気象予報士の難易度・合格率・勉強時間

予報業務の許可を受けた者は、気象などの現象の予想を気象予報士に行わせることが気象業務法で義務づけられています。

最終更新: 2026-09-16

気象予報士の基本情報

正式名称気象予報士
分類国家資格
実施団体一般財団法人 気象業務支援センター(気象庁長官が指定する試験機関)
試験形式学科試験はマークシートによる多肢選択式で、予報業務に関する一般知識・専門知識が各15問・各60分。実技試験は記述式で75分が2つ。学科2科目と実技2つを同じ日に受けます
受験資格受験資格に関する制限はありません(気象業務法による処分を受けた場合を除く)
試験日程年2回(8月・翌1月)。合格発表は試験日の約7週間後
受験料免除科目なし 11,400円、学科一科目免除 10,400円、学科二科目免除 9,400円(いずれも非課税)。合格後の気象予報士登録には、オンライン申請2,900円または書面申請3,600円が別途かかります
合格率通算第65回(2026年1月実施) 5.3%(受験者3,932人・合格者208人)。第1回からの通算では受験者243,940人・合格者13,433人で平均約5.5%です
難易度★★★★★
独立のしやすさ★★☆☆☆
勉強時間目安気象業務支援センターは標準的な学習時間を公表していません。学科試験は各15問のうち11問以上の正解が必要で、実技試験は天気図の読み取りから予想までを記述する形式です。学科に合格すると1年以内の試験で免除を申請できるため、複数回に分けて受ける方が相当数います
申込方法年2回。令和8年度第2回(通算第67回)の受験申請は2026年11月16日〜12月4日(当日消印有効)です。前回の第66回はインターネット申込がなく郵送のみの受付でした
公式サイト試験の公式ページを見る

申込・試験日程

回次申込受付期間試験日
令和8年度第1回(通算第66回)2026年6月15日(月) 〜 2026年7月3日(金)受付は終了しました。申請は郵便局窓口で特定記録扱いとした郵送のみで、普通郵便は不可・当日消印有効でした。試験手数料の振込も受験申請の受付期間内に済ませる必要がありました2026年8月23日(日)合格発表: 2026年10月9日(金)10時。受験票が交付された方全員に、合格発表日を配達日指定とした圧着はがきが郵送され、同日にセンターのホームページへ合格者の受験番号が掲載されます
令和8年度第2回(通算第67回)2026年11月16日(月) 〜 2026年12月4日(金)当日消印有効。期間外の受験申請と試験手数料の納入は受け付けられません。受験資料(試験案内)の配布開始は2026年10月19日で、センターは受験票到着期間を暫定の日程としています。申請方法は配布される第67回の試験案内でご確認ください2027年1月31日(日)合格発表: 2027年3月19日(金)

日程は変更される場合があります。申し込みの際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

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気象予報士とはどんな資格?

気象予報士は、気象業務法にもとづく国家資格です。気象庁によると、この制度は民間事業者による予報の信頼性を担保するため、気象庁から提供される数値予報資料等の高度な予測データを適切に利用できる技術者を確保する目的で、平成6年度に導入されました。

制度の中心にあるのは、気象業務法第19条の2が定める気象予報士の設置と業務です。気象庁の説明によれば、同条の規定により、気象及び地象(地震動、火山現象及び土砂崩れを除く)の予報業務を行う場合、現象の予想は気象予報士に行わせなければなりません。あわせて、事業所ごとに、1日あたりの現象の予想を行う時間に応じて必要な人数が決まっており、最低1人以上の専任の気象予報士を置く必要があります。つまり、テレビ局や気象情報会社が独自の天気予報を出すとき、その予想そのものは気象予報士が担う必要があります。

なお、土砂崩れは上の「地象」から除かれていますが、土砂崩れ・高潮・波浪・洪水を対象とする気象関連現象予報業務でも、入力に用いる気象を自ら予想する場合は、気象予報士を設置して気象の予想を行わせる必要があるとされています。

試験を実施しているのは一般財団法人 気象業務支援センターで、気象業務法にもとづき気象庁長官の指定を受けた指定試験機関という位置づけです。試験に合格しただけでは気象予報士を名乗れず、気象庁長官の登録を受けてはじめて気象予報士になります。気象庁の統計データによると、令和8年3月31日現在で12,921名が気象予報士として登録されています。

難易度と合格率

合格率は直近5回とも5%台から6%台で、当サイトの掲載資格のなかでも低い水準です。気象業務支援センターが公表している実施状況から、直近5回を抜き出すと次のとおりです。

試験日 申請者数 受験者数 合格者数 合格率
第61回 2024年1月28日 4,515人 3,928人 242人 6.2%
第62回 2024年8月25日 4,736人 4,268人 248人 5.8%
第63回 2025年1月26日 4,700人 4,034人 244人 6.0%
第64回 2025年8月24日 4,496人 4,048人 210人 5.2%
第65回 2026年1月25日 4,557人 3,932人 208人 5.3%

センターは合格率を「受験者に対する合格者の割合」と明記しています。申請者数と受験者数は別に公表されており、直近5回では448人から666人の差がありました。申請したものの当日受験しない方が、毎回これだけいるということです。

平成6年の第1回から第65回までの通算では、申請者280,667人・受験者243,940人・合格者13,433人で、平均約5.5%と公表されています。直近5回はいずれも合格者が200人台にとどまっています。

第66回(2026年8月23日実施)の合格発表日は2026年10月9日です。センターが公表した申請状況によると、第66回の申請者数は4,544人でした。結果が公表され次第、当ページの数値を更新します。

合格基準と試験の一日

試験は学科試験と実技試験に分かれ、同じ日にすべてを受けます。試験案内の時間割と試験概要をもとに整理すると次のとおりです。

時間 科目 方式
9時40分〜10時40分 学科試験 予報業務に関する一般知識 マークシートによる多肢選択式
11時10分〜12時10分 学科試験 予報業務に関する専門知識 マークシートによる多肢選択式
13時10分〜14時25分 実技試験1(実技試験の科目1〜3) 記述式
14時55分〜16時10分 実技試験2(実技試験の科目1〜3) 記述式

合格基準は次のように公表されています。

  • 学科試験(予報業務に関する一般知識):15問中正解が11以上
  • 学科試験(予報業務に関する専門知識):15問中正解が11以上
  • 実技試験:総得点が満点の70%以上

ただしセンターは「難易度により調整する場合があります」と注記しており、この基準がそのまま毎回適用されるとは限りません。回ごとにどのように調整されたかは、当サイトが確認した範囲では現在の公式サイトから取得できませんでした。なお実技試験は「総得点が満点の70%以上」という比率で示されており、満点が何点なのかは試験案内にも試験概要にも記載がありません

最終的に合格証明書が送られるのは、試験案内の説明によれば「学科試験が両科目とも合格(あるいは免除)したうえで、実技試験の得点が合格基準に達した場合」です。実技だけ、あるいは学科だけを満たしても最終合格にはなりません。

出題範囲は学科の一般知識が大気の構造・大気の熱力学・降水過程・大気における放射・大気の力学・気象現象・気候の変動と、気象業務法その他の気象業務に関する法規です。専門知識は観測の成果の利用・数値予報・短期予報・中期予報・長期予報・局地予報・短時間予報・気象災害・予想の精度の評価・気象の予想の応用が範囲になります。実技試験は気象概況及びその変動の把握、局地的な気象の予想、台風等緊急時における対応の3科目です。

学科試験の免除制度

この試験の大きな特徴が、学科試験の科目免除です。学科試験の全部(二科目)または一部(一科目)に合格すると、申請により、合格年月日から1年以内に行われる試験でその科目が免除されます。試験は年2回なので、免除が使えるのは実質的に次の2回分です。実際、第66回の試験案内は、令和7年度第1回(通算第64回)または令和7年度第2回(通算第65回)の試験で学科科目の全部または一部に合格した受験者を対象と定めていました。なお起算点の表現は資料によって差があり、試験案内は「合格年月日から1年以内」、センターの試験概要ページは「合格発表日から一年以内」としています。

注意したいのは、免除が自動では適用されないことです。試験案内は「学科試験の免除の対象となっていても、受験者が申請を行わない限り免除は有効となりません」と明記しており、免除を申請した科目はその日に受験できません。申請後に免除科目を変更することもできないため、申込の時点でどの科目を受けるかを決めておく必要があります。

免除の状況は申請状況の資料から数字で確認できます。第66回の申請者4,544人のうち、学科免除ありが1,641人(36.1%)、免除なしが2,903人(63.9%)でした。免除ありの1,641人のうち、学科試験の合格を持ち越した方は1,579人で、申請者の約35%にあたります。前回までの学科合格を使って臨む方が、これだけいるということです。

もうひとつ、気象業務に関する業務経歴による免除もあります。証明者の公印を受けた業務経歴等(見込)証明書を添えて申請する形で、条項は5つに分かれています。

修了・登録条件 必要な業務経歴 免除される科目
第1号 防衛省・気象庁の養成課程、または気象事業者上級職員特別講習 3年以上、予報業務に従事 一般知識・専門知識
第2号 技術士の登録(応用理学部門に限る) 3年以上、予報業務に従事 一般知識・専門知識
第3号 条件の指定なし 7年以上、国の行政機関で気象庁長官が定める予報業務に従事 一般知識・専門知識
第4号 気象庁の養成課程、または気象事業者上級職員特別講習 3年以上、国の行政機関で観測業務に従事 一般知識
第5号 条件の指定なし 7年以上、国の行政機関で気象庁長官が定める観測業務に従事 一般知識

ただし、この経路を使う方はごく少数です。第66回の内訳では第1号が58人、第3号が4人で、第2号・第4号・第5号は0人でした。免除で受験する方の大半は、学科試験に合格して持ち越した方だとわかります。

勉強時間の目安

気象業務支援センターは、標準的な学習時間を公表していません。試験案内と試験概要のページを検索しても、勉強時間や学習時間に関する記載は見つかりませんでした。

代わりに、試験の形から準備の幅を見積もることになります。学科は各15問のうち11問以上の正解が必要で、7割強を取らなければなりません。実技は天気図や観測資料を読み取り、記述で答える形式が75分ずつ2つ続きます。大気の熱力学や大気の力学のように、物理と数式を扱う分野も出題範囲に含まれます。

学科の合格が1年間持ち越せる制度は、この負荷を分割するために使えます。前述のとおり、第66回では申請者の約35%が学科合格の持ち越しで臨みました。1回で全科目を通す前提だけで計画を立てる必要はないと言えます。

受験資格と試験日程

受験資格に制限はありません(気象業務法による処分を受けた場合を除く)。年齢・学歴・実務経験は問われません。第66回の申請状況では、最年少8歳・最高齢88歳・平均42.4歳と公表されており、年代層別では20歳代が1,276人ともっとも多く、30歳代756人、60歳代702人、50歳代654人、40歳代607人と続きます。

令和8年度の日程は次のとおりです。

項目 第1回(通算第66回) 第2回(通算第67回)
受験資料配布開始 2026年5月18日 2026年10月19日
受験申請期間 2026年6月15日〜7月3日 2026年11月16日〜12月4日
受験票到着期間 2026年8月3日〜8月7日 2027年1月8日〜1月15日
試験日 2026年8月23日 2027年1月31日
合格発表日 2026年10月9日 2027年3月19日

第2回については、受験票到着期間の欄にかぎって、センターが「現時点では暫定の日程のため、日程変更の可能性あり!」と注記しています。

申請方法には注意が必要です。第66回では、受験申請は郵送のみとされ、インターネットからは申し込めませんでした。郵便局の窓口で特定記録扱いとして送る必要があり、普通郵便での送付は禁止されていました。締切は申請期間の最終日の消印までとされていました。なお、第67回についても日程ページに「当日消印有効」と記載されています。第67回の申請方法そのものは、2026年10月19日に配布が始まる試験案内で確認してください。

ここでひとつ、公式サイト間で記述が食い違っています。気象業務支援センターの第66回試験案内は「受験申請の方法は、以下の『郵送』のみとします」「当センター試験部の窓口へ直接来館しての申請の受付は行っていません」としているのに対し、気象庁の「気象予報士試験受験の申請」ページは提出方法を「持参または郵送」とし、窓口情報にも受験申請書の受付時間が記載されたままです。センターは試験のお知らせでも窓口業務を行わない旨を案内しているため、実際に申し込む際は実施団体であるセンターの最新の試験案内に従ってください

試験手数料は、受験申請の受付期間内に指定口座へ振り込んで納めます。振込レシートまたは振替払込請求書兼受領証は申請書に使うため、保管が必要です。センターは日程ページで「期間外の受験申請及び試験手数料の納入は受け付けません」と明記しており、試験案内でも、未納の申請と納入期間外に振り込まれた申請は一切受理できないとしています。手数料は免除科目の有無で変わり、免除なし11,400円・学科一科目免除10,400円・学科二科目免除9,400円です。この額は気象業務法施行規則で定められていると気象庁が説明しています。

試験地は北海道・宮城県・東京都・大阪府・福岡県・沖縄県の6か所です。試験地ごとの申請者数には偏りがあり、第66回では東京都2,507人(55.2%)・大阪府1,149人(25.3%)で、この2か所で8割を占めました。

もうひとつ知っておきたいのが、災害があったときの扱いです。試験案内は、大規模な災害・事故その他の不可抗力により試験を中止・延期・時間繰り下げとする場合があるとしており、日程に変更が生じたときはセンターのホームページに掲載されます。また、令和8年熊本地震の際には、被災した受験者を対象とする特例措置(試験手数料の返還や学科試験の免除期間の延長)がセンターのお知らせ欄に掲載されていました(当サイトが2026年9月8日に確認。2026年9月16日時点では、この告知はお知らせ欄に掲載されていません)。対象となる地域や申請の期間はその都度定められるため、災害の影響を受けた場合はまずお知らせ欄を確認してください。

合格後は気象庁への登録が必要です

試験に合格しただけでは気象予報士にはなりません。気象業務法第24条の20にもとづき、気象庁長官の登録を受ける必要があります。手続きは気象庁が担当し、合格後は随時申請できます。

登録申請の方法と手数料は次のとおりです。

申請方法 手数料 備考
オンライン申請(e-Gov電子申請システム) 2,900円 対応する電子証明書が必要
書面による申請(郵送または持参) 3,600円 申請書に収入印紙を貼付。FAXは不可

申請には、合格発表時に届く気象予報士試験合格証明書が必要です。試験案内も「合格証明書は、気象予報士となることを希望する方が気象庁へ登録申請を行う際に必要ですので、大切に保管してください」と案内しています。

合格に至らなかった方には結果通知書が郵送されます。試験案内によれば、当日試験を欠席した方にも届きます。学科試験の合否(あるいは免除)が記載されており、次回以降に免除申請をするときに必要になるため、受け取ったら保管しておく書類です。

独立して働くなら

気象予報士は、資格を取れば個人で天気予報を出せるようになる資格ではありません。予報業務を行うには気象庁長官の許可が必要で、許可を受けるのは予報業務を営もうとする者です。気象予報士の登録と予報業務の許可は別の手続きで、独立して予報業務を営むには自ら許可を受ける立場になる必要があります。この点が、登録すれば開業できる士業と大きく違うところです。

実際の働き方としては、気象情報会社や放送局など予報業務許可事業者に所属する形が中心になります。そのうえで、資格を軸にした活動の場も制度として用意されています。

ひとつが気象防災アドバイザーです。地域の気象と防災に精通した方を気象庁が委嘱する仕組みで、自治体側から要請を受けて動きます。気象庁が挙げている役割は、防災基本計画にもとづく避難情報発令についての市町村長への進言、平時の普及啓発活動、市町村職員の人材育成などで、地元の気象台と連携しながら地域の防災力向上に貢献することが期待されています。配置を全国に広げるため、気象予報士を対象とした気象防災アドバイザー育成研修も設けられています。

もうひとつの流れが、気象データを分析に使う方向です。気象庁は、気象データの知識とデータ分析の知識を兼ね備え、気象データとビジネスデータを分析できる人材を「気象データアナリスト」と呼んでいます。そのうえで、分析のために習得すべき知識・技術を育成講座の標準的なカリキュラムとして示し、これに適合する民間の教育訓練事業者の講座を「気象データアナリスト育成講座」として認定しています。こちらは気象予報士の資格が必須というわけではありませんが、気象の知識を業務の側へ広げる選択肢のひとつです。

資格を持つ人どうしのつながりとしては、一般社団法人日本気象予報士会があります。気象庁はこの法人を気象予報士により運営されているものと紹介し、3,000名以上が会員になっていること、会員どうしの情報交換や気象技能の研鑽に加えて、安全知識の普及啓発や気象情報の利活用推進といった社会貢献活動を行っていることを挙げています。

こんな人におすすめ

  • 気象情報会社・放送局など、予報業務の許可を受けた事業者で予想の仕事に携わりたい方
  • 大気の熱力学や力学のように、物理と数式を扱う分野を学ぶことに抵抗がない方
  • 自治体の防災対応や、地域の防災力向上に関わる活動に関心がある方
  • 学科の合格を1年間持ち越せる仕組みを使って、複数回に分けて挑戦する計画を立てられる方
  • 受験資格の制限がない難関国家資格に、腰を据えて取り組みたい方

一方で、合格率は直近5回とも5%台から6%台です。1回の試験で合格を決めることを前提にすると、計画が崩れやすい試験でもあります。学科試験の免除を申請した方が申請者の3人に1人以上いる実態を踏まえて、複数回の受験を見込んだ準備をしておくと現実的です。

出典・参考情報

受験料・日程等は変更される場合があります。受験の際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。