国家資格IT・情報処理

情報処理安全確保支援士の難易度・合格率・勉強時間

合格後にIPAへ登録すると名称を独占して使えますが、資格を維持するには毎年の講習受講が義務づけられています。

最終更新: 2026-09-02

情報処理安全確保支援士の基本情報

正式名称情報処理安全確保支援士試験
分類国家資格
実施団体独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)
試験形式科目A-1(多肢選択式30問・50分)、科目A-2(多肢選択式25問・40分)、科目B(記述式4問中2問・150分)。各科目100点満点で基準点は60点。令和8年度からCBT方式
受験資格制限なし(誰でも受験可能)
試験日程年2回(前期・後期)。令和8年度から期間内に受験するCBT方式へ移行し、前期は2026年11月頃、後期は2027年2月頃の実施予定
受験料7,500円(情報処理安全確保支援士試験は非課税)
合格率令和7年度 春期19.0%(受験者16,526人)・秋期22.3%(受験者18,816人)
難易度★★★★★
独立のしやすさ★★☆☆☆
勉強時間目安IPAは標準的な学習時間を公表していません。IPAのスキルレベルでは最上位のレベル4に位置づけられ、記述式の科目Bまで到達するには科目A-1・A-2の基準点通過が前提になります
申込方法年2回。令和8年度前期の申込は10月6日〜10月24日(CBT方式)
公式サイト試験の公式ページを見る

申込・試験日程

回次申込受付期間試験日
令和8年度 前期(CBT方式)2026年10月6日(火) 〜 2026年10月24日(土)CBT方式への移行に伴い、令和8年度の前期試験は秋に実施されます科目A 2026年10月17日〜10月27日/科目B 11月11日〜11月23日合格発表: 2027年2月頃(予定)。科目B試験の成績照会はマイページで2027年1月頃に開始予定
令和8年度 後期(CBT方式)2027年1月27日(水) 〜 2027年2月27日(土)科目A 2027年2月20日〜3月2日/科目B 3月16日〜3月28日合格発表: 2027年6月頃(予定)。科目B試験の成績照会はマイページで2027年5月頃に開始予定

日程は変更される場合があります。申し込みの際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

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情報処理安全確保支援士とはどんな資格?

情報処理安全確保支援士は、情報処理の促進に関する法律にもとづく国家資格です。IPAが実施する情報処理技術者試験のなかでは、サイバーセキュリティを専門に扱う区分にあたります。

この資格には、他のIT系試験と決定的に違う点があります。試験に合格しただけでは「情報処理安全確保支援士」を名乗れません。同法第12条により、IPAが管理する登録簿に登録を受けてはじめて有資格者となり、登録した人は「登録セキスペ」と呼ばれます。

登録すると名称の独占使用が認められ、登録セキスペ以外がこの名称を使った場合は30万円以下の罰金刑の対象になります。一方で、登録した人には次の3つの義務が課されます。

  • 信用失墜行為の禁止(第21条)
  • 秘密保持義務(第22条)… 違反した場合は1年以下の懲役または50万円以下の罰金
  • 講習の受講義務(第23条)

登録は義務ではありません。試験に合格したまま登録しないという選択もでき、合格から登録までの有効期限はありません。名称を使う必要があるかどうかで判断することになります。

難易度と合格率

令和7年度の実施結果は次のとおりです。

実施回 応募者 受験者 合格者 合格率 合格者平均年齢
令和7年度 春期(4月20日実施) 22,645人 16,526人 3,134人 19.0% 35.0歳
令和7年度 秋期(10月12日実施) 26,385人 18,816人 4,199人 22.3% 34.4歳

同じ年度でも春期19.0%・秋期22.3%と3ポイント以上の差があり、回による変動があります。1回分の数字だけで難易度を判断しないほうが安全です。

応募者数と受験者数の差にも注目してください。春期は22,645人が応募して16,526人が受験しており、4分の1以上が受験していません。合格率は受験者を分母にした数字である点は押さえておきたいところです。

合格者の平均年齢は35歳前後で、IPAの試験区分のなかでは高めです。実務経験を積んだ層が中心の試験だといえます。

試験の構成と合格基準

試験は科目A-1・科目A-2・科目Bの3科目です。

科目 試験時間 出題形式 出題数/解答数 配点
科目A-1 50分 多肢選択式(四肢択一)※共通問題 30問/30問 各3.4点(上限100点)
科目A-2 40分 多肢選択式(四肢択一) 25問/25問 各4点
科目B 150分 記述式 4問/2問 各50点

合格には3科目すべてで基準点を満たす必要があります。各科目とも100点満点で基準点は60点です。試験結果に問題の難易差が認められた場合は、基準点が変更されることがあるとされています。

もう一つ重要なのが多段階選抜方式です。試験要綱は「科目A-1・科目A-2試験の得点が基準点に達しない場合には、科目B試験の採点を行わずに不合格とする」と定めています。つまり、記述式の科目Bをどれだけ書けても、多肢選択式で基準点を落とせば読まれません。学習の順序を考えるうえで見落とせない仕組みです。

科目A-1と科目A-2は一部免除制度の対象です。免除の条件は情報処理技術者試験の他区分の合格などによるもので、条件はIPAの案内でご確認ください。

なお、科目A群と科目Bは別日に実施されます。科目A-1の終了後、科目A-2を開始するまでの間に最長10分の休憩を取ることができます。

令和8年度からのCBT方式

令和8年度から、この試験はCBT方式に移行します。従来の「春期(4月)・秋期(10月)に全国一斉」という形から、一定期間内の複数日に実施され、受験者が全国の会場から都合に合わせて日時を選ぶ方式に変わります。

名称も変わりました。従来の「午前試験」は「科目A試験」になります。ただしIPAは、出題形式(多肢選択式・記述式・論述式)、出題数、試験時間はいずれも変更しないとしています。中身が変わるのではなく、受け方が変わるという理解でよいでしょう。

移行に伴い、実施時期も後ろにずれます。令和8年度の前期は2026年11月頃、後期は2027年2月頃の予定です。「前期」といっても春ではない点に注意してください。

受験資格と試験日程

受験資格に制限はありません。学歴・実務経験を問わず誰でも受験できます。受験手数料は7,500円で、情報処理安全確保支援士試験は非課税です。

令和8年度の日程は次のとおりです。

区分 申込受付期間 科目A-1・A-2 科目B
前期 2026年10月6日〜10月24日 2026年10月17日〜10月27日 2026年11月11日〜11月23日
後期 2027年1月27日〜2月27日 2027年2月20日〜3月2日 2027年3月16日〜3月28日

CBT方式で受験することが難しい方に向けては、筆記による特別措置試験も実施されます。

登録と維持にかかる費用

合格後に登録する場合、費用は受験手数料だけでは終わりません。IPAが公表している内訳は次のとおりです。

段階 費用
受験 受験手数料 7,500円
申請・登録 登録免許税 9,000円+登録手数料 10,700円
講習(毎年) オンライン講習 20,000円
講習(3年に1回) 実践講習(受講料は講習により異なる。例として実践講習Aは80,000円)

登録簿への登録と登録証の交付は年2回で、4月1日登録分は2月15日、10月1日登録分は8月15日が申請締切です(いずれも当日消印有効)。

登録の有効期限は登録日から起算して3年で、3年ごとの更新が必要です。更新申請は更新期限の60日前までに行う必要があり、申請するには毎年の受講が義務づけられている講習をすべて修了していなければなりません。更新手数料そのものはかかりません。

2026年4月からは、実務経験者に対する講習制度が導入されました。この制度を利用する場合はオンライン講習のみの受講となり、申請手数料は3,500円です。

維持コストが継続的に発生するという点は、他のIT系資格にはない特徴です。合格を目指す段階から、登録するかどうかを含めて考えておくとよいでしょう。

独立して働くなら

この資格は名称独占であって、業務独占ではありません。登録セキスペでなければできない仕事があるわけではないため、資格そのものが独立に直結するタイプではありません。

一方で、登録簿に載り、登録情報が公開される仕組み(登録番号などの必須項目を除き、公開する項目は選べます)は、外部から専門性を確認できる材料になります。セキュリティコンサルティングや監査支援のように、発注側が担当者の専門性を判断しにくい領域では、公的な裏づけとして機能する場面があります。名刺への登録セキスペロゴマークの使用も認められています(登録番号の併記が必須)。

ただし、実務の裏づけがないまま独立するのは現実的ではありません。登録セキスペには秘密保持義務が法律上課されている点も踏まえ、企業内やセキュリティベンダーで経験を積んだうえで検討する流れが自然です。

集客について: 依頼元は企業や自治体で、一般消費者ではありません。既存の取引関係、前職からの紹介、業界コミュニティでの発信が入口になります。特定の業界(医療・金融・製造の制御システムなど)や、特定の規格・ガイドラインへの対応に強い、といった専門性が差別化の軸になりやすい領域です。

こんな人におすすめ

  • 実務でセキュリティを担当していて、知識を体系的に整理したい方
  • 応用情報技術者に合格し、専門分野へ進む次の区分を探している方
  • 記述式の設問で、対策の妥当性を説明する力を試したい方

管理側の視点からセキュリティを学ぶなら情報セキュリティマネジメントが入口になります。技術の土台を固めるなら基本情報技術者から順に進むルートも選択肢です。

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