により、過去の問題の中には現在では解答が存在しないものや異なるものがある可能性があると注記しています。

受験資格と試験日程

受験資格に学歴・年齢・性別・実務経験・国籍の制限はありません。測量士補を取得していなくても測量士試験を受けられ、他の資格による優遇もありません。

令和8年試験の日程と手続は次のとおりです(試験は実施済みです)。

項目 書面申請 電子申請(e-Gov)
願書受付期間 令和8年1月5日(月)〜1月22日(木) 令和8年1月5日(月)〜1月22日(木)
受付の条件 窓口は土日祝を除く午前8時30分〜正午・午後1時〜5時15分。追跡できる郵送は1月22日の消印まで有効、追跡できない郵送は1月22日必着 願書と顔写真がe-Govに到着し、手数料が納付された時点で受付。納付期限は1月22日
試験手数料 2,850円(収入印紙。収入証紙・現金・郵便切手は不可) 2,800円(電子納付に限る)
提出方法 指定の申込用封筒で簡易書留郵便、または国土地理院へ持参 e-Govで提出
試験日時 令和8年5月17日(日)午後1時30分〜4時30分 同左
合格発表 令和8年6月25日(木)午前9時 同左

試験地は北海道・宮城県・秋田県・東京都・新潟県・富山県・愛知県・大阪府・島根県・広島県・香川県・福岡県・鹿児島県・沖縄県の14都道府県で、会場は4月下旬以降に送付される受験票で通知されます。試験地の変更届は3月26日(木)必着、氏名・住所の変更届は6月1日(月)必着で、期限後の変更はできません。願書提出後に受験区分(測量士・測量士補)を変更することはできず、電子申請で区分を誤った場合も納付した手数料は返還されません。

合格発表では、合格者の受験番号が国土地理院のホームページに1か月間掲載され、合格証書が送付されます。成績は合格者には通知されず、不合格者に試験結果に添えて通知されます。

書面申請の願書は、国土地理院・各地方測量部・沖縄支所で直接交付されるほか郵送でも請求でき、各都道府県の土木関係部局の主務課と日本測量協会(本部・各地方支部)では直接交付のみです。令和8年試験から、受験案内の配布は前年12月に前倒しされ、願書受付の末日は1週間程度早められました(令和7年試験の受付は1月6日〜1月30日の25日間でした)。

令和9年試験の日程は公表されていません(2026年9月15日時点)。国土地理院はQ&Aで、試験は例年5月の日曜日に実施し、実施日等は毎年11月末頃にホームページと官報に掲載すると案内しています。

合格後の登録は、登録申請書と返信用封筒(110円切手)を簡易書留で国土地理院へ送ります。登録免許税15,000円は収入印紙で納めるか、国税収納金整理資金納付書を使って税務署・日本銀行歳入代理店・郵便局で現金納付します。e-Govによる電子申請も可能です。登録免許税は試験手数料とは別で、合格しても登録しなければ測量士補にはなりません。

こんな人におすすめ

  • 土地家屋調査士を目指していて、先に筆記試験の一部免除の要件を満たしておきたい方
  • 建設会社や測量会社で公共測量の現場に技術者として携わる予定の方
  • 測量に関する学科を卒業しておらず、試験で測量士補の資格を得たい方
  • 測量士を目指す前に、択一式の試験で基礎を固めたい方

土木分野の施工管理には2級土木施工管理技士、建築物の設計・工事監理には二級建築士が対応します。二級建築士も土地家屋調査士試験の筆記試験免除の対象に含まれています。

出典・参考情報

受験料・日程等は変更される場合があります。受験の際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。