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医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)の難易度・合格基準・受験料

自宅のパソコンで毎月受験でき、学科と実技の2科目を終えるとその場で試験結果画面に合否が表示されます。

最終更新: 2026-09-01

メディカルクラークの基本情報

正式名称医療事務技能審査試験
分類民間資格
実施団体一般財団法人 日本医療教育財団
試験形式自宅などのパソコンで受けるインターネット試験(IBT方式)で、試験官がWebカメラを通じて監視します。学科は医療事務知識60問を50分、実技は患者接遇2事例・診療報酬明細書の作成2症例・基本診療料および特掲診療料の計算15問・点検と病名との突合2症例を70分で解答します。学科・実技とも参考資料を見ながら解答できます
受験資格問いません。年齢・学歴・実務経験の条件はなく、医科と歯科のどちらかを選んで受験します
試験日程毎月実施。土曜・日曜の日中を中心に月複数回の試験日が設定されます。2026年9月から11月は、各月8回から9回の試験日が公表されています
受験料8,800円(税込・医科/歯科とも同額)。クレジットカード決済またはコンビニ払いを選べます
合格基準財団は合格率・年度別の受験者数・合格者数を公表していません。公表されている数値は「昭和49年度からの50年で総受験者数は171万人、合格者数は99万人を超えています」という累計人数だけです。合格基準は公表されており、学科試験・実技試験それぞれの得点率が70%以上で合格となります
難易度★★☆☆☆
独立のしやすさ☆☆☆☆(この資格単独での独立開業は一般的ではありません)
勉強時間目安財団は標準的な学習時間の目安を公表していません。学科の出題範囲は医療保険制度・医事法規一般・医療保障制度・公費負担医療制度・患者応対・医事業務・医学一般・薬学一般・診療報酬請求業務の9領域に分かれており、実技では診療報酬明細書を実際に作成します
申込方法インターネットから申し込みます。受付期間は試験日ごとに設定され、当該試験日の1ヵ月前から1週間前までです
公式サイト試験の公式ページを見る

医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)とはどんな資格?

医療事務技能審査試験は、一般財団法人日本医療教育財団が実施している、医療事務の知識と技能を審査する試験です。合格すると「メディカル クラーク」の称号が付与されます。財団は中黒(・)を使わず空白で区切る分かち書きにしていますが、一般には「メディカルクラーク」と続けて書かれます。試験の名称と称号が別々なので、求人などで「メディカルクラーク」と書かれているのは、この試験の合格者を指します。

はじめに位置づけをはっきりさせておきます。財団はよくある質問で「現在、医療事務の資格に国家資格・公的資格はございません。さまざまな団体で医療事務関連の資格を扱っていますが、すべて民間資格です」と明記しています。医療事務は「国家資格かどうか」で調べられることの多い分野ですが、この試験を含めて国家資格にあたるものは存在しません

そのうえで、この試験は医療事務関連のなかでは規模の大きい試験です。財団は昭和49年度からの50年間で総受験者数171万人、合格者数99万人を超えると公表しており、専門学校・短大・大学・職業訓練校などが団体受験校として数多く登録されています。試験の運営にあたっては、病院団体である公益社団法人全日本病院協会と提携していると説明されています。

審査の対象は、医療機関等における受付業務と診療報酬請求事務業務です。学科で制度や医学・薬学の知識を問い、実技では診療報酬明細書(レセプト)を実際に作成します。窓口での患者接遇が実技の出題科目に入っているのが特徴で、計算や請求の技能だけを問う構成にはなっていません。

医科と歯科の2つの区分があり、申し込むときにどちらかを選びます。受験料は同額で、実技のうち診療報酬明細書の作成が医科は外来1・入院1、歯科は外来2という違いがあります。

難易度と合格基準

財団は合格率を公表していません。年度別・回次別の受験者数や合格者数も掲載されていません。当サイトが財団サイト内のページと受験案内PDFを機械的に検索した範囲では、「合格率」にあたる記載は見つかりませんでした。公表されている数値は、先に挙げた50年間の累計人数だけです。

累計の受験者数と合格者数から割合を出したくなるところですが、財団の表記はどちらも「171万人」「99万人」を超えているという書き方で、正確な人数ではありません。概数どうしを割った値は合格率として意味を持たないため、当サイトでは算出していません。

一方で、合格基準は明確に公表されています

項目 内容
合否の判定 学科試験および実技試験の各々の得点率が70%以上
学科 医療事務知識 60問(50分)
実技 患者接遇2事例、診療報酬明細書の作成2症例、基本診療料および特掲診療料の計算15問、点検・病名との突合2症例(70分)
参考資料 学科・実技とも参照可

注意したいのは、学科と実技のそれぞれで70%以上が必要な点です。合計点や平均点ではないため、片方が高得点でももう片方が70%に届かなければ合格になりません。

難易度を考えるうえで大きいのが、参考資料を見ながら解答できるという条件です。診療報酬点数表などを参照できるため、点数を暗記しているかどうかを問う試験ではありません。ただし実技は70分で4種類の課題を処理する構成で、資料のどこに何が書かれているかを把握していないと時間内に終わりません。調べられることと、調べる時間があることは別だと考えておくのが安全です。

受験資格に制限がなく、試験日が毎月あり、不合格でも次の月に再挑戦できることを踏まえると、医療事務系のなかでは挑戦しやすい部類の試験だといえます。

勉強時間の目安

財団は標準的な学習時間を公表していません。当サイトが財団サイト内を機械的に検索した範囲では、「勉強時間」「学習時間」にあたる目安の数値は見つかりませんでした。当サイトでは、出典の裏づけがない数値を目安として掲げることはしていません。

学習量を見積もる材料になるのは、公表されている出題範囲です。学科の審査領域は次の9つに分かれています。

領域 内容の例
医療保険制度 医療保険の分類、保険者と被保険者、保険料と保険給付
医事法規一般 健康保険法、療養担当規則、国民健康保険法、関連法規
医療保障制度 高齢者医療制度、介護保険制度、労働者災害補償保険法など
公費負担医療制度 感染症法、生活保護法、障害者総合支援法、難病法など
患者応対 医事担当者の心得、外来・入院業務、窓口会計業務
医事業務 医療機関の分類、個人情報保護、診療録、安全管理
医学一般 各器官系の名称・構造・機能、人体解剖と生理、疾病の原因と治療
薬学一般 医薬品の種類と薬効分類、各器官系に作用する薬物
診療報酬請求業務 基本診療料、特掲診療料(医科はDPCを含む)

この表は医科の内容です。医学一般・薬学一般は歯科では内容が変わり、口腔解剖と生理・歯科の解剖と歯式・歯科用医薬品の種類と薬効分類などが範囲になります。制度と法令の範囲が広い一方で、医学・薬学は「一般」の範囲にとどまります。実技で診療報酬明細書を作成するため、知識のインプットとは別に、レセプトを実際に書く練習の時間を見込んでおく必要があります。

なお財団は、都道府県別の受験校一覧を公開しています。団体で受験する教育機関等としては、専門学校や短大、大学、職業訓練校が挙げられています。独学で進めるか講座を利用するかは、レセプト作成の演習をどう確保するかで判断するとよいでしょう。

受験資格と試験日程

受験資格はありません。財団は受験資格の欄に「問いません。」とだけ記載しており、年齢・学歴・実務経験の条件はありません。

試験は毎月実施され、土曜・日曜の日中(午前・午後)を中心に、月に複数回の試験日が設定されます。財団が2026年6月30日時点で公表している日程では、2026年9月が8回、10月と11月がそれぞれ9回の試験日が設定されており、いずれも土曜または日曜です。

申込はインターネットからで、受付期間は当該試験日の1ヵ月前から1週間前までです。全国一律の締切がある試験ではなく、受けたい試験日ごとに期間が決まります。財団は、満席の場合は申込画面に時間枠が表示されないこと、試験日の1週間前まで変更が可能なため一度満席になっても再度枠が出る場合があることを案内しています。

試験方式はIBT(Internet Based Testing)方式で、自宅などのパソコンからインターネット経由で受験します。試験中はIBTシステムの有人対応により、パソコンのWebカメラを通じて監視と本人確認がリアルタイムで行われます。受験環境の条件は次のとおりです。

項目 条件
機器 パソコン本体(ノート型・デスクトップ型)。タブレット端末・スマートフォンは不可
OS Windows 11 または Mac OSの最新版
ブラウザ Google Chrome または Microsoft Edge の最新版
ネットワーク 上り下りとも5Mbps以上。無線やテザリングではなく有線接続を推奨

スマートフォンやタブレットでは受験できません。またWebカメラとマイク・スピーカー機能が必要です。財団は試験当日に使う機器で事前に受験環境テストを実施するよう案内しているので、申込後に確認しておくと安心です。

結果の出方もこの試験の特徴です。学科・実技の2科目を終えると、その場で試験結果画面に合否が表示されます(1科目のみの受験では結果は表示されません)。合格の場合は結果発表後に同じ画面から合格証書が交付され、PDFでダウンロードできます。合格発表日を待つ形式ではないため、この試験には回ごとの合格発表日という概念がありません。

なお財団は、同じ財団が実施する医療通訳技能認定試験については資格の有効期間と更新の定めを案内していますが、医療事務技能審査試験については有効期限や更新に関する記載を置いていません。取得後に更新手続きを求められる制度は確認できませんでした。

学校などで団体申込を希望する場合は、財団本部事務局への問い合わせが必要です。学校のパソコン教室を会場にして一斉に受験する団体会場受験もありますが、こちらは教育機関限定で、事前に団体受験校の申請が要ります。

こんな人におすすめ

医療機関の事務職を目指していて、まず基礎を固めたい方に向いています。財団はよくある質問のなかで、医療機関の事務スタッフのキャリアの一例として、まず医療事務の基本にあたるこの試験から入り、医事オペレータ技能認定試験で医療事務コンピュータを操作しながら請求業務に従事し、やがて医師事務作業補助技能認定試験(ドクターズクラーク)や介護事務のケアクラーク技能認定試験へと仕事の幅を広げていくイメージを示しています。

受験機会の多さを重視する方にも合います。試験日が毎月あり、申込も試験日の1週間前まで受け付けられるため、学習の進み具合に合わせて受験時期を決められます。年1回や年2回の試験のように、1回の不合格で次の機会まで長く待つことにはなりません。

自宅で受験したい方にとっても選びやすい試験です。会場に出向く必要がなく、パソコンとネットワークの条件を満たせば自宅で完結します。ただし有人監視があり、スマートフォンやタブレットでは受験できないため、環境を用意できるかは先に確認してください。

一方で、資格の名称だけで判断したい方には向きません。財団が明言しているとおり医療事務の資格に国家資格・公的資格はなく、この試験も民間資格です。試験科目に患者接遇やレセプト作成が含まれている点をふまえ、実務でどの技能を証明したいのかを考えて選ぶことをおすすめします。

独立開業を考えている方には適していません。診療報酬請求事務は医療機関の中で行う業務で、この資格そのものに独占業務や開業に関する制度上の位置づけはありません。

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