民間資格医療・福祉

サービス介助士の難易度・合格率・勉強時間

テキストでの自宅学習だけでは取得できず、対面での実技教習に参加することが要件に含まれます。

最終更新: 2026-08-19

サービス介助士の基本情報

正式名称サービス介助士
分類民間資格
実施団体公益財団法人日本ケアフィット共育機構
試験形式検定試験はマークシート形式の3択問題で、1問2点の問題が50問(100点満点)出題され、70点以上で合格です。検定試験を受ける前に、マークシート3択100問の提出課題(60点以上で合格)と、対面での実技教習を修了しておく必要があります
受験資格制限はありません。機構は対象を「社会人、大学生、専門学校生 など」と案内しており、心身に障害がある方も、申し込み時に必要な配慮を伝えることで受講できると案内されています
試験日程通年で申し込みを受け付けています。実技教習は全国各地で随時開催され、申し込みから検定試験までを12か月以内に終える必要があります。全国一律の試験日や申込締切は設けられていません
受験料46,200円(税込)。テキスト、提出課題問題集、課題の採点、実技教習、検定試験と採点、認定状・認定証の発行、教材と結果通知の送料を含みます。再試験は1回3,630円(税込)、資格更新は3年ごとに1,650円(税込)
合格率機構はよくある質問で「概ね8割程度」と案内しています(2026年8月19日確認)。年度別・回次別の合格率は公表されていません
難易度☆☆☆☆
独立のしやすさ☆☆☆☆(この資格単独での独立開業は一般的ではありません)
勉強時間目安機構は標準的な学習時間を公表していません。取得の流れのページでは「お仕事をお持ちの方でも平均2ヶ月で取得されています」と案内しており、申し込みから検定試験までの期限は12か月です
申込方法通年で申し込めます。申し込み後は自宅学習、提出課題、実技教習の順に進み、申し込みから検定試験までを12か月以内に終える必要があります。実技教習の日程は申込後にあらためて予約します
公式サイト試験の公式ページを見る

サービス介助士とはどんな資格?

サービス介助士は、高齢な人や障害のある人に接するときの心構えと、車いすの操作や視覚に障害のある人への手引きといった介助技術を学ぶ、公益財団法人日本ケアフィット共育機構の民間資格です。機構は2000年に「サービス介助士2級検定取得講座」として講座を開講し、2026年8月12日現在の取得者数は245,722人と公表しています。

法律に基づく独占業務や設置義務はありません。かわりに、接客の現場で働く従業員がまとめて取得する形で広がってきたという特徴があります。機構は約1,000社の企業が導入していると案内しており、取得者の業種別割合は次のとおりです。

業種 割合
交通(鉄道・航空・バス・タクシーなど) 46.9%
小売・流通 24.5%
通信 6.1%
金融・証券・保険 6.0%
観光・レジャー・宿泊 4.7%
自動車製造販売 4.3%
不動産管理・警備 1.2%
その他 6.3%

※機構が「サービス介助士とは?」のページに掲載している円グラフから読み取った値です。グラフに集計時点の記載はありません。

交通が46.9%ともっとも多く、小売・流通と合わせると7割を超えます。駅や空港、百貨店などの現場を想定した内容になっているため、介護の専門職向けというより、不特定多数のお客さまに接する仕事の人が学ぶ資格という位置づけです。

難易度と合格率

機構はよくある質問で、合格率について「概ね8割程度」と案内しています。講座ページの検定試験欄には「合格率は8割以上」という表記もありますが、いずれも概数で、年度別・回次別の合格率は公表されていません。当ページでは、より保守的な「概ね8割程度」を基本情報表に採っています。

同じページで機構は、検定試験について「落とすための試験ではなく、学びの再確認のための試験」と説明し、中学生から高齢者まで幅広い年代が受講して合格していると案内しています。

項目 内容
出題形式 マークシート形式の3択問題
出題数 50問(1問2点・100点満点)
合格基準 70点以上
出題範囲 提出課題・テキスト・実技教習の内容
結果通知 試験後およそ3週間を目安に届く

不合格でも、申し込みから1年以内であれば何度でも再試験を受けられます(事前の再受験申し込みが必要で、1回3,630円・税込)。この点でも、一度きりの合否で決まる試験とは性格が異なります。

取得までの流れ

サービス介助士は、試験に申し込んで当日会場へ行けば完結する形ではありません。通信課程(自宅学習と提出課題)と実技課程(対面での実技教習)を終えてはじめて検定試験を受けられます

段階 内容
1. 申し込み 通年で受付。個人・法人どちらも可
2. 自宅学習 送られてくるテキストで学習
3. 提出課題 マークシート3択100問(1問1点)。60点以上で合格、60点未満は再提出。申し込みから6か月以内の提出が目標
4. 実技教習 対面2日間、またはオンライン講座(6〜7時間相当)と対面1日の組み合わせ
5. 検定試験 実技教習に続けて実施。50問・70点以上で合格

申し込みから検定試験までの期限は12か月です。機構が認める理由に限り受講期間の延長制度がありますが、期限を過ぎた場合の受講料の返金には応じないと明記されています。

実技教習には運用上の注意がいくつかあります。

  • 課題の採点結果は機構への到着後およそ2週間で届きます。企業や学校でまとめて受講する場合は、実技教習の初日から3週間前までに課題が必着で、それまでに合格しないと実技教習を受けられません
  • オンライン講座を選んだ場合、実技教習日の1週間前までに視聴を終える必要があります。視聴が終わっていないと当日会場へ行っても参加できません
  • 天災による交通機関の遅れを除き、遅刻すると実技教習を受講できません。再申し込みは欠席した日から14日後以降になります
  • 高齢者疑似体験で重りを装着するなど体に負担のかかる内容が含まれるため、妊娠中やけがをしている場合は参加を控えるよう案内されています

なお、産業能率大学が開講している「サービス介助士受験基礎」は、機構の学びのうち前半の通信課程のみを扱う講座です。機構はよくある質問で、この講座だけではサービス介助士の資格は取得できず、別料金で機構主催の実技教習と検定試験に参加する必要があると説明しています。

費用

受講料は46,200円(税込)です。機構はこの金額に、テキスト、提出課題問題集、課題の採点費用、実技教習費用、検定試験と採点の費用、認定状と認定証の発行費用、教材や結果通知の送料が含まれると説明しています。個別に受験料を払う形式ではなく、講座と試験がひとまとめの価格です。

費目 金額(税込)
受講料(テキストから検定試験まで) 46,200円
再試験料(1回) 3,630円
資格更新料(3年ごと) 1,650円

支払いはクレジットカード、コンビニ払い、銀行ATM、ネットバンキング決済に対応しています。

この受講料は2026年4月1日に改定されたものです。機構は2025年4月11日付のお知らせで、2000年の講座開講から25年にわたり受講料を変更してこなかったこと、教材の印刷費・物流費・システム利用費の高騰を理由に改定することを公表しています。

学生には割引制度があり、学生割引価格は45,100円(税込)です。対象は小中学生・高校生・専門学校生・短大生・大学生・院生のいずれかの現役生で、個人での申し込みに限られ、法人や学校単位での申し込みには適用されません。申し込みには学校名と学籍番号の入力が必要です。

なお、学割を案内しているお知らせページは2019年に公開されたもので、金額は改定後の値に差し替えられている一方、「税抜」という古い表記が残っています。価格改定表では現行価格・改定価格とも「税込」の列に記載されているため、当ページは45,100円を税込として扱っています。

3年ごとの更新が必要です

サービス介助士の認定には認定日から3年間の有効期限があり、更新料1,650円(税込)を払って手続きをする必要があります。

注意したいのは、更新の案内が郵送されない点です。機構は有効期限のおよそ6か月前に、マイページに登録されたメールアドレス宛へ案内メールを送ると説明しています。取得時に登録したメールアドレスが使えなくなっていると案内が届かないため、転職や進学でアドレスが変わる場合は登録の更新が要ります。

勉強時間の目安

機構は標準的な学習時間を公表していません。取得の流れのページに「お仕事をお持ちの方でも平均2ヶ月で取得されています」という案内があり、これが公式に確認できる目安です。

期間が延びやすいのは、学習そのものより手続きの側です。課題の採点に到着後およそ2週間かかり、実技教習は会場と日程を予約する必要があるため、申し込んだ日からすぐに試験まで進めるわけではありません。申し込みから検定試験まで12か月の期限があるので、実技教習の日程を先に押さえてから逆算して課題を進めると、期限に追われずに済みます。

受験資格と試験日程

受験資格の制限はありません。機構は対象を「社会人、大学生、専門学校生 など」と案内しており、中学生から高齢者まで幅広い年代が受講しています。心身に障害がある人も、申し込みの際に情報保障などで必要なことを伝えれば受講できると案内されています。

申し込みは通年で受け付けており、全国一律の試験日や申込締切はありません。検定試験は実技教習に続けて実施されるため、実技教習の日程を選ぶことが試験日を選ぶことになります。実技教習は東京・大阪・名古屋・札幌・仙台・広島・高松・福岡・那覇などで順次開催されており、機構は住んでいる地域に近い会場で受講できると案内しています。日程と開催地域の一覧は、実技教習の申し込みページで確認できます。

企業や学校が一定の会場条件を満たす場合、研修センターなどでの開催も可能です(受講料のほかに器材の送料と講師の交通費・宿泊費が別途かかります)。

関連する資格との違い

機構はサービス介助士のほかにも、学ぶ範囲と手間の異なる講座を用意しています。「対面の実技教習に2日または1日通う時間が取れない」という場合は、次の選択肢があります。

名称 受講料(税込) 実技教習 検定試験 更新
サービス介助士 46,200円 あり(対面2日、またはオンライン+対面1日) あり(会場) 3年ごと
准サービス介助士 24,200円 なし あり(在宅) なし
サービス介助基礎研修 6,600円 2時間1回の座学と実技 なし(修了証を発行) 記載なし
サービス介助知識入門 3,300円 なし(オンライン動画60分) なし(修了証を発行) 記載なし

サービス介助基礎研修とサービス介助知識入門は修了証が出るだけの研修で、機構の各ページに更新制度の案内はありません(准サービス介助士のページには「資格更新制度 なし」と明記されています)。

准サービス介助士からサービス介助士へ進む道もあります。准サービス介助士に合格したあとにサービス介助士へ申し込むと提出課題が免除され、実技教習から始められます。受講料も通常の46,200円が29,700円(税込)になります。ただしこのステップアップが使えるのは准サービス介助士の認定日から1年間に限られるため、先に准を取ってから間を空けると適用されません。

なお、准サービス介助士は受講期間が最大6か月、再試験料が6,050円(税込)と、サービス介助士とは条件が異なります。カードタイプの認定証を希望する場合は別途2,310円(税込)がかかります。

中学生・高校生・専門学校生などを対象とした「サービス介助士ジュニア」もあり、基本受講料(1名)はテキスト2,420円と検定料7,260円(いずれも税込)です。ただし機構は、実技試験時の講師派遣料や指導マニュアルなどの諸経費が別途かかると案内しています。

こんな人におすすめ

  • 鉄道・バス・航空・タクシーなど、不特定多数のお客さまに接する仕事に就いている人。取得者の46.9%がこの分野に集まっており、勤務先が団体受講の制度を持っていることもあります
  • 百貨店や小売店、金融機関の窓口など、高齢のお客さまと接する機会が多い職場で働いている人
  • 介護の資格に興味はあるが、介護福祉士やケアマネジャーのような実務経験の要件がある資格には手が届かない人。サービス介助士は受験資格に制限がありません
  • 車いすの操作や視覚に障害のある人への手引きを、知識だけでなく体を動かして学びたい人。対面の実技教習が要件に含まれているのはこの資格の特徴です

一方で、独占業務や設置義務のある資格ではありません。介護の現場で専門職として働くことを考えている場合は、介護福祉士やケアマネジャーなど実務に直結する国家資格を軸に据えたうえで、接遇の学びとして組み合わせるほうが実態に合います。また、対面の実技教習に参加できる見通しが立たない場合は、在宅で完結する准サービス介助士から検討する方法もあります。

出典・参考情報

受験料・日程等は変更される場合があります。受験の際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。