旅行業務取扱管理者の難易度・合格率・勉強時間

旅行業者は営業所ごとに1人(概ね10人以上の営業所では2人以上)を選任することが旅行業法で義務づけられています。

最終更新: 2026-08-16

旅行業務取扱管理者の基本情報

正式名称旅行業務取扱管理者
分類国家資格
実施団体観光庁(試験事務は総合=日本旅行業協会、国内=全国旅行業協会が実施)
試験形式国内はCBT方式(全科目受験で120分)、総合・地域限定は指定会場での試験(地域限定はマークシート式・全科目受験で120分)。合格基準はいずれも各科目とも満点の60%以上
受験資格年齢・学歴・国籍等の制限なし。どなたでも受験できます(試験に関し不正行為があった者の受験停止期間中を除く)
試験日程総合は10月下旬の日曜日または祝日、国内は9月上旬〜下旬のCBT期間から受験者が選択、地域限定は9月下旬の日曜日。いずれも年1回
受験料総合 13,000円/国内 8,000円(別途システム利用料660円)/地域限定 5,500円(収入印紙)
合格率令和7年度 総合 26.1%・国内 35.6%・地域限定 49.0%(いずれも受験者数に対する合格者数)
難易度★★★☆☆
独立のしやすさ★★★☆☆
勉強時間目安公式には示されていません。科目ごとに満点の60%以上という基準のため、苦手科目を残さない配分が必要です
申込方法年1回。総合は7月16日〜8月7日、国内は6月18日〜7月15日、地域限定は7月6日〜7月31日
公式サイト試験の公式ページを見る

申込・試験日程

回次申込受付期間試験日
令和8年度 総合旅行業務取扱管理者試験2026年7月16日(木) 〜 2026年8月7日(金)電子申請システムからの申請。8月7日中に申請と決済を完了する必要があります令和8年10月25日(日)集合10時30分(10時開場予定)合格発表: 令和8年12月10日(木)予定。協会ホームページに合格者一覧(試験地・受験番号)が11時頃に掲載され、受験者にはマイページで結果が通知されます
令和8年度 国内旅行業務取扱管理者試験2026年6月18日(木) 〜 2026年7月15日(水)科目免除を申請する方の試験申込は7月23日まで。書面での受験申請はできません令和8年9月3日(木)〜25日(金)のうち受験者が選択した日時(CBT方式)合格発表: 令和8年10月16日(金)11時頃(予定)
令和8年度 地域限定旅行業務取扱管理者試験2026年7月6日(月) 〜 2026年7月31日(金)受験願書の提出は簡易書留による郵送のみ。7月31日の消印有効令和8年9月27日(日)合格発表: 令和8年11月13日(金)(予定)に受験者の住所宛へ発送するとともに観光庁ホームページに掲載。合格者には合格証、不合格者には通知書が届き、11月26日(木)になっても届かない場合は問い合わせが必要です

日程は変更される場合があります。申し込みの際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

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旅行業務取扱管理者とはどんな資格?

旅行業務取扱管理者は、旅行業法にもとづく国家資格です。旅行業者は、営業所ごとに旅行業務取扱管理者を1人(従業員が概ね10人以上の営業所では2人以上)選任し、旅行契約などに関する事務の管理・監督を行わせることが義務づけられています。

言い換えると、この資格を持つ人がいなければ旅行業の営業所は成り立ちません。旅行会社・旅行部門を持つ企業にとって、必ず一定数が必要になるタイプの資格です。

試験は総合・国内・地域限定の3種類に分かれており、どれに合格したかで、その人が管理者になれる営業所の範囲が変わります。

総合 国内 地域限定
扱える旅行 海外旅行を含むすべて 国内旅行のみ 主たる営業所所在地の隣接市町村までの範囲
試験実施機関 日本旅行業協会(JATA) 全国旅行業協会(ANTA) 観光庁
試験科目 4科目(法令・約款・国内旅行実務・海外旅行実務) 3科目(法令・約款・国内旅行実務) 3科目(法令・約款・国内旅行実務/一部範囲を除く)
試験地 8都道府県 全国47都道府県 東京・大阪の2会場
受験手数料 13,000円 8,000円 5,500円

地域限定は、約款から航空運送約款が除かれ、国内旅行実務から全国地理と航空運送関係が除かれます。範囲が絞られる分、着地型の観光サービスを地域で始めたい方に向いた設計になっています。

難易度と合格率

令和7年度の実施結果は次のとおりです。

試験 申込者・出願者 受験者 合格者 合格率
総合 5,493人 4,519人 1,179人 26.1%
国内 12,376人 10,329人 3,675人 35.6%
地域限定 769人 643人 315人 49.0%

総合がもっとも低く、地域限定がもっとも高いという順序は、試験科目の数と範囲の広さにそのまま対応しています。

ただし、この数字には科目免除者が含まれる点に注意が必要です。総合を4科目すべて受験した区分(受験区分A)の合格率は11.7%、国内を全科目受験した場合は34.1%でした。はじめて総合を受ける場合、実感に近いのは11.7%のほうだといえます。

前年度との比較では、総合が28.2%から26.1%へ、国内が33.4%から35.6%へ、地域限定が42.3%から49.0%へと動いています。年度による変動があるため、1年分の数字だけで判断しないほうが安全です。

合格基準と科目免除

合格基準は3種類とも共通で、各科目とも満点の60%以上です。総合点ではなく科目ごとの基準なので、苦手科目を他の科目でカバーすることはできません。

配点は、総合の場合は旅行業法令100点・約款100点・国内旅行実務100点・海外旅行実務200点です。国内は3科目とも100点満点で、法令と約款が4点×25問、国内旅行実務が4点×12問と2点×26問という構成でした(令和7年度)。

科目免除の制度もあります。国内試験の合格者は総合試験を受験する際に一部科目が免除されます。また、旅行業協会が実施する研修を修了した場合や、前年度に科目合格した場合にも免除の対象になります。国内試験では免除の区分に応じて試験時間が120分・80分・40分と変わります。

免除を使った受験区分の合格率は高く、令和7年度の国内では免除Aが60.2%、免除Bが60.9%でした。働きながら段階的に取るなら、研修と免除制度を前提に計画を立てるのが現実的です。

勉強時間の目安

協会・観光庁とも標準的な学習時間は公表していません。学習量を見積もるうえで押さえておきたいのは、次の2点です。

  • 科目ごとに60%という基準があるため、得意科目を伸ばすより、苦手科目をなくすほうが合格に直結します
  • 総合の海外旅行実務は200点満点と配点が大きく、国際航空運賃や出入国関係など独特の内容を含みます

出題の根拠となる法令・約款は「試験年度の6月1日現在で施行・有効なもの」と定められています。古い年度の教材をそのまま使うと基準が変わっている可能性があるため、年度に対応した教材を選ぶことが大切です。

受験資格と試験日程

受験資格に年齢・学歴・国籍などの制限はありません。実務経験も不要で、誰でも受験できます。

令和8年度の日程は次のとおりです。

試験 申込期間 試験日
総合 令和8年7月16日〜8月7日(受付終了) 令和8年10月25日(日)
国内 令和8年6月18日〜7月15日(受付終了) 令和8年9月3日〜25日から選択(CBT)
地域限定 令和8年7月6日〜7月31日(受付終了) 令和8年9月27日(日)

申込方法は3種類でまったく違います。総合は電子申請システム、国内はCBT試験の受験者専用サイト、地域限定は所定の受験願書を簡易書留で郵送する方式です。地域限定だけは郵送のみで、消印有効の締切という点に注意してください。

国内試験の合格発表は令和8年10月16日11時頃の予定で、合格証書は10月30日に簡易書留で郵送される予定です。総合試験の合格発表は令和8年12月10日の予定で、合格証書と科目合格通知書はマイページからのダウンロードとなり、郵送はされません。

独立して働くなら

旅行業で独立する場合、この資格は必須の前提条件になります。旅行業の営業所には旅行業務取扱管理者の選任が義務づけられているため、自分で旅行業を営むなら、自分自身が資格を持つか、有資格者を雇うかのどちらかしかありません。

仕事の形は、取得した種類によって変わります。海外旅行を扱うなら総合、国内旅行に絞るなら国内、そして自分の地域とその隣接市町村の範囲で完結するなら地域限定が対応します。近年は、地域の体験プログラムや着地型ツアーを企画する小規模事業者が地域限定を取得する例が見られます。範囲は限られますが、その分だけ試験の負担も受験手数料も軽くなります。

ただし、資格を取れば旅行業を始められるわけではありません。旅行業を営むには、業務範囲に応じた旅行業登録が別途必要です。開業を検討する場合は、資格の学習と並行して、登録の要件と手続きを観光庁や登録先の都道府県に確認しておくことをおすすめします。

集客について: 大手が価格と品揃えで強い領域のため、独立後は「大手が拾わない企画」に寄せるのが基本になります。特定地域の体験型ツアー、特定テーマ(産業観光・巡礼・スポーツ観戦など)、法人の視察・研修手配といった切り口です。地域限定の場合は、自治体・DMO・宿泊施設との連携が実質的な販路になることが多く、地域内のネットワークづくりが集客そのものになります。

こんな人におすすめ

  • 旅行会社・観光業界への就職や、社内での配置転換を考えている方
  • 地域の観光や体験プログラムを事業として形にしたい方
  • 実務経験を問われない国家資格で、業界に直結するものを探している方

旅行業の開業手続きに関心があるなら行政書士、事業計画づくりまで広げるなら中小企業診断士が隣接します。接客・ビジネスマナーを含めた基礎固めとしては秘書検定との組み合わせも選択肢です。