民間資格建築・技術

CAD利用技術者試験の難易度・合格率・勉強時間

上位級を受けるには下位級の認定番号が必要で、2級に合格しないと1級・準1級には申し込めません。

最終更新: 2026-09-02

CAD利用技術者試験の基本情報

正式名称CAD利用技術者試験
分類民間資格
実施団体一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP)
試験形式2次元と3次元の2系統に分かれます。2次元の基礎はIBT、2次元2級と3次元2級はCBTで受ける多肢選択式の筆記試験です。2次元1級と3次元1級・準1級は、会場でCADソフトを操作する実技試験(2次元1級は筆記25問を含む)です
受験資格2次元の基礎・2級と3次元2級は制限なく受験できます。2次元1級は2次元2級または1級の、3次元準1級は3次元2級の、3次元1級は3次元2級または準1級の有資格者に限られ、申込時に認定番号の入力が必要です
試験日程2次元の基礎・2級と3次元2級は通年実施(2026年度は2026年4月4日〜2027年3月31日)。2次元1級と3次元1級・準1級は年2回(前期・後期)の会場試験です
受験料2次元は基礎5,500円・2級7,150円・1級18,700円、3次元は2級8,800円・準1級13,200円・1級18,700円(いずれも個人受験の税込。2026年4月1日申込分から改定)。認定会場での団体受験は基礎3,300円・2次元2級6,600円・3次元2級8,250円・準1級11,550円・1級17,050円。2次元1級を過去に合格している方、3次元1級を準1級・1級保持者が受ける場合は個人13,200円・団体11,550円に下がります
合格率2次元1級の2026年度前期は機械33.00%・建築30.43%・トレース45.16%、3次元は2026年前期が1級39.39%・準1級64.75%。2級と基礎は年度単位の公表で、2025年度は2次元2級54.02%・3次元2級73.82%・2次元基礎82.31%です(いずれも受験者数に対する割合)
難易度★★★☆☆
独立のしやすさ★★☆☆☆
勉強時間目安ACSPは標準的な学習時間を公表していません。かわりに級ごとの受験対象者を示しており、2次元1級は設計・製図業務の実務経験1年以上または就学経験1年以上、3次元1級は実務半年以上または就学1年以上、2次元基礎は3ヵ月程度の就学者を想定しています。1級・準1級は制限時間内にCADソフトでモデルや図面を作り上げる実技試験のため、知識の暗記より操作の習熟に時間が要ります
申込方法2次元1級・3次元1級・準1級は年2回の申込期間制。2026年度後期は2次元1級が2026年8月17日〜9月16日、3次元1級・準1級が9月28日〜10月28日。2級と基礎は通年で申し込めます
公式サイト試験の公式ページを見る

申込・試験日程

回次申込受付期間試験日
2026年度 後期 2次元CAD利用技術者試験1級2026年8月17日(月) 〜 2026年9月16日(水)受付開始は8月17日(月)10時です。2026年度の日程表(PDF)はこの期間を「エントリー期間(案)」という列見出しで示していましたが、公式サイトの試験概要表には「申込期間」として同じ日付が掲載されています2026年11月8日(日)合格発表: 2027年1月中旬(公式サイトの表記は「後期:1級/翌年1月中旬」)
2026年度 後期 3次元CAD利用技術者試験1級・準1級2026年9月28日(月) 〜 2026年10月28日(水)受付開始は9月28日(月)10時です。2026年度の日程表(PDF)はこの期間を「エントリー期間(案)」という列見出しで示していましたが、公式サイトの試験概要表には「申込期間」として同じ日付が掲載されています2026年12月6日(日)合格発表: 2027年1月下旬(公式サイトの表記は「後期:翌年1月下旬」)
2026年度 2次元CAD利用技術者試験2級・基礎/3次元CAD利用技術者試験2級(通年)2026年4月1日(水) 〜 2027年3月15日(月)個人申込の受付期間です。2次元2級と3次元2級は2027年3月15日まで、2次元基礎は2027年3月24日までで級によって締切が異なります。認定会場での団体申込はいずれも2027年3月24日までです2026年4月4日(土)〜2027年3月31日(水)の期間内で希望日時を予約(IBTは17時まで)合格発表: 試験終了後に即時発表

日程は変更される場合があります。申し込みの際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

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CAD利用技術者試験とはどんな資格?

CAD利用技術者試験は、一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP)が実施する、CADの知識と操作技能を測る民間資格です。設計・製図の現場で使うCADソフトを実際に動かす実技試験があるのが特徴で、知識だけを問う試験とは性格が異なります。

試験は2次元CAD利用技術者試験3次元CAD利用技術者試験の2系統に分かれ、それぞれ複数の級があります。

系統 受験資格 試験方式
2次元 基礎 制限なし IBT・筆記50問(50分)
2次元 2級 制限なし CBT・筆記60問(60分)
2次元 1級(機械/建築/トレース) 2次元2級または1級の有資格者 実技+筆記25問(80分)
3次元 2級 制限なし CBT・筆記60問(60分)
3次元 準1級 3次元2級の有資格者 実技(120分)
3次元 1級 3次元2級または準1級の有資格者 実技(120分)

2次元1級は機械・建築・トレースの3分野に分かれており、申し込み時にどれを受けるかを選びます。分野ごとに実技の課題と筆記の出題内容が違い、機械は機構部品の作図と機械製図の知識、建築はRC造または木造の図面と建築製図の基礎知識、トレースは図面のトレースと投影能力が問われます。

ACSPは、CAD利用技術者試験を教育訓練給付金制度の対象資格、および全国工業高等学校長協会が主催するジュニアマイスター顕彰制度の対象資格として案内しています。

上位級には下位級の合格が要ります

この試験でつまずきやすいのが受験資格です。2次元1級・3次元準1級・3次元1級は、いずれも下位級の有資格者しか受けられません。申し込み画面では下位級の認定番号の入力が必須で、番号は試験に合格して初めて付番されます。

そのため、2級と1級を同じ時期に受けようとしても間に合いません。ACSPも、1級の申込期限の前日までには2級を取得しておくよう案内しています。2級と基礎は通年で受けられるCBT・IBTなので、1級を目指す場合は先に2級を済ませておく順番になります。

なお3次元では、準1級と1級を同じ試験日に受けることはできません。3次元2級のCBT化にともない、2021年度からは2級と1級・準1級の併願もできなくなっています。

難易度と合格率

ACSPは統計情報のページで、級ごとに応募者数・受験者数・合格者数・合格率を公表しています。合格率は受験者数に対する割合です(応募者数で割った値ではありません)。

集計の区切りは級によって違い、通年実施の2級・基礎は年度単位、1級・準1級は前期・後期ごとに公表されます。そのため、当サイトの確認時点でもっとも新しい数字は級によって時期が揃いません。

2次元CAD利用技術者試験

級・分野 実施回 受験者 合格者 合格率
1級(機械) 2026年度前期 100人 33人 33.00%
1級(建築) 2026年度前期 115人 35人 30.43%
1級(トレース) 2026年度前期 31人 14人 45.16%
2級 2025年度 3,469人 1,874人 54.02%
基礎 2025年度 554人 456人 82.31%

3次元CAD利用技術者試験

実施回 受験者 合格者 合格率
1級 2026年前期 198人 78人 39.39%
準1級 2026年前期 244人 158人 64.75%
2級 2025年度 2,246人 1,658人 73.82%

同じ「1級」でも、2次元と3次元、さらに2次元の分野によって数字がかなり動きます。また回による振れも小さくありません。3次元1級は2025年前期21.40%・2025年後期28.45%・2026年前期39.39%と推移しており、特定の1回の合格率をその級の実力目安として読むと実態から離れます

受験者数にも差があります。もっとも多い2次元2級で年間3,469人に対し、2次元1級は2026年度前期で機械100人・建築115人・トレース31人と、分野によっても規模が異なります。級を上がるほど母数が小さくなる構造です。

合格基準

いずれの級も総合7割以上が必要で、2次元基礎を除く各級には、これに加えて分野ごとの足切りがあります。

合格基準
2次元1級 実技試験・筆記試験が各5割以上、かつ総合7割以上
2次元2級 CADシステム分野・製図分野が各5割以上、かつ総合7割以上
2次元基礎 総合7割以上
3次元1級・準1級 各分野5割以上、かつ総合7割以上
3次元2級 各分野5割以上、かつ総合7割以上

2次元2級の出題比率は、ACSPによればCADシステム分野が約60%、製図分野が40%です。得意な分野だけで7割を取っても、もう一方が5割に届かなければ合格になりません。

勉強時間の目安

ACSPは標準的な学習時間を公表していません。かわりに級ごとの受験対象者を示しており、これが準備量を測る手がかりになります。

  • 2次元1級:設計・製図業務に従事して1年以上の実務経験、または1年以上の就学経験がある方を想定
  • 3次元1級:3次元CADでのモデリング・設計・製図に従事して半年以上の実務経験、または1年以上の就学経験がある方を想定
  • 2次元基礎:これからCADを本格的に学ぶ、3ヵ月程度の就学者を想定

1級・準1級は制限時間内にCADソフトでモデルや図面を仕上げる実技試験です。知識を覚えることより、使うソフトでの操作が手に馴染んでいるかが結果を分ける構造になっており、机上の学習だけでは対策になりません。ACSPは公式ガイドブックのほか、級別の試験対策問題をダウンロード商品として販売しています。1級の実技で使う解答枠のデータは公式サイトで公開されており、認定会場に登録している学校・企業には、過去問題や学習用問題が無償で提供されます。

受験資格と試験日程

2026年度の日程は次のとおりです。

試験 試験日・期間 申込期間 合格発表
2次元1級(前期) 2026年6月14日(日) 2026年4月6日〜5月7日(終了) 8月中旬
3次元1級・準1級(前期) 2026年7月19日(日) 2026年5月8日〜6月10日(終了) 8月下旬
2次元1級(後期) 2026年11月8日(日) 2026年8月17日〜9月16日 2027年1月中旬
3次元1級・準1級(後期) 2026年12月6日(日) 2026年9月28日〜10月28日 2027年1月下旬
2次元2級・基礎/3次元2級 2026年4月4日〜2027年3月31日 2026年4月1日〜2027年3月15日(2次元基礎は3月24日まで) 試験終了後に即時発表

年度の日程表(PDF)では、この申込期間が並ぶ列の見出しが「エントリー期間(案)」でした。公式サイトの試験概要表では同じ日付が「申込期間」として掲載されており、受付開始時刻(後期は2次元1級が8月17日10時、3次元1級・準1級が9月28日10時)まで示されています。

試験時間は、2次元1級が80分(10時00分から11時20分まで、データの保存時間を含みます)、3次元は1級・準1級とも120分(10時00分から12時00分、または13時30分から15時30分)です。3次元は地域によって選べる時間帯が異なります。

1級・準1級の会場は札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡の7か所で実施予定とされており、具体的な会場名は受験票の公開時に案内されます。受験票がマイページに公開されるのは、2次元1級が5月下旬・10月中旬、3次元1級・準1級が6月下旬・11月中旬です。ACSPは2級について受験票はないと案内しています。

2級は全国にある専用のCBT会場で実施され、基礎はIBTのため自宅でも受験できます。再受験の扱いも級で異なり、2級は受験日の翌日10時から申し込めて、次に予約できるのは最短3日後以降の試験日です。基礎は受験日の翌日から申し込めます。

3次元1級・準1級を個人で受ける場合は、CADソフトを入れたノートPCを自分で持ち込みます。ACSPは事前検証済みの推奨ソフトを公表しており、推奨以外のソフトを使う場合は、体積・表面積・重心・2点間距離を測定できることと、公式サイトのサンプル問題を解いて正解を導けることを自分で確認したうえで、本人の責任で使うことになります。

受験料と結果の確認

受験料は2026年4月1日申込分から改定されました。金額はすべて税込です。

系統・級 個人受験 団体受験(認定会場)
2次元 基礎 5,500円 3,300円
2次元 2級 7,150円 6,600円
2次元 1級 18,700円 17,050円
2次元 1級(過去の1級合格者) 13,200円 11,550円
3次元 2級 8,800円 8,250円
3次元 準1級 13,200円 11,550円
3次元 1級 18,700円 17,050円
3次元 1級(準1級・1級保持者) 13,200円 11,550円

団体受験の金額が使えるのは、ACSPが認定した会場に所属している受験者です。学校や勤務先が認定会場になっている場合は、そちらから申し込むと割安になります。

いったん支払った受験料は返金されません。2級は受験日の3日前23時59分まで予約の変更を受け付けます。

結果の出方は級で分かれます。ACSPは2級について、試験終了後すぐに結果が表示され、受験の翌日以降にマイページから結果通知書をダウンロードできると案内しています。合格していればこの通知書に認定番号が記載されており、上位級の申込に必要になるので控えておく必要があります。

1級・準1級はマイページで合否が公開される方式で、公開が始まるとメールで案内されます。ACSPは試験概要表の「合格発表」欄で時期までを示しており、2次元1級は前期が8月中旬・後期が翌年1月中旬、3次元1級・準1級は前期が8月下旬・後期が翌年1月下旬です。日付までは示されていません。過去の実績では、2026年度前期の2次元1級(6月14日実施)が2026年8月7日、2025年度後期の2次元1級(11月実施)が2026年1月19日、2025年度後期の3次元1級・準1級が2026年1月27日の公開でした。試験から2ヵ月前後かかる回が続いています。

独立して働くなら

CAD利用技術者試験には独占業務も開業のための登録制度もありません。この資格がなければできない仕事はなく、資格そのものが仕事を運んでくる仕組みにはなっていない点は、はじめに押さえておく必要があります。

そのうえでACSPは、合格後の進路として設計事務所やメーカーへの就業と並んで、派遣・在宅のCADオペレーターやCADインストラクターを挙げています。CADの作図業務は成果物をデータで受け渡せるため、勤務先に常駐しない働き方と相性がよい分野です。実際に独立して働く場合は、設計事務所や製造業からの業務委託、あるいは派遣という形で仕事を受けるのが基本になります。

案件を得るうえで実務的に効くのは、資格の級よりも扱えるCADソフトの種類と、対応できる図面の分野です。機械系と建築系では求められる知識も使うソフトも違うため、2次元1級で機械・建築・トレースのどれを選ぶかは、その後に受ける仕事の方向とつながります。3次元CADまで扱えると、製造業のモデリング業務まで守備範囲が広がります。

資格の位置づけとしては、実務経験がまだ浅い段階で操作技能を第三者に説明できる材料になるものと考えるのが現実的です。発注側から見て技能の見当がつくため、経歴だけでは伝わりにくい部分を補えます。

こんな人におすすめ

  • CADを使う設計・製図の仕事を目指していて、学習の到達度を形にしておきたい方
  • すでにCADオペレーターとして働いていて、操作技能を社外に示せる材料がほしい方
  • 工業高校や専門学校でCADを学んでおり、ジュニアマイスター顕彰制度の対象資格として取得を考えている方
  • 2次元の図面業務から3次元CADへ、扱える範囲を広げたい方

受験資格の制限がないのは2次元の基礎・2級と3次元2級だけです。1級・準1級を目指す場合は、通年で受けられる2級を先に取り、認定番号を手元に用意してから年2回の1級に臨む流れになります。