危険物甲種の難易度・合格率・勉強時間
危険物取扱者の3区分のうち受験資格が設けられているのは甲種だけで、化学の学習歴か乙種免状での実務経験が求められます。
最終更新: 2026-08-04
危険物甲種の基本情報
| 正式名称 | 危険物取扱者 甲種 |
|---|---|
| 分類 | 国家資格 |
| 実施団体 | 一般財団法人 消防試験研究センター |
| 試験形式 | 五肢択一式のマークシート・45問(法令15問・物理学及び化学10問・性質消火20問)・試験時間2時間30分 |
| 受験資格 | 受験資格あり(大学等で化学に関する学科等を卒業/化学に関する授業科目を15単位以上修得/乙種免状の交付後2年以上の実務経験/「第1類または第6類」「第2類または第4類」「第3類」「第5類」の4区分すべてを含む乙種免状4種類以上/化学に関する事項を専攻した修士・博士のいずれか) |
| 試験日程 | 都道府県ごとに実施(試験日・実施回数は各支部により異なります) |
| 受験料 | 7,200円(非課税) |
| 合格率 | 令和7年度(2025年4月〜2026年3月) 34.0%(受験者20,296人) |
| 難易度 | ★★★☆☆ |
| 独立のしやすさ | ★☆☆☆☆(この資格単独での独立開業は一般的ではありません) |
| 勉強時間目安 | 80〜120時間程度 |
| 申込方法 | 試験日・申込期間は都道府県支部ごとに異なります(電子申請と書面申請が選べます) |
| 公式サイト | 試験の公式ページを見る |
危険物取扱者甲種とはどんな資格?
危険物取扱者 甲種は、消防法で定められた第1類から第6類までのすべての危険物を取り扱える国家資格です。ガソリンなどの引火性液体だけを扱う乙種第4類に対し、甲種は強い酸化力を持つ酸化性固体から自然発火性物質まで、危険物全般が対象になります。
活躍の場は化学プラント、石油・ガスの貯蔵施設、製薬・塗料メーカー、研究機関など、複数の類の危険物を同時に扱う現場です。乙種の免状が指定された類にしか使えないのに対し、甲種は1枚ですべての類をカバーできるため、扱う物質が多い職場ほど利点が大きくなります。
なお、危険物取扱者の3区分のうち、受験資格が設けられているのは甲種だけです。乙種・丙種は誰でも受験できますが、甲種は化学の学習歴か乙種免状での実務経験が求められます。
難易度と合格率
令和7年度(2025年4月〜2026年3月)の合格率は34.0%(受験者20,296人・合格者6,900人)でした。乙種第4類の同年度の合格率31.9%と近い水準ですが、そもそも甲種は受験資格を満たした人だけが受ける試験です。同水準の合格率でも、受験者層の前提知識が異なる点には注意が必要です。
試験は五肢択一式の45問で、科目は「危険物に関する法令」15問、「物理学及び化学」10問、「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」20問。試験時間は2時間30分です。
合格基準は科目ごとに60%以上の正解で、1科目でも下回ると不合格になります。乙種と比べたときの山場は次の2点です。
- 性質・消火の科目が20問と乙種の倍になり、第1類から第6類までのすべての性質を覚える必要があります
- 物理化学の科目名が乙種の「基礎的な物理学及び基礎的な化学」から「物理学及び化学」に変わり、より踏み込んだ内容が問われます
勉強時間の目安
80〜120時間程度が一つの目安です。1日1時間の学習なら3〜4か月程度の計画になります(この時間は当編集部による目安で、公式が公表している数値ではありません)。
学習の中心は、6類すべての危険物の性質を整理することです。物質名を個別に暗記しようとすると量に押しつぶされるため、類ごとの共通性質(酸化性・可燃性・禁水性など)をつかんでから個別の物質に降りていく順序が効率的です。乙種第4類を先に取得している方は、第4類の知識をそのまま活かせるぶん負担が軽くなります。
受験資格と試験日程
甲種の受験には、次のいずれかに該当することが必要です。
| 区分 | 条件 |
|---|---|
| 大学等の卒業 | 大学・短期大学・高等専門学校・専修学校等で化学に関する学科等を修めて卒業した方 |
| 単位修得 | 大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した方 |
| 実務経験 | 乙種危険物取扱者免状の交付を受けた後、危険物製造所等での危険物取扱いの実務経験が2年以上の方 |
| 乙種免状の複数取得 | 「第1類または第6類」「第2類または第4類」「第3類」「第5類」の4種類以上の乙種免状の交付を受けている方 |
| 学位 | 化学に関する事項を専攻して修士・博士の学位を授与された方 |
化学系の学歴がない社会人の場合は、乙種を取得してから実務経験2年、または乙種を4種類そろえるルートが現実的な進み方になります。詳しい要件は出願前に必ず公式サイトでご確認ください。
試験は中央試験センター(東京)と道府県支部で実施され、日程・回数は地域によって異なります。現住所や勤務地にかかわらず全国どこの会場でも受験でき、申込はすべての試験で電子申請が利用できます。受験手数料は7,200円(非課税)です。
こんな人におすすめ
- 化学プラント・石油関連施設・研究機関など、複数の類の危険物を扱う現場で働く方
- すでに乙種第4類を持っていて、扱える危険物の範囲を広げたい方
- 危険物保安監督者として、製造所等の管理を担う立場を目指す方
- 化学系の学部・学科の在学生や卒業生で、専攻を資格の形にしたい方
同じ現場系の国家資格では、第二種電気工事士との組み合わせも定番です。設備管理の求人では、電気と危険物の両方の資格を求められることがあります。
出典・参考情報
- 消防試験研究センター「危険物取扱者試験」(2026-08-04 確認)
- 消防試験研究センター「甲種危険物取扱者試験の受験資格」(2026-08-04 確認)
- 消防試験研究センター「試験科目及び問題数」(2026-08-04 確認)
- 消防試験研究センター「試験の方法」(2026-08-04 確認)
- 消防試験研究センター「試験実施状況(令和7年4月〜令和8年3月)」(2026-08-18 確認)
受験料・日程等は変更される場合があります。受験の際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。