衛生管理者の難易度・合格率・勉強時間

常時50人以上の労働者を使用する事業場では労働安全衛生法上の選任の対象となり、受験には学歴に応じた労働衛生の実務経験が必要です。

最終更新: 2026-08-01

衛生管理者の基本情報

正式名称衛生管理者(第一種・第二種)
分類国家資格
実施団体公益財団法人 安全衛生技術試験協会
試験形式選択式・第一種44問/第二種30問(労働衛生・関係法令・労働生理)・試験時間3時間
受験資格学歴と労働衛生の実務経験の組み合わせが必要(大学卒業なら1年以上、高校卒業なら3年以上、学歴不問なら10年以上など)
試験日程全国9か所の安全衛生技術センター・試験場を中心に毎月複数回実施(日程はセンターごとに異なる)
受験料8,800円(非課税)
合格率令和7年度(2025年4月〜2026年3月) 第一種46.8%(受験者66,401人)・第二種48.7%(受験者40,653人)
難易度★★☆☆☆
独立のしやすさ☆☆☆☆(この資格単独での独立開業は一般的ではありません)
勉強時間目安公式の目安は非公表です。一般には第二種で40〜60時間、第一種で60〜100時間程度と言われています(資格予備校等が示す数値で、安全衛生技術試験協会の公式データではありません)
申込方法試験日・申込期間はセンターごとに異なります(オンラインは試験日の2か月前から14日前まで、郵送は14日前の消印まで)
公式サイト試験の公式ページを見る

衛生管理者とはどんな資格?

衛生管理者は、職場の労働者の健康障害を防ぐための管理を担う国家資格です。労働安全衛生法第12条第1項と同法施行令第4条により、常時50人以上の労働者を使用する事業場では衛生管理者を選任することが事業者に義務づけられており、この選任義務が資格の需要を安定させています。

免許は「第一種衛生管理者免許」と「第二種衛生管理者免許」の2種類です。第一種衛生管理者免許を有する方はすべての業種の事業場で衛生管理者になれるのに対し、第二種衛生管理者免許は有害業務と関連の少ない情報通信業、金融・保険業、卸売・小売業などの業種に限られます。製造業や建設業なども視野に入れるなら第一種を選ぶことになります。

なお、第二種の免許をお持ちの方が、有害業務に関する科目(労働衛生・関係法令の有害業務に係る区分、各10問・試験時間2時間)だけを受験する「特例第一種衛生管理者免許試験」という区分も用意されています。

試験に合格しただけでは免許にならず、合格後に免許申請の手続きが必要です。免許を交付するのは都道府県労働局長ですが、免許試験合格通知書の交付を受けた方の申請書の提出先は東京労働局免許証発行センターです。

難易度と合格率

令和7年度(2025年4月〜2026年3月)の合格率は、第一種が46.8%(受験者66,401人・合格者31,046人)、第二種が48.7%(受験者40,653人・合格者19,796人)でした。おおむね2人に1人が合格する水準です。

試験科目は、第一種が「労働衛生(有害業務に係るもの・有害業務に係るもの以外のもの)」「関係法令(同じく2区分)」「労働生理」の計44問、第二種が「労働衛生(有害業務に係るものを除く)」「関係法令(有害業務に係るものを除く)」「労働生理」の計30問です。試験時間はいずれも3時間で、科目免除者は2時間15分となります。

合格基準は、科目ごとの得点が40%以上で、かつ合計が60%以上であることです。合計点が足りていても1科目でも40%を下回ると不合格になるため、苦手科目を残さないことが重要になります。

勉強時間の目安

安全衛生技術試験協会は学習時間の目安を公表していません。一般には第二種で40〜60時間程度、第一種で60〜100時間程度と言われていますが、これは資格予備校等が示す数値であり、公式データではない点にご注意ください。

出題範囲は労働安全衛生法をはじめとする関係法令と、労働生理・労働衛生の基礎知識が中心です。人事労務や総務の実務で法令に触れている方であれば、短期間の対策で合格を狙える方もいます。

受験資格と試験日程

誰でも受験できる試験ではなく、学歴と労働衛生の実務経験の組み合わせが必要です。主なパターンは次のとおりです。

  • 大学・短期大学・高等専門学校を卒業し、労働衛生の実務経験が1年以上
  • 高等学校・中等教育学校を卒業し、労働衛生の実務経験が3年以上
  • 学歴を問わず、労働衛生の実務経験が10年以上

このほか、職業訓練の修了者や外国の学校教育の課程を修了した方などの区分も定められています。実務経験は勤務先が発行する事業者証明書で証明します。詳細な区分は公式サイトの受験資格をご確認ください。

試験は、全国9か所の安全衛生技術センター・試験場を中心に実施されます。年に数回といった固定の日程ではなく、試験日の多い東京試験場・大阪試験場では月に6〜9日程度、そのほかのセンターでも月に数日の試験日が設定されており、受験機会が多いのが特徴です。ただし日程はセンターごとに異なり、全国一律の申込締切はありません。

申込期間は試験日ごとに決まります。オンライン申請は希望する試験日の2か月前の日から14日前まで、郵送申請は同じく2か月前の日から14日前の消印まで、窓口申請は2か月前の日から試験日の2日前(休業日を除く)16時までです(関東安全衛生技術センター東京試験場の案内で確認)。受験を考えている方は、まず受験予定のセンターの試験日程ページで日程と申込期間を確認してください。

受験料は8,800円(非課税)です。学科試験のみで実技試験はないため、追加の手数料はかかりません。

こんな人におすすめ

  • 人事・総務・労務で、職場の安全衛生の担当になった方
  • 勤務先で衛生管理者の選任が必要になり、社内で取得を求められている方
  • 実務経験を活かして、比較的短期間で取得できる国家資格を探している方
  • 労働法規の知識を広げ、社会保険労務士などへのステップアップを考えている方

衛生管理者は事業場ごとに選任される企業内資格で、この資格単体で独立開業する性質のものではありません。労働衛生の分野で独立を目指す場合は、同じ安全衛生技術試験協会が実施する労働衛生コンサルタントが次の目標になります。人事労務全般に広げるなら社会保険労務士も選択肢です。製造業などで安全衛生を担当する方であれば、危険物乙4のような保安・設備系の国家資格と組み合わせて実務の幅を広げる進み方もあります。

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