キャリアコンサルタントの難易度・合格率・勉強時間

登録制の名称独占資格で、5年ごとの更新には知識講習8時間以上と技能講習30時間以上の受講が必要です。

最終更新: 2026-09-04

キャリアコンサルタントの基本情報

正式名称キャリアコンサルタント
分類国家資格
実施団体厚生労働省(試験の実施は登録試験機関である特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会と特定非営利活動法人 キャリアコンサルティング協議会)
試験形式学科試験は四肢択一のマークシート方式で50問・100分。実技試験は論述(記述式・50分)と面接(ロールプレイ15分と口頭試問5分の計20分)に分かれます。学科試験は2つの登録試験機関が同一日に共通問題で実施します
受験資格次のいずれかを満たす方。(1)厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した方(2)労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する方(3)技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した方
試験日程年3回(3月・7月・11月頃)。学科試験と実技(論述)試験は同じ日に、実技(面接)試験はその5日後から3週間後までの間で機関が指定した日に行われます
受験料学科8,900円・実技29,900円(いずれも税込)で、両方を受ける場合は38,800円です。合格後にキャリアコンサルタントとして登録するには登録免許税9,000円と登録手数料8,000円がかかり、5年ごとの更新時にも更新手数料8,000円が必要です
合格率第32回(2026年7月実施)は日本キャリア開発協会が学科55.6%・実技66.5%、キャリアコンサルティング協議会が学科54.6%・実技60.3%でした。学科試験は両機関の共通問題のため合格率が近く、第31回は79.5%と80.9%、第30回は77.8%と77.6%です
難易度★★★☆☆
独立のしやすさ★★★☆☆
勉強時間目安公式に示された勉強時間の目安はありません。受験資格の1つである養成講習は職業能力開発促進法施行規則で合計150時間以上と定められていますが、受講料と開講日程は実施機関ごとに異なります
申込方法2つの登録試験機関のどちらかを選んで申し込みます。試験日と合格発表日は同じですが申込締切は機関で異なり、第33回は日本キャリア開発協会が8月31日、キャリアコンサルティング協議会が8月28日でした
公式サイト試験の公式ページを見る

申込・試験日程

回次申込受付期間試験日
第33回(日本キャリア開発協会)2026年8月17日(月) 〜 2026年8月31日(月)郵送の場合は締切日消印有効。受験希望者数が予定数を超えた場合、受付期間の途中でも予告なく受付を停止することがあります学科・実技(論述)2026年11月1日(日)※学科10時10分集合、実技論述14時10分集合/実技(面接)11月7日(土)・8日(日)・14日(土)・15日(日)のいずれか1日合格発表: 2026年12月16日(水)※予定
第33回(キャリアコンサルティング協議会)2026年8月17日(月) 〜 2026年8月28日(金)Web申請は最終日23時59分59秒までのログインで、決済を完了した場合のみ有効です。郵送申請は受付期間内の消印のみ有効です。受験案内の配布期間は2026年8月7日から8月28日まで。受験希望者数が予定数を超えた場合、受付期間の途中でも受付を停止することがあります学科・実技(論述)2026年11月1日(日)※学科10時10分集合、実技論述14時10分集合/実技(面接)11月7日(土)・8日(日)・13日(金)・14日(土)・15日(日)・21日(土)・22日(日)のいずれか1日合格発表: 2026年12月16日(水)※Web上では午前10時から
第34回(日本キャリア開発協会)2026年12月9日(水) 〜 2026年12月23日(水)郵送の場合は締切日消印有効。受験票の発行は2027年2月12日でマイページからダウンロードします学科・実技(論述)2027年3月7日(日)/実技(面接)3月13日(土)・14日(日)・20日(土)・21日(日)のいずれか1日合格発表: 2027年4月20日(火)※予定
第34回(キャリアコンサルティング協議会)2026年12月11日(金) 〜 2026年12月22日(火)Web申請は最終日23時59分59秒までのログインで、決済を完了した場合のみ有効です。郵送申請は受付期間内の消印のみ有効です。受験案内の配布期間は2026年12月4日から12月22日まで。受験票の発送は2027年2月12日です学科・実技(論述)2027年3月7日(日)/実技(面接)3月12日(金)・13日(土)・14日(日)・20日(土)・21日(日)・22日(月)・27日(土)のいずれか1日合格発表: 2027年4月20日(火)※Web上では午前10時から

日程は変更される場合があります。申し込みの際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

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キャリアコンサルタントとはどんな資格?

キャリアコンサルタントは、職業能力開発促進法に基づく国家資格です。平成28年4月に国家資格として創設された比較的新しい資格で、厚生労働省は、平成28年3月までの標準レベルのキャリア・コンサルタントであった方でも、登録を行っていなければ「キャリアコンサルタント」と名乗ることはできないと案内しています。同省は、キャリアコンサルタントを「キャリアコンサルティングを行う専門家」とし、企業、需給調整機関(ハローワーク等)、教育機関、若者自立支援機関など幅広い分野で活躍していると説明しています。

制度の特徴は3つあります。1つ目は登録制であることです。試験に合格しただけでは名乗ることができず、国のキャリアコンサルタント名簿に登録して初めてキャリアコンサルタントになります。2つ目は名称独占資格であることです。登録を扱う「国家資格キャリアコンサルタント WEB登録センター」(指定登録機関であるキャリアコンサルティング協議会が運営)は「職業能力開発促進法に規定されたキャリアコンサルタントでない方は、『キャリアコンサルタント』又はこれに紛らわしい名称を用いることができません。これに違反した者は、30万円以下の罰金に処せられます」と明記しています。3つ目は5年ごとの更新制です。あわせて職業能力開発促進法は、信用を傷つける行為の禁止と守秘義務を定めており、守秘義務はキャリアコンサルタントでなくなった後も続きます。

登録者数は、令和8年7月末日現在で有効登録者総数87,410名です。地域別では関東が45,654名(52.2%)、近畿が15,167名(17.4%)、東海が7,884名(9.0%)と、半数以上が関東に集中しています。

この資格でもう1つ知っておきたいのが、試験を実施する機関が2つあることです。厚生労働大臣から登録試験機関として登録を受けているのは、特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会(JCDA)と特定非営利活動法人 キャリアコンサルティング協議会の2団体で、受験者はどちらかを選んで申し込みます。学科試験は「特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会と共同で、同一日に共通問題で実施します」と日本キャリア開発協会の試験要項に書かれており、試験日も合格発表日も両機関で同じです。合格後の登録手続きも共通で、厚生労働省は「登録事務は、厚生労働大臣が指定登録機関として指定した特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会が行います」としています。どちらの機関で受験しても、登録先は同じ1つの名簿です。ただし後述するとおり、申込締切と実技(面接)試験の日程は機関ごとに異なります。

難易度と合格率

合格率は登録試験機関ごとに公表されています。学科は共通問題なので数字が近くなりますが、実技は機関で差が出ます。

日本キャリア開発協会(JCDA)

回次 学科 受験者数 学科 合格者数 学科 合格率 実技 受験者数 実技 合格者数 実技 合格率
第32回(2026年7月) 932 518 55.6% 999 664 66.5%
第31回(2026年3月) 1,144 910 79.5% 1,203 816 67.8%
第30回(2025年11月) 1,097 853 77.8% 1,087 741 68.2%
第29回(2025年7月) 1,166 858 73.6% 1,042 672 64.5%

キャリアコンサルティング協議会

回次 学科 受験者数 学科 合格者数 学科 合格率 実技 受験者数 実技 合格者数 実技 合格率
第32回(2026年7月) 2,872 1,568 54.6% 3,435 2,072 60.3%
第31回(2026年3月) 3,839 3,107 80.9% 4,365 2,783 63.8%
第30回(2025年11月) 3,916 3,038 77.6% 4,095 2,580 63.0%
第29回(2025年7月) 3,778 2,736 72.4% 3,780 2,427 64.2%

第32回は学科の合格率が両機関そろって20ポイント以上下がっています。共通問題なので同じ動きになるのは自然で、学科試験の平均点も日本キャリア開発協会69.7点・キャリアコンサルティング協議会69.1点と、合格ラインの70点を下回りました。第29回から第31回は両機関とも74点台から76点台で推移していましたから、第32回が例外的に難しかったことがわかります。合格率を見るときは、直近1回だけでなく複数回を並べたほうが実態に近くなります。

学科と実技の両方を同じ回で受けた人の合格率も公表されています(表の行ラベルは日本キャリア開発協会が「同時受験者」、キャリアコンサルティング協議会が「両方受験者」です)。第32回は日本キャリア開発協会が745人中391人で52.5%、キャリアコンサルティング協議会が2,375人中1,039人で43.7%でした。学科と実技をそれぞれ単独で見た合格率より低くなるため、1回で両方に合格することを前提に考えないほうが安全です。

なお、学科試験と実技試験はどちらか一方だけを受けることもでき、片方に合格すればその試験は次回以降免除されます。日本キャリア開発協会は第32回の結果を掲載したお知らせで「※合格に有効期限はありません」と案内しており、合格した試験の免除がいつまでかを気にせず、もう一方に集中できます。同協会のよくある質問には、学科試験と実技試験をそれぞれ別の機関で受験することも「可能です」と書かれています。ただし同じ回で受ける場合、両機関で学科・論述試験の会場が異なることがあると注記されています。

合格基準は次のとおりです。

  • 学科: 100点満点(2点×50問)で70点以上
  • 実技: 150点満点で90点以上。ただし論述は50点満点のうち40%以上、かつ面接の評価区分ごとに満点の40%以上が必要

面接の評価区分は機関で名称が違います。日本キャリア開発協会は「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」、キャリアコンサルティング協議会は「態度」「展開」「自己評価」です。どちらの機関で受けても資格としては同じですが、実技試験で見られる観点の示し方が異なるため、申し込む前に両方の試験要項を読み比べておくとよいでしょう。

勉強時間の目安

公式に示された勉強時間の目安はありません。この試験でまず考えるべきなのは学習時間より受験資格です。多くの受験者は厚生労働大臣が認定する養成講習を修了して受験しており、第32回の受験資格別のデータでは、日本キャリア開発協会の学科試験の受験者932人のうち859人(約92%)が養成講習修了者でした。キャリアコンサルティング協議会でも学科受験者2,872人のうち2,566人(約89%)が養成講習修了者です。

養成講習の時間数は法令で決まっています。職業能力開発促進法施行規則の別表は、キャリアコンサルティングの社会的意義2時間、必要な知識35時間、必要な技能76時間、倫理と行動27時間、その他10時間の合計150時間を最低ラインとして定めています。技能の76時間のうち60時間が演習であるように、講義だけでは修了できない構成です。現行のカリキュラムは平成30年7月31日公布の改正省令によるもので、令和2年4月1日から施行されています。

一方で受講料と開講日程は実施機関ごとに異なります。厚生労働省の「キャリアコンサルタント講習検索サイト」は「学習形態、受講料等講習の詳細・申込に関しては、一覧に表示のURL等から各機関のホームページを確認するか、個別に各講習実施機関にお問い合わせください」と案内しており、国が一律の受講料を示しているわけではありません。受験を検討する段階では、試験の受験料よりも講習の費用と期間のほうが大きな判断材料になります。

受験資格と試験日程

受験資格は次のいずれかです。複数に該当する場合は、いずれか1つを満たしていれば受験できます。

  1. 厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した方(平成28年4月から開講された講習)
  2. 労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する方
  3. 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した方

2の実務経験で受験する場合は、講習を受けなくてもかまいませんが、この「経験」に当たるかどうかには基準があります。両機関の試験要項は、支援対象者が労働者(求職者を含む)であること、相談の内容・目的が職業の選択・職業生活設計・職業能力開発及び向上に関するものであること、キャリアコンサルティングが一対一またはこれに準ずる形で行われること(情報提供にとどまるものや授業・訓練の運営そのものは含まない)の3点をすべて満たすかどうかで個別に判断する、としています。

試験は年3回で、学科試験と実技(論述)試験が同じ日の午前と午後に行われ、実技(面接)試験はその5日後から3週間後までの間で指定された日に受けます。面接の日時は機関が指定し、受験者が選ぶことはできません。キャリアコンサルティング協議会は、郵送申請なら消印順、Web申請なら受付順に試験日時を設定すると案内しています。

申込締切は機関ごとに違います。第33回は日本キャリア開発協会が2026年8月17日から8月31日まで、キャリアコンサルティング協議会が同じ8月17日から8月28日までで、3日ずれていました。第34回も日本キャリア開発協会が2026年12月9日から12月23日、キャリアコンサルティング協議会が12月11日から12月22日と異なります。試験日と合格発表日は両機関とも同じですから、日程を調べるときは必ず申し込む機関のサイトで締切を確認してください

実技(面接)試験の日程も機関で幅が違います。第33回は日本キャリア開発協会が11月7日・8日・14日・15日の4日間、キャリアコンサルティング協議会が11月7日・8日・13日・14日・15日・21日・22日の7日間を予定しています。キャリアコンサルティング協議会は「受験者数の状況によっては、予定よりも少ない日程で試験を行うことがあります」と注記しています。

両機関とも、受験希望者数が予定数を超えた場合は受付期間の途中でも受付を停止することがあると案内しています。締切間際の申込は避けたほうがよいでしょう。

合格後に必要な手続きと費用

試験に合格したあと、キャリアコンサルタントを名乗るには登録が必要です。登録には次の費用がかかります。

費目 金額 備考
受験料(学科) 8,900円 税込
受験料(実技) 29,900円 税込
登録免許税 9,000円 収入印紙を登録申請書に貼付
登録手数料 8,000円 非課税
更新手数料 8,000円 非課税・5年ごと

学科と実技を両方受けて登録まで進むと、受験料38,800円に登録免許税と登録手数料を加えて55,800円になります。ここに養成講習の受講料が別途かかるため、取得までの総額は講習の選び方で大きく変わります。

登録の有効期間は5年で、更新するには厚生労働大臣の指定を受けた知識講習を8時間以上、技能講習を30時間以上受講する必要があります。更新申請ができるのは有効期間満了日の90日前から30日前までです。技能講習の30時間のうち最大10時間までは、キャリアコンサルティングの実務に従事した時間や、技能検定キャリアコンサルティング職種1級に合格したキャリアコンサルタントから実務の指導を受けた時間で代えることができます(証明書の提出が必要です)。

上位資格としてキャリアコンサルティング技能検定(1級・2級)があります。登録後に技能検定1級または2級に合格すると、合格後5年以内の更新時に限って知識講習と技能講習が免除されます。また技能検定1級を持っている場合は、技能講習30時間が常に免除されます。逆に、技能検定の学科試験または実技試験に合格していれば、キャリアコンサルタント試験の対応する試験が免除されます。

独立して働くなら

キャリアコンサルタントは、企業の人事部門やハローワーク、大学のキャリアセンター、人材紹介会社などに勤めながら活かす人が多い資格です。一方で、独立して個人向けのキャリア相談を受けたり、企業から研修や相談窓口を受託したりして活動する人もいます。

独立を考えるうえで押さえておきたいのは、この資格が名称独占であって業務独占ではないことです。キャリア相談という行為そのものは資格がなくても行えるため、資格を持っていることが仕事の受注に直結する構造にはなっていません。WEB登録センターが公表する登録者数が示すとおり有資格者は8万7千人を超えており、有資格者であることだけで差がつく段階ではありません。

集客の現実的な入口になるのは、公的機関や企業からの業務委託です。ハローワークや地域の就労支援機関、大学のキャリアセンターは有資格者を募集することがあり、求人の応募要件に資格が挙げられている場合は、資格の有無が選考の前提になります。企業研修や個人相談で独立する場合は、キャリアコンサルタント資格に加えて、これまでの職務経験(業界知識・人事実務・採用の経験など)を組み合わせて対象を絞るのが一般的です。

上位のキャリアコンサルティング技能検定1級を取得すると、自分の更新時に技能講習が常に免除されます。あわせて、1級合格者がキャリアコンサルティングの実務について指導した時間は、指導を受けた側の技能講習として認められます(実務に従事した時間による代替とあわせて10時間以内)。制度上、1級は指導する側に位置づけられているため、後進の育成まで視野に入れるなら技能検定への進み方も検討材料になります。

こんな人におすすめ

  • 企業の人事・採用・人材開発の仕事をしていて、相談業務の裏づけとなる国家資格がほしい方
  • ハローワークや若者自立支援機関、大学のキャリアセンターなど、応募要件に資格が挙げられることのある職場を目指す方
  • 人材紹介・人材派遣の会社で、求職者との面談を担当している方
  • すでに3年以上の相談実務があり、養成講習を受けずに受験資格を満たせる方
  • 資格取得後も5年ごとに講習を受け続ける前提で、長く続ける仕事として考えている方

反対に、短期間・低予算で取れる資格を探している方には向きません。多くの受験者が通る養成講習は法令で合計150時間以上と定められており、費用も実施機関ごとに設定されています。試験の受験料と登録費用だけで55,800円かかり、その後も5年ごとに更新講習と更新手数料が発生します。取得後の活動まで含めて計画を立てられるかどうかが、この資格を選ぶかどうかの分かれ目になります。

出典・参考情報

受験料・日程等は変更される場合があります。受験の際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。