国家資格建築・技術

第一種電気工事士の難易度・合格率・勉強時間

最大電力500kW未満の工場・ビルなど自家用電気工作物の電気工事に従事できる資格で、免状の交付には試験合格に加えて3年以上の実務経験が必要です。

最終更新: 2026-09-20

第一種電気工事士の基本情報

正式名称第一種電気工事士
分類国家資格
実施団体一般財団法人 電気技術者試験センター
試験形式学科試験(CBT方式または筆記方式・四肢択一50問・140分)と技能試験(持参した工具で配線図どおりに作品を完成させる実技・60分)
受験資格受験に制限や条件はなく、誰でも受験できます。ただし免状の交付には試験合格に加えて3年以上の実務経験が必要です
試験日程年2回(上期・下期)。上期の学科試験はCBT方式のみ
受験料インターネット申込 13,000円・書面申込 14,400円(非課税・令和8年度。学科試験免除者も同額。受験手数料の納付には別途事務手数料が申込者負担でかかります)
合格率令和8年度上期 学科57.3%・技能56.1%(令和7年度 学科 上期56.5%・下期57.9%/技能 上期55.1%・下期60.3%)
難易度★★★☆☆
独立のしやすさ★★★★
勉強時間目安公式の目安は公表されていません。学科は9科目から50問、技能は公表された候補問題No.1〜No.10からの出題で、第二種より扱う設備(高圧受電設備など)の範囲が広くなります
申込方法年2回(上期・下期)。令和8年度下期の申込は7月27日〜8月13日で受付終了。令和9年度の日程は未公表
公式サイト試験の公式ページを見る

申込・試験日程

回次申込受付期間試験日
令和8年度 上期2026年2月13日(金) 〜 2026年3月2日(月)申込は2月13日10時から3月2日17時まで(受付は終了しました)。上期の学科試験はCBT方式のみで、筆記方式はありません学科CBT 2026年4月1日(水)〜5月8日(金)/技能 7月4日(土)合格発表: 学科試験 2026年5月22日(金)12時(CBT方式は受験日から2週間経過後の12時よりマイページで確認できる予定)/技能試験 7月24日(金)12時
令和8年度 下期2026年7月27日(月) 〜 2026年8月13日(木)申込は7月27日10時から8月13日17時まで(受付は終了しました)。原則インターネット申込で、学科試験はCBT方式と筆記方式を申込時に選択します。CBT方式は8月20日〜9月24日に自分で会場を予約する必要があります学科CBT 2026年9月11日(金)〜10月18日(日)/学科筆記 10月4日(日)/技能 11月21日(土)合格発表: 学科試験 2026年11月2日(月)12時(CBT方式は受験日から2週間経過後の12時よりマイページで確認できる予定)/技能試験 12月11日(金)12時。試験結果通知書の発送は学科11月6日(金)・技能12月23日(水)

日程は変更される場合があります。申し込みの際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

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第一種電気工事士とはどんな資格?

第一種電気工事士は、電気工事士法に基づく国家資格で、試験は経済産業大臣の指定を受けた電気技術者試験センターが実施しています。免状を取得すると、一般用電気工作物等(住宅や小規模な店舗)に加えて、自家用電気工作物のうち最大電力500kW未満の需要設備(工場・ビルなど)の電気工事の作業に従事できます。電気工事士法第3条は、自家用電気工作物に係る電気工事の作業には原則として第一種電気工事士でなければ従事してはならないと定めており、第二種電気工事士では扱えない高圧受電の設備が守備範囲に入ります。

注意したいのは、試験に合格しただけでは免状は交付されないことです。第一種電気工事士免状の交付には、試験合格に加えて電気工事に関する3年以上の実務経験が必要で、居住地の都道府県知事に申請します。試験合格以前の実務経験も対象になるため、第二種電気工事士として3年以上の実務経験を積んでいれば、合格後すぐに申請できます。

試験に合格しただけの段階でも、各地域の産業保安監督部長に申請して「認定電気工事従事者認定証」の交付を受ければ、最大電力500kW未満の需要設備のうち電圧600V以下で使用する電気工作物(電線路を除く)の工事(簡易電気工事)に従事できます。一方、第二種電気工事士免状を持っていない方は、第一種の試験に合格しただけでは住宅などの一般用電気工作物等の工事に従事できません(受験案内に明記されています)。

また、最大電力500kW未満の需要設備を持つ工場・ビルなどに勤務している場合、事業者が産業保安監督部長の許可を受ければ、電気主任技術者免状がなくてもその事業場の主任技術者(許可主任技術者)に選任される制度があります。手続きは事業者が電気事業法に基づいて行うものです。

免状を取得したあとも、電気工事士法第4条の3により、免状の交付を受けた日から5年以内、その後も5年以内ごとに、経済産業大臣が指定する講習機関の定期講習を受ける義務があります。第二種にはない、第一種だけの決まりです。

難易度と合格率

電気技術者試験センターは、上期・下期それぞれの学科試験・技能試験について、受験者数・合格者数・合格率をプレスリリースで公表しています。直近の結果は次のとおりです(合格率は小数点第2位を四捨五入した公表値)。

実施回 試験 受験者数 合格者数 合格率
令和8年度上期 学科(CBT方式のみ) 14,507人 8,307人 57.3%
令和8年度上期 技能 12,514人 7,019人 56.1%
令和7年度下期 学科(CBT 4,569人・筆記 18,061人) 22,630人 13,092人 57.9%
令和7年度下期 技能 16,527人 9,961人 60.3%
令和7年度上期 学科 13,524人 7,643人 56.5%
令和7年度上期 技能 11,876人 6,548人 55.1%

合格基準は、学科試験が60点以上、技能試験が作品に欠陥がないことです。技能試験の受験者数には、学科試験の合格者に加えて学科試験免除者(前回または前々回の学科試験の合格者、電気主任技術者免状の交付を受けている方など)が含まれます。なお、第一種電気工事士試験には学校卒業による学科試験の免除はありません。

令和7年度上期で第二種電気工事士(学科57.7%・技能72.0%)と比べると、学科は56.5%とほぼ同じ水準ですが、技能試験は55.1%と、第一種のほうが約17ポイント低くなっています。技能試験は候補問題No.1〜No.10が事前に公表されるものの、最大電力500kW未満の自家用電気工作物と一般用電気工作物等の電気工事に係る基本的な作業が対象で、欠陥が1か所でもあれば不合格になります。

なお、下期の受験者数は上期より多く(令和7年度は学科で約1.7倍・技能で約1.4倍)、年間では学科に36,154人、技能に28,403人が受験しています(令和7年度、試験センターの推移表より)。

勉強時間の目安

電気技術者試験センターは、学習時間の目安を公表していません。学科試験は「電気に関する基礎理論」「配電理論及び配線設計」「電気応用」「電気機器・蓄電池・配線器具・材料・工具・受電設備」「電気工事の施工方法」「自家用電気工作物の検査方法」「配線図」「発電・送電・変電施設の基礎的な構造及び特性」「保安に関する法令」の9科目から、一般問題40問程度・配線図問題10問程度の計50問が四肢択一で出題されます(試験時間140分)。第二種にはない「電気応用」「発電・送電・変電施設の基礎的な構造及び特性」が加わるほか、検査方法と保安法令の科目は対象が一般用電気工作物等から自家用電気工作物に広がり、高圧受電設備規程・内線規程からも出題されます。

技能試験は、公表された候補問題No.1〜No.10の中から出題され、持参した工具で支給材料から配線図どおりの作品を60分で完成させます。合否は試験センターが公表している「欠陥の判断基準」に基づいて判定されるため、候補問題を一通り作れるようにしておく練習が欠かせません。過去の試験問題と解答は試験センターのサイトで公開されています。

受験資格と試験日程

受験に対する制限や条件はなく、誰でも受験できます(受験案内に「どなたでも受験ができます」と明記)。ただし前述のとおり、免状の交付には3年以上の実務経験が要ります。

試験は年2回(上期・下期)で、令和8年度の日程は次のとおりです。上期の学科試験はCBT方式のみで、筆記方式は下期にしかありません。

申込期間 学科試験 技能試験
令和8年度上期 2月13日〜3月2日(終了) CBT 4月1日〜5月8日 7月4日(土)
令和8年度下期 7月27日〜8月13日(終了) CBT 9月11日〜10月18日/筆記 10月4日(日) 11月21日(土)

申込は原則インターネットで、受付期間の初日10時から最終日17時までです。受験手数料はインターネット申込13,000円・書面申込14,400円(非課税)で、学科試験免除で申し込む場合も同額です。受験手数料の納付には別途事務手数料が申込者負担でかかります。CBT方式を選んだ場合は、申込とは別に会場予約期間(下期は8月20日〜9月24日)にマイページから会場と日時を予約する必要があり、予約が完了しないとCBT方式・筆記方式のどちらも受験できず、受験手数料も返金されません。

学科試験に合格すると、その権利は次々回の試験まで有効です(令和8年度下期の学科合格なら令和9年度の下期試験まで)。免除は自動では適用されず、申込時に学科試験免除者として申請する必要があります。

令和9年度の試験日程は、2026年9月20日時点で公表されていません。電気技術者試験センターは、電気工事士の学科試験を令和9年度より原則としてCBT方式へ移行すると公表しているため、来年度以降に受験する方はパソコンで解答する形式を前提に準備しておくと安心です。

独立して働くなら

第一種電気工事士は、電気工事業として独立するときに主任電気工事士の要件をそのまま満たせる資格です。住宅などの一般用電気工事を含めて電気工事業を営むには「電気工事業の業務の適正化に関する法律」に基づく登録が必要で(自家用電気工事のみを営む場合は通知)、一般用電気工事を行う営業所ごとに主任電気工事士を置かなければなりません。同法第19条は、主任電気工事士になれるのを「第一種電気工事士」または「第二種電気工事士免状の交付後3年以上の実務経験がある第二種電気工事士」(いずれも同法の欠格要件に該当しない方)と定めているため、第一種の免状があれば、そのまま主任電気工事士として置くことができます。免状の交付に3年の実務経験が要る点は変わりませんが、免状を取った時点で開業に必要な人的要件が整う形になります。

仕事の幅も広がります。第二種の守備範囲である住宅・店舗の配線に加えて、工場・ビル・商業施設など高圧で受電する事業場の電気工事を受けられるため、キュービクル(高圧受電設備)を持つ施設の改修や設備更新といった案件に対応できます。

集客について: 立ち上げ期は(1)電気工事会社・設備工事会社・工務店の下請けとして仕事量を確保し、高圧設備を扱える点を紹介につなげるのが定番です。(2)ビルメンテナンス会社や管理会社と組み、テナント入れ替え時の電気工事や定期的な設備更新を継続的に受ける形は、案件の波を平らにしやすくなります。(3)住宅向けの直請けは第二種の領域と重なるため、Webサイトやマッチングサイトでの集客は第二種と同じ考え方が使えます。なお、登録電気工事業者の登録は5年ごとの更新が必要で、第一種電気工事士の定期講習も5年以内ごとに受けなければなりません。

こんな人におすすめ

  • 第二種電気工事士として実務経験を積み、扱える設備の範囲を高圧受電の工場・ビルへ広げたい方
  • 電気工事会社・設備工事会社で主任電気工事士や現場の中核を担いたい方
  • 将来の独立を見据えて、開業要件(主任電気工事士)を1つの資格で満たしておきたい方

電気の上位資格として電験三種を目指す方も多く、電気主任技術者免状の交付を受けると第一種電気工事士の学科試験が免除されます。

出典・参考情報

受験料・日程等は変更される場合があります。受験の際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

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