国家資格医療・福祉

精神保健福祉士の難易度・合格率・勉強時間

社会福祉士と共通の科目があり、どちらかに合格して登録すると、もう一方の試験で共通科目の免除を受けられます。

最終更新: 2026-09-05

精神保健福祉士の基本情報

正式名称精神保健福祉士
分類国家資格
実施団体公益財団法人 社会福祉振興・試験センター(厚生労働大臣指定の指定試験機関・指定登録機関)
試験形式筆記試験のみ。五肢択一を基本とする多肢選択形式で132問(専門科目48問・社会福祉士との共通科目84問)、総試験時間230分。共通科目の免除を受ける場合は専門科目48問のみ
受験資格保健福祉系大学等で指定科目を修めて卒業、保健福祉系短大等の卒業に加えて相談援助の実務経験、短期養成施設(6月以上)の修了、一般養成施設(1年以上)の修了のいずれかが必要
試験日程年1回。第29回(令和8年度)は2027年2月6日(専門科目)と2月7日(共通科目)の2日間
受験料精神保健福祉士のみ受験する場合28,910円、社会福祉士と同時に受験する場合45,020円、共通科目免除により受験する場合22,950円
合格率第28回(令和7年度)78.2%(受験者7,107人・合格者5,558人)
難易度★★★☆☆
独立のしやすさ☆☆☆☆(この資格単独での独立開業は一般的ではありません)
勉強時間目安試験センターは標準的な学習時間を公表していません。試験は専門科目48問と社会福祉士との共通科目84問の計132問で総試験時間は230分ですが、共通科目の免除を受ける場合は48問のみとなり、準備する範囲が大きく変わります
申込方法年1回。第29回(令和8年度)の受験申し込みは2026年9月3日〜10月2日
公式サイト試験の公式ページを見る

申込・試験日程

回次申込受付期間試験日
第29回(令和8年度)試験2026年9月3日(木) 〜 2026年10月2日(金)受験申し込みは試験センターのインターネット受験申し込みからのみ。受付期間内にクレジットカード決済またはコンビニエンスストア決済で受験手数料の支払いを完了しないと申し込みは無効になります2027年2月6日(土)専門科目 14時00分〜15時30分/2027年2月7日(日)社会福祉士との共通科目 10時00分〜12時20分合格発表: 2027年3月9日(火)に試験センターのホームページへ合格者の受験番号を掲載。結果通知は3月12日(金)発送

日程は変更される場合があります。申し込みの際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

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精神保健福祉士とはどんな資格?

精神保健福祉士は、精神保健福祉士法(平成9年12月19日法律第131号)に基づく国家資格です。試験センターは資格制度の概要のページで、精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識及び技術をもって、精神科病院その他の医療施設で精神障害の医療を受けている方や、社会復帰の促進を図る施設を利用している方の相談に応じ、助言・指導・日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行う者と説明しています。

法の目的は、精神保健福祉士の資格を定めて業務の適正を図り、精神保健の向上と精神障害者の福祉の増進に寄与することとされています(法第1条)。

試験と登録の事務は、厚生労働大臣の指定を受けた指定試験機関・指定登録機関である公益財団法人社会福祉振興・試験センターが、厚生労働大臣に代わって行っています。社会福祉士・介護福祉士と同じ実施団体です。

この資格の特徴は、社会福祉士と試験科目の一部を共有していることです。試験は専門科目と「社会福祉士との共通科目」に分かれており、どちらかの資格に合格して登録していれば、もう一方の試験で共通科目の免除を申請できます。後述するとおり、受験手数料もこの3通りの受け方で変わります。

難易度と合格率

試験センターが公表している第28回(令和7年度)の結果は次のとおりです。

区分 人数
受験者数 7,107人
合格者数 5,558人
合格率 78.2%

過去5回の推移は次のようになっています。

受験者数 合格者数 合格率
第28回 7,107人 5,558人 78.2%
第27回 6,642人 4,694人 70.7%
第26回 6,978人 4,911人 70.4%
第25回 7,024人 4,996人 71.1%
第24回 6,502人 4,267人 65.6%

70%前後で推移してきた合格率が、第28回は78.2%まで上がりました。合格率は受験者数に対する合格者数の割合で、試験センターが公表している数値です。

資格取得ルートによって合格率が大きく違う

ただし、この78.2%という数字をそのまま自分に当てはめることはできません。試験センターは合格発表の資料で、資格取得ルート別の受験者数・合格者数・合格率を公表しており、ルートによって大きな差があります。

資格取得ルート 受験者数 合格者数 合格率
短期養成施設等ルート 3,098人 2,806人 90.6%
保健福祉系大学等ルート(保健福祉系大学等) 2,125人 1,566人 73.7%
一般養成施設等ルート 1,701人 1,100人 64.7%
保健福祉系大学等ルート(保健福祉系短大等+実務経験) 183人 86人 47.0%

もっとも高い短期養成施設等ルートの90.6%と、もっとも低い短大等+実務経験の47.0%では、40ポイント以上の差があります。全体の78.2%は、受験者の43.6%を占める短期養成施設等ルートに引き上げられた数字である点は踏まえておきたいところです。

さらに、同じルートの中でも新卒と既卒で差が出ます。

資格取得ルート 新卒の合格率 既卒の合格率
短期養成施設等ルート 94.4%(2,553人中2,410人) 72.7%(545人中396人)
保健福祉系大学等ルート(保健福祉系大学等) 85.4%(1,535人中1,311人) 43.2%(590人中255人)
一般養成施設等ルート 81.4%(1,102人中897人) 33.9%(599人中203人)

新卒はいずれのルートでも80%を超えるのに対し、既卒は33.9%から72.7%まで下がります。養成課程を修了した直後の受験と、期間が空いてからの受験では条件が変わることを示す数字です。なお短大等+実務経験のルートは、公表資料の新卒欄が「-」となっており、183人全員が既卒として集計されています。

合格基準

合格基準は、次の2つを両方満たすことと定められています。

  • 総得点132点のうち62点以上(総得点の60%程度を基準とし、問題の難易度で補正した点数。配点は1問1点)
  • 9科目群のすべてにおいて得点があること(1科目群でも0点があると不合格)

共通科目の免除を受けた受験者は、総得点48点のうち27点以上と、5科目群すべてで得点があることが条件です。

ここで挙げた62点・27点はいずれも第28回の数値で、難易度による補正が入るため合格点は回ごとに変わります。実際、1つ前の第27回は同じ132点満点で70点以上(一部免除者は48点満点で32点以上)でした。2回のあいだで8点動いていることになります。事前に「何点取れば合格」と決め打ちできる試験ではない点は押さえておきたいところです。

得点だけでなく科目群ごとに0点を作らないことが条件になっているため、苦手分野を捨てる戦い方が取りにくい試験ともいえます。

受験手数料は受け方で3通りある

この試験でとくに間違えやすいのが受験手数料です。受け方によって3通りあり、金額が倍近く変わります

受け方 受験手数料
精神保健福祉士のみ受験する場合 28,910円
社会福祉士と精神保健福祉士を同時に受験する場合 45,020円(社会福祉士21,720円+精神保健福祉士23,300円)
精神保健福祉士の共通科目免除により受験する場合 22,950円

注意したいのは、同時受験の場合の23,300円という金額が、精神保健福祉士分だけを取り出した額である点です。同時受験で実際に支払うのは社会福祉士分と合わせた45,020円で、23,300円だけを見ると2万円以上安く見えてしまいます。

すでに社会福祉士に合格・登録している方は、共通科目免除の22,950円で専門科目48問だけを受ける形になり、もっとも負担が軽くなります。

もう1つ注意したいのが、試験センターのサイト内でも金額が一致していないことです。第29回の受験手数料が載っているのは受験申し込みのページで、2026年9月5日時点の「試験概要」のページには第28回時点の24,140円・36,360円・18,820円が残っていました。金額を確認するときは、受験する回の受験申し込みページを見るようにしてください。

受験手数料は、受験申し込み受付期間内にクレジットカード決済またはコンビニエンスストア決済で支払いを完了させる必要があります。期間内に支払いが完了しない場合、受験申し込みは無効になります。

勉強時間の目安

試験センターは、標準的な学習時間や勉強期間を公表していません。当サイトが確認した範囲では、試験センターの試験概要・出題基準・よくあるご質問のいずれにも学習時間の記載はありませんでした。そのため時間の目安は示せませんが、試験の構成から準備の量は見積もれます。

出題は132問・総試験時間230分で、内訳は専門科目48問と社会福祉士との共通科目84問です。問題数でみると3分の2近くが共通科目で、医学概論・心理学と心理的支援・社会学と社会システム・社会福祉の原理と政策・社会保障・権利擁護を支える法制度・地域福祉と包括的支援体制・障害者福祉・刑事司法と福祉・ソーシャルワークの基盤と専門職・ソーシャルワークの理論と方法・社会福祉調査の基礎の12科目が対象です。

一方、共通科目の免除を受ける場合は専門科目48問だけになります。精神医学と精神医療・現代の精神保健の課題と支援・精神保健福祉の原理・ソーシャルワークの理論と方法(専門)・精神障害リハビリテーション論・精神保健福祉制度論の6科目です。免除の有無で対象科目が18科目と6科目に分かれるため、必要な準備量は同じ試験名でも大きく違います。

受験資格と試験日程

この試験は誰でも受けられるわけではありません。試験センターが示す受験資格の概要は次の4つです。

  • 4年制大学で指定科目を修めて卒業した方(卒業見込みを含む)
  • 2年制または3年制の短期大学等で指定科目を修めて卒業し、指定施設で2年以上(または1年以上)相談援助の業務に従事した方(従事見込みを含む)
  • 精神保健福祉士短期養成施設(6月以上)を卒業(修了)した方(見込みを含む)
  • 精神保健福祉士一般養成施設(1年以上)を卒業(修了)した方(見込みを含む)

卒業見込み・修了見込みで受験する場合は、受験票の受験資格欄に「見込」と記載されます。必要書類を提出期限までに提出しないと試験は無効となり、結果通知も発送されません。第29回の提出期限は2027年4月9日(金)です。

第29回(令和8年度)の日程は次のとおりです。

項目 日程
受験申し込み受付期間 2026年9月3日(木)〜10月2日(金)
受験票の発送 2026年12月11日(金)
試験日(専門科目) 2027年2月6日(土)14時00分〜15時30分
試験日(社会福祉士との共通科目) 2027年2月7日(日)10時00分〜12時20分
合格発表 2027年3月9日(火)ホームページ掲載
結果通知の発送 2027年3月12日(金)

試験地は北海道・宮城県・東京都・愛知県・大阪府・広島県・福岡県の7試験地だけです。全国どこでも受けられる試験ではないため、居住地によっては移動と宿泊を前提に計画する必要があります。申込時に希望した試験地の変更はできません。ただし事情により、試験センターが受験者の住所地を勘案して近隣の試験地へ振り替える場合があります。

社会福祉士国家試験を同時に受験する場合は、共通する7試験地で2月6日・7日の2日間の受験になります。

合格後の登録

試験に合格しただけでは精神保健福祉士を名乗れません。試験センターの登録簿に登録して登録証の交付を受ける手続きが必要です。

登録にかかる費用は次のとおりです。

費目 金額
登録免許税(収入印紙) 15,000円
登録手数料 4,050円

受験手数料とは別に、合計19,050円が登録時にかかります。登録免許税は郵便局等で収入印紙を購入して登録申請書に貼付し、登録手数料は所定の払込用紙で払い込む方式です。提出書類に不備がなければ、登録証は1か月半程度で発送されます。

なお試験センターは、精神保健福祉士の登録者数を113,332人(令和8年1月末現在)と公表しています。

こんな人におすすめ

  • 精神科医療や障害福祉の現場で、相談支援を専門にしたい方
  • すでに社会福祉士を持っており、共通科目免除で専門科目のみを受験して領域を広げたい方
  • 保健福祉系の大学・短大や養成施設で学んでいる方、または進学を検討している方

社会福祉士と精神保健福祉士は共通科目でつながっており、同時受験と共通科目免除という2つの制度が用意されています。どちらを先に取るか、同時に受けるかで受験手数料も準備する科目数も変わるため、早い段階で見通しを立てておくと計画が立てやすくなります。

出典・参考情報

受験料・日程等は変更される場合があります。受験の際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。