国家資格医療・福祉

公認心理師の難易度・合格率・勉強時間

名称独占の国家資格で、登録を受けなければ「公認心理師」だけでなく「心理師」の文字を名称に使えません。

最終更新: 2026-09-23

公認心理師の基本情報

正式名称公認心理師
分類国家資格
実施団体一般財団法人 公認心理師試験研修センター(文部科学大臣・厚生労働大臣が指定した指定試験機関・指定登録機関。2024年6月に「日本心理研修センター」から名称変更)
試験形式筆記試験のみ。五肢または四肢を基本とするマークシート形式で、午前120分・午後120分。第9回は全154問で、配点は一般問題1問1点・事例問題1問3点の総得点230点
受験資格大学で施行規則の定める25科目を修めて卒業し、さらに大学院で10科目を修めて修了した方(区分A)、または大学で25科目を修めて卒業後に認定施設で2年以上の実務経験を積んだ方(区分B)が基本。ほかに外国の大学等出身者の認定(区分C)と、法施行前(2017年9月15日より前)に大学・大学院に在学していた方向けの特例(区分D1・D2・E・F)
試験日程年1回(原則3月)。第10回は2027年3月7日(日)、試験地は東京都と大阪府の2か所
受験料受験手数料28,700円(非課税。クレジットカード決済またはコンビニエンスストア決済)。合格後の登録に登録免許税15,000円と新規登録手数料7,200円が別に必要
合格率第9回(2026年3月1日実施)60.0%(受験者2,400人・合格者1,441人)。第7回76.2%・第8回66.9%から2回続けて下がっています
難易度★★★☆☆
独立のしやすさ★★☆☆☆
勉強時間目安公認心理師試験研修センターは学習時間の目安を公表していません。出題基準は24の大項目に分かれ、健康・医療、福祉、教育、司法・犯罪、産業・組織の5分野の心理学で出題割合の約37%を占めます
申込方法年1回。第10回の受験申込受付は2026年12月1日〜12月25日(消印有効)。オンライン手続のあと証明書類を簡易書留で郵送
公式サイト試験の公式ページを見る

申込・試験日程

回次申込受付期間試験日
第10回試験2026年12月1日(火) 〜 2026年12月25日(金)センターの「受験関連書類作成システム」でメールアドレス登録・顔写真アップロード・受験手数料の決済を済ませたあと、受験区分ごとの証明書類を簡易書留で郵送します。12月26日以降の消印は受け付けられません。修了見込みで受験する方は、2027年4月16日(金)消印有効までに確定した証明書の提出が必要です2027年3月7日(日)午前10時00分〜12時00分・午後13時30分〜15時30分(試験地は東京都・大阪府)合格発表: 2027年3月31日(水)14時予定にセンターのホームページへ合格者の受験番号を掲載。試験結果通知書は同時刻から受験関連書類作成システムでダウンロード(郵送なし)

日程は変更される場合があります。申し込みの際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

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公認心理師とはどんな資格?

公認心理師は、公認心理師法(平成27年法律第68号)に基づく国家資格です。法の目的は、公認心理師の資格を定めてその業務の適正を図り、国民の心の健康の保持増進に寄与することとされています(法第1条)。

公認心理師の業務は法第2条に定められており、公認心理師の名称を用いて、保健医療・福祉・教育その他の分野で、心理学に関する専門的知識と技術をもって次の4つを行うこととされています。

  1. 心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること
  2. 心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと
  3. 心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと
  4. 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと

主務大臣は文部科学大臣と厚生労働大臣で、試験の実施と登録の事務は、両大臣の指定を受けた一般財団法人公認心理師試験研修センターが両大臣に代わって行っています。センターは2013年に「日本心理研修センター」として設立され、2024年6月に現在の名称に変わりました。名称変更前の2024年3月に公表された第7回の合格発表資料でも、当時の「日本心理研修センター」のホームページとして jccpp.or.jp が示されており、公式サイトのドメインは名称変更をまたいで同じです。旧名称で検索して別のサイトに行き着いた場合も、試験情報はこのドメインで確認してください。

名称独占と、心理師という文字

公認心理師は名称独占の国家資格です。法第44条により、公認心理師でない者は「公認心理師」という名称を使えず、さらに名称の中に「心理師」という文字を用いることもできません。センターはよくあるご質問で、民間資格で多く使われている「心理士」と区別を図るために「心理師」としていると説明しています。

試験に合格しただけでは公認心理師を名乗れず、センターの登録簿への登録を受けてはじめて公認心理師となります(法第28条)。登録をしないで「公認心理師」の名称を使った場合は罰則の対象になります(法第49条第2号)。

法律で定められた義務

公認心理師には、信用失墜行為の禁止(法第40条)、秘密保持義務(法第41条。公認心理師でなくなった後も続きます)、関係者との連携(法第42条第1項)が課されています。とくに支援を要する方に主治の医師がいるときは、その指示を受けなければならない(法第42条第2項)と定められている点は、この資格の位置づけを表しています。第40条・第41条・第42条第2項に違反したときは、登録の取消しや名称の使用停止を命じられることがあります(法第32条第2項)。

センターが公表している登録者数は、76,547人(2026年6月末日現在)です。

難易度と合格率

センターが公表している第9回(2026年3月1日実施)の結果は次のとおりです。

区分 人数
受験者数 2,400人
合格者数 1,441人
合格率 60.0%

第5回以降の推移は次のようになっています。

試験日 受験者数 合格者数 合格率
第9回 2026年3月1日 2,400人 1,441人 60.0%
第8回 2025年3月2日 2,174人 1,454人 66.9%
第7回 2024年3月3日 2,089人 1,592人 76.2%
第6回 2023年5月14日 2,020人 1,491人 73.8%
第5回 2022年7月17日 33,296人 16,084人 48.3%

第5回だけ受験者数の桁が違うのは、法施行時に実務に就いていた方向けの経過措置(区分G)の受験がこの回で終了したためです。第5回の受験者33,296人のうち31,154人が区分Gで、その合格率は47.1%でした。第6回以降は区分Gの受験がなく、受験者は2,000人台で推移しています。

注目したいのは、第7回76.2%・第8回66.9%・第9回60.0%と、2回続けて合格率が下がっていることです。合格率は受験者数に対する合格者数の割合で、センターが公表している数値です。

受験区分によって合格率が大きく違う

センターは合格者の内訳として、受験区分別の受験者数・合格者数・合格率を公表しています。第9回の内訳は次のとおりです。

受験区分 受験者数 合格者数 合格率
区分A(大学+大学院) 1,937人 1,311人 67.7%
区分B(大学+認定施設で実務経験2年以上) 29人 20人 69.0%
区分C(外国の大学等出身者の認定) 17人 7人 41.2%
区分D1(法施行前に大学院を修了) 155人 30人 19.4%
区分D2(法施行前に大学院に入学) 41人 5人 12.2%
区分E(法施行前に大学に入学+施行後に大学院修了) 214人 66人 30.8%
区分F(法施行前に大学に入学+実務経験2年以上) 7人 2人 28.6%
2,400人 1,441人 60.0%

受験者の80.7%(1,937人)は、大学と大学院で所定の科目を修めた区分Aです。区分Aの合格率は第7回90.1%・第8回77.2%・第9回67.7%と、全体の合格率以上に大きく下がっています。一方、法施行前の在学者向けの特例である区分D1・D2・E・Fは、第9回ではいずれも30%前後かそれ以下でした。

年齢別では、第9回の合格者1,441人のうち30歳以下が1,320人(91.6%)を占めています。大学院を修了した直後に受験する方が中心の試験だと分かります。

合格基準は「総得点の60%程度」で毎回動く

合格基準は、官報に「総得点の60%程度以上を基準とし、問題の難易度で補正するという考え方を基に決定する」と掲載されています。実際の合格点は次のとおりで、総得点230点に対して回ごとに動いています

総得点 合格点
第9回 230点 136点以上
第8回 230点 134点以上
第7回 230点 138点以上

配点は一般問題が1問1点、事例問題が1問3点です。第9回は全154問で、当サイトが総得点230点から逆算すると一般問題116問・事例問題38問という構成になります(116点+38問×3点=230点)。事例問題は問題数では4分の1ですが、配点では約半分を占める計算です。

勉強時間の目安

センターは、学習時間や勉強期間の目安を公表していません。当サイトが確認した範囲では、試験概要・受験の手引・出題基準・よくあるご質問のいずれにも学習時間の記載はありませんでした。

代わりに、出題の範囲と比重は「令和9年版 公認心理師試験出題基準・ブループリント」(第10回試験対応)に示されています。出題基準は24の大項目に分かれ、ブループリント(試験設計表)が大項目ごとの出題割合を定めています。割合の大きい項目は次のとおりです。

大項目 出題割合
心理に関する支援(相談、助言、指導その他の援助) 約9%
健康・医療に関する心理学 約9%
福祉に関する心理学 約9%
教育に関する心理学 約9%
心理状態の観察及び結果の分析 約8%
公認心理師としての職責の自覚・問題解決能力と生涯学習・多職種連携・地域連携 約6%
公認心理師に関係する制度 約6%
発達/司法・犯罪に関する心理学/産業・組織に関する心理学/精神疾患とその治療 各約5%

健康・医療、福祉、教育、司法・犯罪、産業・組織の5分野の心理学だけで約37%を占め、心理状態の観察・分析と支援の2項目を合わせるとさらに約17%が加わります。心理学の基礎領域(知覚・認知、学習・言語、感情・人格、脳・神経など)は各約2%です。出題基準には、法律や政省令、厚生労働白書などの公刊物からも出題されると明記されています。

なお、センターはよくあるご質問で「公認心理師試験は、受験科目の免除はありません」と明記しています。他の心理系資格を持っていても、どのルートでも科目免除はありません。

受験資格と試験日程

この試験は誰でも受けられるわけではありません。センターは受験資格を区分A〜Fの7つ(Dは1と2に分かれます)に整理しています。

法施行後に入学した方が該当する、基本のルートは次の2つです。

  • 区分A:4年制大学で施行規則第1条の2に定める25科目(公認心理師の職責、心理学概論、心理的アセスメント、心理演習、心理実習(80時間以上)など)を修めて卒業し、さらに大学院で施行規則第2条に定める10科目(心理実践実習(450時間以上)など)を修めて修了した方
  • 区分B:4年制大学で同じ25科目を修めて卒業し、文部科学大臣・厚生労働大臣が認めた施設(プログラム施設)で2年以上、法第2条第1号〜第3号に掲げる業務に従事した方

大学と大学院の両方で科目を修めるのが基本で、大学院の後に大学で科目を履修する順番は認められていません。複数の大学の履修科目を合算することや、卒業・修了後に科目等履修生として履修した科目も受験資格の要件としては認められません(センターのよくあるご質問)。

区分Cは外国の大学・大学院で心理に関する科目を修めた方などで、文部科学大臣・厚生労働大臣の受験資格認定が必要です。区分D1・D2・E・Fは、法施行日(2017年9月15日)より前に大学・大学院に入学していた方向けの特例で、区分D1・D2は大学院の科目に、区分E・Fは大学の科目に「読替え」が適用されます(区分Eの大学院の科目には適用されません)。読替えを判断するのは卒業した大学・修了した大学院で、自分で判断することはできません。

センターはよくあるご質問で、個別の受験資格の有無に関する照会には答えていないと明記しています。自分がどの区分に当たるかは、法令と通知、そして在籍した大学・大学院で確認する必要があります。

第10回(2027年3月7日)の日程

第10回試験の日程は次のとおりです。

項目 日程
受験申込受付期間 2026年12月1日(火)〜12月25日(金)(消印有効)
受験票交付 2027年2月17日(水)からダウンロード(郵送なし)
試験日 2027年3月7日(日)午前10時00分〜12時00分・午後13時30分〜15時30分
合格発表 2027年3月31日(水)14時予定(ホームページに受験番号を掲載)
見込受験者の証明書提出期限 2027年4月16日(金)(消印有効)

試験地は東京都と大阪府の2か所だけです。申込時に希望した試験地は変更できず、希望地の受験者数が定員を超えた場合は他の試験地の会場になることがあります。試験会場は受験票で案内され、交付前の問い合わせには応じられないとされています。

申込は、センターの「受験関連書類作成システム」でのオンライン手続と、証明書類の郵送の両方を期間内に済ませる必要があります。オンライン手続だけ完了していても、証明書類の消印が12月26日以降だと受け付けられません。郵送は簡易書留と指定されており、受験手数料の払込期限も12月25日です。

大学院を修了見込みで受験する方は、受験票の受験資格欄に「見込」と記載されます。試験の出欠や合否にかかわらず、2027年4月16日までに確定した修了証明書等を提出しないと、受験資格を満たさず試験が無効になります。この場合は結果通知も発行されず、次回は再受験ではなく新規受験として申し込むことになります。

受験手数料と登録費用

受験手数料は28,700円で非課税です。公認心理師法施行令第2条に定められています。受験関連書類作成システム上でのクレジットカード決済またはコンビニエンスストア決済に限られ、受験申込受付後は返還されません。

合格後の登録には、次の費用がかかります。

費目 金額
登録免許税 15,000円
新規登録手数料 7,200円

受験手数料とは別に、登録時に合計22,200円が必要です。登録申請の期限は定められていませんが、登録を受けるまで公認心理師を名乗ることはできません。登録証の交付までの期間は通常2か月程度で、申請が集中する合格発表後の2〜3か月間は最長3か月程度かかる場合があるとされています。

登録後に氏名等が変わった場合の登録事項変更(3,000円〜)、登録証の再交付(6,100円)などの手数料も別に定められています。なお、センターは2026年4月に登録者の専用ページを開設しており、マイナポータル上でデジタル資格者証を表示する仕組みも案内しています。

独立して働くなら

公認心理師は名称独占の資格であり、心理相談そのものを公認心理師でなければ行えないと定めた業務独占の資格ではありません。独立して心理相談を行う場合も、公認心理師の登録を受けていれば「公認心理師」の名称を掲げられる、という位置づけになります。

センターが登録者全員を対象に実施した令和5年度の活動状況等調査(回答38,827人・回答率54.4%)では、現在の勤務先の分野として保健医療30.7%・福祉29.5%・教育34.2%・司法・犯罪4.7%・産業・労働8.2%が挙がり(割合の合計は100%を超えます)、私設心理相談機関は大学・研究所などとともに「その他」13.7%に含まれています。心理的支援業務(大学等での心理専門職養成等の業務を除く)に従事している公認心理師の雇用状況は「常勤・心理職」32.6%、「非常勤・心理職」35.6%、「常勤・心理職以外」26.3%でした。調査では私設心理相談機関を単独で集計していないため、独立して働く公認心理師の人数や割合は公表資料からは分かりません。

独立を考える場合も、法第42条第2項の主治の医師がいる方への支援ではその指示を受ける義務は変わりません。医療機関や学校、福祉機関との連携を前提に業務を組み立てることになります。

こんな人におすすめ

  • 心理学を学ぶ大学・大学院への進学を考えていて、心理職の国家資格を目指したい方
  • 病院・児童相談所・学校・矯正施設・企業など、複数の分野にまたがる心理支援の仕事に就きたい方
  • 大学卒業後に認定施設で実務経験を積み、区分Bで受験する道を検討している方

受験資格を得るまでに大学4年と大学院の修了、または大学4年と実務経験2年以上が必要で、受験を決めてから短期間で取れる資格ではありません。一方で、法施行前の在学者向けの特例区分と区分Aでは合格率に大きな差があり、いまから目指す方の多くが当てはまる区分Aの合格率は、第9回で67.7%でした。進学先の大学・大学院が施行規則の科目に対応しているかを、早い段階で確認しておくことが出発点になります。

出典・参考情報

受験料・日程等は変更される場合があります。受験の際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。