国家資格建築・技術

二級建築士の難易度・合格率・勉強時間

一級建築士でなければできない規模を除く建築物の設計・工事監理ができ、学科の合格は翌年以降に免除として持ち越せます。

最終更新: 2026-09-21

二級建築士の基本情報

正式名称二級建築士
分類国家資格
実施団体公益財団法人 建築技術教育普及センター(指定試験機関)。免許を与えるのは都道府県知事
試験形式学科の試験(五肢択一式・4科目各25問の計100問/計6時間)と設計製図の試験(あらかじめ公表される課題の設計図書を5時間で作成)の2段階
受験資格建築士法第15条により、指定科目を修めて卒業した者/都道府県知事が特に認める者(建築設備士を含む)/建築実務の経験を7年以上有する者
試験日程年1回(学科の試験は7月上旬、設計製図の試験は9月中旬)
受験料18,500円(非課税)。別途、事務手続手数料としてクレジットカード決済306円・コンビニエンスストア決済225円
合格率令和7年 総合22.6%(実受験者20,597人・合格者4,645人)。内訳は学科40.9%・設計製図46.4%
難易度★★★★
独立のしやすさ★★★★
勉強時間目安建築技術教育普及センターは学習時間の目安を公表していません。学科4科目の知識に加えて設計製図の作図練習が必要で、7月と9月の2段階に分けた計画が要ります
申込方法年1回。令和8年試験はインターネット受付で2026年4月1日〜4月14日に受け付け(令和9年の日程は未公表)
公式サイト試験の公式ページを見る

申込・試験日程

回次申込受付期間試験日
令和8年試験2026年4月1日(水) 〜 2026年4月14日(火)受験手数料の支払期限は4月15日、受験資格を証明する書類の提出期限は4月17日(当日消印有効)学科の試験 2026年7月5日(日)/設計製図の試験 2026年9月13日(日)合格発表: 学科の試験 2026年8月24日(月)に発表済み(合格者の受験番号は9月23日まで掲載)/設計製図の試験 2026年12月3日(木)予定

日程は変更される場合があります。申し込みの際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

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二級建築士とはどんな資格?

二級建築士は、建築士法にもとづく国家資格です。建築士でなければ設計・工事監理をしてはならない建築物が法律で定められており、二級建築士はそのうち一級建築士の専管とされる規模を除いた建築物を扱えます。免許を与えるのは都道府県知事で、国土交通大臣が免許を与える一級建築士とはこの点も異なります。

建築士法第3条は、一級建築士でなければ設計・工事監理をしてはならない建築物を次のように定めています。ここに当てはまらない建築物が、二級建築士の扱える範囲です。

区分 一級建築士でなければできない規模
学校・病院・劇場・映画館・観覧場・公会堂・集会場・百貨店 延べ面積が500㎡を超えるもの
木造 高さが16mを超えるもの、または地階を除く階数が4以上のもの
鉄筋コンクリート造・鉄骨造・石造・れんが造・コンクリートブロック造・無筋コンクリート造 延べ面積が300㎡を超えるもの、高さが16mを超えるもの、または地階を除く階数が4以上のもの
構造を問わない 延べ面積が1,000㎡を超え、かつ階数が2以上のもの

木造の基準は、令和4年の法改正(令和7年4月1日施行)で高さ13m超または軒高9m超という区切りから、高さ16m超または階数4以上に見直され、二級建築士が扱える範囲が広がりました。木造の戸建て住宅や小規模な店舗・アパートはおおむね二級建築士の守備範囲に入ります。一方で、鉄筋コンクリート造は延べ面積300㎡が上限になるため、集合住宅やビルの規模になると一級建築士が必要です。

働く場は、住宅メーカー・工務店、設計事務所、建設会社、行政の建築部門などです。令和8年の学科合格者を職域別に見ると、住宅メーカー・工務店・大工が30.1%、学生(大学院生を含む)・研究生が22.3%、建設業(住宅メーカー・工務店・大工を除く)が20.1%、建築士事務所が12.7%でした。

難易度と合格率

令和7年試験の合格率は、学科40.9%、設計製図46.4%、総合22.6%でした。過去5年の推移は次のとおりです。

学科 合格率 設計製図 合格率 総合 合格率
令和3年 41.9% 48.6% 23.6%
令和4年 42.8% 52.5% 25.0%
令和5年 35.0% 49.9% 22.3%
令和6年 39.1% 47.0% 21.8%
令和7年 40.9% 46.4% 22.6%

学科・設計製図それぞれは4〜5割が合格していますが、両方を突破した人の割合が総合合格率で、2割強で安定しています。学科と設計製図では問われる力がまったく違うため、2つの試験を別々に準備する必要があります。

令和8年の学科の試験の結果は2026年8月24日に発表されました。実受験者数16,082人に対して合格者は6,829人で、合格率は42.5%に達しました。過去5年でもっとも高かった令和4年の42.8%に近い水準です。設計製図の試験は2026年9月13日に行われるため、令和8年の総合合格率は12月3日の発表を待つことになります。

同時に公表された合格基準点は、学科Ⅰ(建築計画)が14点、学科Ⅱ(建築法規)・学科Ⅲ(建築構造)・学科Ⅳ(建築施工)が各13点、総得点60点でした。センターは各科目13点・総得点60点を原則としつつ、令和8年は学科Ⅰの平均点が例年に比べ著しく高く、試験問題の難易度の差に起因すると認められたため学科Ⅰの基準点を補正したと説明しています。基準点は毎年固定ではなく、その年の難易度に応じて補正される点は押さえておきたいところです。

学科の試験は五肢択一式で、学科Ⅰ(建築計画)・学科Ⅱ(建築法規)・学科Ⅲ(建築構造)・学科Ⅳ(建築施工)が各25問、合計100問です。午前にⅠ・Ⅱの計3時間、午後にⅢ・Ⅳの計3時間で実施されます。学科Ⅰ・Ⅱを受験しなかった場合は学科Ⅲ・Ⅳを受験できません。

設計製図の試験は、あらかじめ公表される課題について設計図書を作成する5時間の試験です。課題は毎年6月に公表され、令和8年は「商店街に建つ併用住宅(木造3階建て)」、令和7年は「シェアハウス(木造)」でした。要求図書は平面図・床伏図兼小屋伏図・立面図・部分詳細図・面積表・計画の要点等で、課題公表から試験日までの約3か月が実質的な準備期間になります。

勉強時間の目安

建築技術教育普及センターは学習時間の目安を公表していません。公表値がないため、当サイトでも推測の数字は示しません。

代わりに、試験の構造から必要な準備を整理しておきます。学科の試験は4科目100問で、法令の適用は試験の年の1月1日時点で施行されているものが基準になります。学科Ⅱ(建築法規)では法令集の持ち込みが認められているため、条文を引く速度をつくる練習が対策の一部になります。設計製図の試験は課題公表後の約3か月で、5時間以内に要求図書一式を描き上げる速度と精度を仕上げる期間です。作図そのものに時間がかかるため、知識の暗記とは別枠で手を動かす時間が要ります。

もう一つ計画に影響するのが学科免除です。令和2年以降の学科の試験に合格した方は、引き続いて行われる4回の建築士試験のうち2回(学科合格年の設計製図の試験を欠席する場合は3回)について、申請により学科の試験が免除されます。1年目に学科を通しておけば、翌年以降は設計製図に集中できる仕組みです。逆に、免除の回数を使い切ると学科からやり直しになります。

受験資格と試験日程

受験資格は建築士法第15条に3つの区分が定められています。

  • 指定科目を修めて卒業した者: 大学(短期大学を含む)・高等専門学校・高等学校・専修学校・職業訓練校等で、国土交通大臣の指定する建築に関する科目を修めて卒業した場合です。大学等で指定科目を40単位修めていれば、実務経験なしで受験できます
  • 都道府県知事が特に認める者: 外国の大学の卒業者などが該当します。建築設備士も、実務経験なしで受験できる区分としてここに含まれます
  • 建築実務の経験を7年以上有する者: 建築に関する学歴がない場合のルートです

平成21年度以降に入学した方については、修得した指定科目の単位数によって必要な実務経験年数が変わります。ここで注意したいのが、試験時に必要な年数と免許登録時に必要な年数が別に定められている点です。たとえば大学等で指定科目を30単位修めた場合、受験は実務経験0年でできますが、免許登録には卒業後1年以上の実務経験が必要です。20単位なら登録に2年以上が必要になります。令和2年3月施行の建築士法改正により、実務経験の多くは受験の要件ではなく登録の要件に移っています。試験に受かってすぐ免許が取れるとは限らない点にご注意ください。

令和8年の学科合格者を受験資格別に見ると、学歴のみが86.4%、実務のみが12.3%、学歴と実務の併用が0.6%、建築設備士のみが0.6%でした。合格者の平均年齢は27.6歳、24歳以下が57.5%を占めています。

試験は年1回です。令和8年試験の日程は次のとおりでした。

  • 受験申し込み: 2026年4月1日(水)10時〜4月14日(火)16時。原則としてインターネットによる受付
  • 受験手数料の支払期限: 2026年4月15日(水)
  • 受験資格を証明する書類の提出期限: 2026年4月17日(金)当日消印有効
  • 学科の試験: 2026年7月5日(日)/合格者は8月24日(月)に発表済み(受験番号の掲載は9月23日まで)
  • 設計製図の試験: 2026年9月13日(日)/合格者の発表は12月3日(木)予定

令和8年の受験申し込みはすでに終了しています。令和9年試験の日程は本記事の更新時点で未公表のため、公表され次第この欄を更新します。受験手数料は18,500円(非課税)で、別途、事務手続手数料としてクレジットカード決済なら306円、コンビニエンスストア決済なら225円がかかります。

独立して働くなら

二級建築士は、独立して設計事務所を開くことができる資格です。他人の求めに応じて報酬を得て設計・工事監理等を業として行うには、二級建築士事務所を定めて都道府県知事の登録を受ける必要があります。登録の有効期間は5年です。

ここで要件になるのが管理建築士です。建築士事務所の開設者は、事務所ごとに専任の管理建築士を置かなければなりません。管理建築士になれるのは、建築士として3年以上の設計業務等に従事したうえで、登録講習機関が行う管理建築士講習の課程を修了した建築士です。つまり、免許を取ってすぐ自分の事務所を構えられるわけではなく、免許取得後に3年以上の実務と講習を挟む設計になっています。

管理建築士講習の受講資格は、原則として建築士事務所に所属する建築士として3年以上、次の業務に従事した方とされています。設計、工事監理、建築工事契約に関する事務、建築工事の指導監督、建築物に関する調査または鑑定、建築に関する法令・条例にもとづく手続の代理の6つです。建築物の施工管理(施工図の作成や安全管理等)は受講資格の対象業務として認められないと明記されており、施工側でキャリアを積む方は注意が必要です。講習の受講手数料は16,500円(税込)です。

仕事の内容は、木造戸建て住宅の設計・工事監理、店舗やアパートの設計、リフォームや増改築の設計、確認申請の手続きなどが中心になります。扱える規模に上限があるため、大規模建築を受けたい場合は一級建築士の取得が次の目標になります。

集客の現実としては、工務店・ハウスメーカー・不動産会社からの外注や、地元の施主からの紹介が入り口になることがほとんどです。設計料は建物規模に連動するため、住宅中心の事務所では案件数を確保できるかどうかが収入の安定を左右します。開業前に工務店や設計事務所で実務経験と人脈を作っておくことが、そのまま独立後の受注につながる分野です。

こんな人におすすめ

  • 建築系の学科で指定科目を履修中で、在学中または卒業後すぐに国家資格を取りたい方
  • 住宅メーカー・工務店・建設会社に勤めており、設計や工事監理の業務に踏み出したい方
  • 大工や施工管理として現場経験があり、実務7年のルートで受験を考えている方
  • 将来的に一級建築士を目指しており、まず二級建築士から段階を踏みたい方

建築・技術系では、電気設備を扱う第二種電気工事士電験三種が現場で隣り合う資格です。土地・建物の取引側から関わるなら宅建士も選択肢になります。

出典・参考情報

受験料・日程等は変更される場合があります。受験の際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

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