民間資格金融・会計

証券アナリストの難易度・合格率・勉強時間

受験するには協会の第1次レベル講座を受講する必要があり、受験できるのは受講した年度の翌年からです。

最終更新: 2026-09-02

証券アナリストの基本情報

正式名称日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)第1次レベル
分類民間資格
実施団体公益社団法人 日本証券アナリスト協会
試験形式科目Ⅰ・科目Ⅱ・科目Ⅲの3科目に分かれ、すべて正解が1つの客観問題(計算問題・穴埋め問題を含む選択肢問題)です。2026年秋試験からCBT方式とPBT方式を同一日程で併用し、CBT方式は全国のテストセンター、PBT方式は国内が東京の1会場のみとなります
受験資格協会の第1次レベル講座の受講者に限られます。講座を受講せずに受験することはできず、受験できるのは受講年度の翌年からです。講座そのものは年齢・学歴の制限なく受講できます
試験日程年2回(春・秋)。2026年は春が4月26日、秋が9月27日です。翌年の試験日程は実施年の前年10月末頃に公表されます
受験料第1次レベル講座の受講料は会員受講者63,000円・一般受講者69,000円(消費税込)。受験料は3科目一括が14,800円、科目Ⅰのみ7,400円、科目Ⅱまたは科目Ⅲのみ3,700円(いずれも10%消費税込)です
合格率2026年春試験の科目別合格率は、科目Ⅰが43.1%(受験2,084名・合格899名)、科目Ⅱが50.7%(2,411名・1,223名)、科目Ⅲが39.2%(2,127名・833名)です。協会は3科目の単純合計から「合格者の比率44.6%」も公表していますが、これは科目単位の延べ人数による比率で、1回で3科目に合格した人の割合ではありません
難易度★★★☆☆
独立のしやすさ☆☆☆☆(この資格単独での独立開業は一般的ではありません)
勉強時間目安協会は標準的な学習時間を公表していません。よくある質問でも「合格までの勉強時間は、事前の知識や実務経験などの個人差がありますので、一概には言えません」と回答しています。制度上の期間は決まっており、第1次レベル講座の開講期間は約8カ月、受験できるのは受講年度の翌年から原則3年間(春・秋の年2回で最大6回)です
申込方法年2回(春・秋)。2026年秋試験の受付は7月1日開始で、締切はCBT方式が9月4日、PBT方式が8月3日です。受験には第1次レベル講座の受講が必要です
公式サイト試験の公式ページを見る

申込・試験日程

回次申込受付期間試験日
2026年 CMA第1次秋試験2026年7月1日(水) 〜 2026年9月4日(金)申込の締切は試験方式で異なり、CBT方式が9月4日23時59分まで、PBT方式は8月3日23時59分で終了しています。1回の試験でCBT方式とPBT方式のどちらか一方にしか申し込めません。受験できるのは第1次レベル講座の受講者で、2026年度の講座を受講した方が受験できるのは2027年春試験からです2026年9月27日(日)※海外会場はニューヨーク・ロンドンが9月26日(土)、シンガポールが9月27日(日)合格発表: 2026年11月中旬頃(マイページの「試験結果の確認」で開示)

日程は変更される場合があります。申し込みの際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

他の資格の申込締切もまとめて確認する →

証券アナリストとはどんな資格?

証券アナリストは、公益社団法人日本証券アナリスト協会が認定する民間資格です。正式な資格称号は日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)で、協会の説明では「所定の教育講座を受講した上で、それに基づく試験に合格し、一定の要件を満たすことで認定される資格」とされています。

この記事で扱う第1次レベルは、CMAになるための最初の段階です。第1次レベル単独で名乗れる資格称号ではなく、講座と試験がセットになった1つのステップという位置づけになります。

この資格でまず押さえておきたいのは、試験だけを単独で受けることができないという点です。協会は受験資格を「証券アナリスト(CMA)第1次レベル講座の受講者(講座を受講せずに受験することはできません)」と明記しています。しかも受講したその年度には受験できず、受験できるのは受講年度の翌年からです。2026年度の講座を受講した場合、最初の受験機会は2027年春試験になります。

もう1つの特徴が、証券アナリストに独占業務はないことです。有資格者でなければできない仕事が法律で定められているわけではありません。実際、協会が公表した2026年春試験の合格者上位10社は、みずほ銀行141名、大和証券107名、三菱UFJ信託銀行90名、野村證券89名、三井住友銀行85名と、銀行・証券会社が並びます。合格者の業態別構成も銀行、証券会社、投資運用・投資助言・代理等の順で、金融機関に勤めながら取得する形が中心の資格であることがうかがえます。

難易度と合格率

協会は科目別に受験者数・合格者数・合格率を公表しています。直近5回分は次のとおりです。

科目Ⅰ(証券分析とポートフォリオ・マネジメント)

回次 受験者 合格者 合格率
2026年春 2,084名 899名 43.1%
2025年秋 1,598名 844名 52.8%
2025年春 1,994名 943名 47.3%
2024年秋 1,677名 846名 50.4%
2024年春 1,977名 946名 47.9%

科目Ⅱ(財務分析、コーポレート・ファイナンス)

回次 受験者 合格者 合格率
2026年春 2,411名 1,223名 50.7%
2025年秋 1,569名 853名 54.4%
2025年春 2,409名 1,192名 49.5%
2024年秋 1,613名 821名 50.9%
2024年春 2,339名 1,024名 43.8%

科目Ⅲ(市場と経済の分析、数量分析と確率・統計、職業倫理・行為基準)

回次 受験者 合格者 合格率
2026年春 2,127名 833名 39.2%
2025年秋 1,558名 795名 51.0%
2025年春 2,178名 1,048名 48.1%
2024年秋 1,607名 777名 48.4%
2024年春 2,251名 1,083名 48.1%

数字の読み方に注意が必要です。協会は3科目の単純合計として、2026年春試験の受験者総数6,622名・合格者総数2,955名から合格者の比率44.6%という数値も公表しています。ただしこれは科目単位で数えた延べ人数の比率であり、実際の受験者数(人数ベース)でも、1回で3科目すべてに合格した人の割合でもありません。「合格率44.6%」だけを見て易しさを判断すると、実態を取り違えます。

回次による振れ幅もあります。科目Ⅲは2025年秋の51.0%から2026年春の39.2%へ12ポイント近く下がりました。協会もこの回について、科目Ⅲが2025年春試験を9%程度下回ったと説明しています。

この試験の難しさは、1回あたりの合格率ではなく構造のほうにあります。3科目すべてに合格しなければ次に進めず、しかも後述するとおり受験できる期間に上限があるためです。

なお、合格ラインは点数で決まりません。協会は「試験の合否は、上位一定割合の受験者の平均得点を基準に決定されます」としており、相対評価です。出題および採点の方針は一切公表せず、合否や得点結果の問い合わせにも応じないと明記されています。何点取れば合格という形の対策はできない試験です。

不合格だった場合は、不合格者の中での順位ランクがA〜Dの4区分で開示されます。Aは上位10分の1まで、BはA以外の上位4分の1まで、CはA・B以外の2分の1以内、Dは2分の1未満です。

3科目の構成と合格の条件

学習する分野は6つありますが、試験は3科目に束ねて実施されます。科目名だけが「証券分析/財務分析/経済」のように略して紹介されることがありますが、実際には科目Ⅱにコーポレート・ファイナンス、科目Ⅲに数量分析と確率・統計、職業倫理・行為基準も含まれます。

試験科目 含まれる学習分野(配点割合) 試験時間 満点
科目Ⅰ 証券分析とポートフォリオ・マネジメント 170分 170点
科目Ⅱ 財務分析、コーポレート・ファイナンス(概ね3:1) 100分 100点
科目Ⅲ 市場と経済の分析、数量分析と確率・統計、職業倫理・行為基準(概ね6:2:1) 90分 90点

満点と試験時間が一致しているのは偶然ではありません。協会は「各問題の冒頭には、問題ごとの配点が表示され、その配点合計は試験時間(分単位)と一致します」と説明しており、1点=1分が解答時間の目安として設計されています。

科目Ⅲには、ほかの試験にあまり見られない条件があります。協会は「科目Ⅲについては、その得点が合格最低点を上回っていても、『職業倫理・行為基準』の得点が一定水準に達していない場合、不合格となります」と定めています。つまり職業倫理には事実上の足切りがあり、総合点が足りていても落ちることがあります。この理由で不合格になった場合は、ランク表示が「A(R)」となって区別されます。協会は2026年春試験について、これによる不合格者数が現行プログラムの9回の中でもっとも多かったと述べています。

申込は科目単位でできるため、1科目ずつ受けて積み上げていく形が取れます。ただし積み上げに使える時間には制限があります。受験できるのは受講年度の翌年から原則3年間で、春・秋の年2回ですから最大6回です。この期間内に3科目そろわなかった場合は、その年度の第1次レベル講座を改めて受講し直す(再受講する)必要があります

再受講制度には救いもあり、協会は「再受講すれば、それまでの合格科目の実績が引き継がれ、合格済科目の受験は免除されます」としています。逆に言えば、再受講しなければ、それまでの第1次試験の合格実績はすべて失効します。ここが、科目合格を無期限に持ち越せる試験との大きな違いです。

3科目すべてに合格すると、検定会員補に登録できるようになります。ただし協会は、検定会員補への登録は第2次レベル講座受講の要件ではなく、第2次レベル講座の受講や第2次試験が免除されるものでもないと注記しています。

費用とCMA取得までの流れ

受験料だけを見ると手頃に見えますが、講座の受講料が必ず先に発生する点を含めて考える必要があります。

まず第1次レベル講座の受講料です(消費税込、新規受講・再受講とも同額)。

区分 受講料
会員受講者 63,000円
一般受講者 69,000円

会員受講者とは、協会の法人会員・法人賛助会員になっている会社・団体・機関・学校の役職員や構成員を指します。勤務先が法人会員かどうかで6,000円変わる仕組みです。

受験料は申し込む科目の組み合わせで決まります(いずれも10%消費税込)。

申込科目 受験料
3科目(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ) 14,800円
2科目(Ⅰ・Ⅱ) 11,100円
2科目(Ⅰ・Ⅲ) 11,100円
2科目(Ⅱ・Ⅲ) 7,400円
1科目(科目Ⅰ) 7,400円
1科目(科目Ⅱ) 3,700円
1科目(科目Ⅲ) 3,700円

科目Ⅰだけが他の2科目の倍額です。試験時間が170分、満点も170点と、他の2科目より比重の大きい科目であることが料金にも表れています。

CMAを名乗れるようになるまでの流れは次のように進みます。

  1. 第1次レベル講座を受講(63,000円または69,000円)
  2. 第1次試験の3科目に合格:受講年度の翌年から原則3年間、年2回
  3. 第2次レベル講座を受講(66,000円):3科目合格を達成した年を含め3年以内に受講しないと、受講資格を失います
  4. 第2次試験に合格
  5. 証券分析業務の実務経験を3年以上(合格前も含めた通算)積むこと、または証券分析に関する学識経験者と認められること
  6. 協会に検定会員として入会:入会金10,000円、年会費18,000円(満65歳以上は12,000円)

講座受講料だけでも第1次と第2次で129,000円(一般受講者なら135,000円)になり、これに受験料と入会金・年会費が加わります。資格称号を使えるのは6の入会まで進んだ人で、第2次試験に合格しても入会しなければCMAとは名乗れません。

年会費が毎年かかる点も、取得後に費用が発生しない検定とは異なります。なお協会は、10月1日から3月31日の間に入会した場合は初年度会費が半額になるとしています。

勉強時間の目安

協会は標準的な学習時間を公表していません。よくある質問に「何時間ぐらい勉強すれば、第1次試験(3科目)に合格できますか。」という設問があり、回答は「合格までの勉強時間は、事前の知識や実務経験などの個人差がありますので、一概には言えません」というものです。続けて、試験は講座テキストの内容(テキスト本文や例題、章末の練習問題)が対象になるため、テキストをよく読み練習問題を解いて理解を深めることが合格には必須であり、そのためには十分な学習時間の確保が不可欠だと説明しています。

数値の目安がない代わりに、制度側で決まっている期間があります

  • 第1次レベル講座の開講期間は約8カ月(2026年度は2026年6月1日〜2027年1月31日)
  • 講座テキストは年4回(6月・7月・9月・11月)に分けて発行される
  • 受験できるのは受講年度の翌年から原則3年間、春・秋の年2回

協会も「開講期間中はいつでも受講を始められますが、学習時間確保のために早めの受講申込をお勧めします」としています。テキストが4回に分けて届く設計のため、遅く申し込むほど、まとめて届いた分を短期間で消化することになります

学習の中心は講座テキストです。出題範囲は第1次レベル講座のすべての学習ポイントで、協会は試験データのページでも「受験される方は、第1次レベルの講座テキストを十分に習得するため、計画的に学習の上、試験に臨むことをお勧めします」と案内しています。市販教材を探すより、配られたテキストと練習問題を軸に組み立てるのが公式に沿った進め方です。

なお、予備校などが示す「◯◯時間」という数値は協会の公表値ではありません。当サイトでは出典の裏づけがないため掲載していません。

受験資格と試験日程

受験資格は第1次レベル講座の受講者であることの1点です。講座そのものは年齢・学歴・実務経験を問わず受講できます。制限があるのは講座を受けられるかどうかではなく、受けた時期のほうです。

2026年度の第1次レベル講座を受講した場合の受験可能年は次のとおりです。

試験の実施年
2027年
2028年
2029年

2026年度の講座には2027年1月31日まで申し込めますが、今から申し込んでも2026年秋試験は受けられません。最短の受験機会は2027年春試験です。

2026年の試験日程は次のようになっています。

項目 第1次春試験 第1次秋試験
国内会場の試験日 2026年4月26日(日) 2026年9月27日(日)
海外会場の試験日 ニューヨーク・ロンドン 4月25日(土) ニューヨーク・ロンドン 9月26日(土)/シンガポール 9月27日(日)
申込受付期間 2月6日(金)〜3月5日(木) CBT方式 7月1日(水)〜9月4日(金)/PBT方式 7月1日(水)〜8月3日(月)
合否発表 6月中旬頃 11月中旬頃

翌年の試験日程は、協会が実施年の前年10月末頃に掲載すると案内しています。2027年の日程を待っている方は、2026年10月末以降に公式サイトを確認してください。

2026年秋試験からCBT方式が導入されます

協会は2026年6月25日付のお知らせで、2026年秋試験からCBT方式(パソコンで受験する方式)を導入することを公表しました。当面はPBT方式(従来と同じマークシート方式)も併用し、両方式を同一日程で一斉実施します。試験科目と各科目の試験時間は従来から変更なく、問題も両方式で同一です。

項目 CBT方式 PBT方式
会場 全国47都道府県のテストセンターから選択 国内は東京都内の1会場のみ、海外はニューヨーク・ロンドン・シンガポール
申込受付期間の長さ 2カ月程度 1カ月程度
会場の変更 試験申込期間内かつ受験日の3日前まで可 入金確認後は不可

導入前は国内9都市でのマークシート方式のみでしたから、受験できる場所は大きく広がりました。一方で、PBT方式の国内会場は東京の1会場だけに絞られています。

申し込むときは次の2点に注意してください。1つは、申込締切が方式によって1カ月ほど違うことです。2026年秋試験では、CBT方式の締切が9月4日、PBT方式の締切が8月3日に設定されました。もう1つは、試験運営を受託するCBTソリューションズ社の試験概要ページが「一開催あたり、CBT、PBT方式どちらか一方の試験方式のみ申込可能です」としている点で、同じ回で両方に申し込むことはできません。入金確認後は、受験方式・受験科目の変更もキャンセル・返金も一切できないとされています。

なお2026年秋試験からは、試験の運営がCBTソリューションズ社に委託されました。従来も申込はマイページから行う形でしたが、申込先が協会のマイページからCBTソリューションズ社のマイページに変わっています。あわせて支払方法にクレジットカードが加わり、従来必要だった支払手数料200円もかからなくなりました。

こんな人におすすめ

  • 銀行・証券会社・運用会社などで、証券分析やポートフォリオ運用の知識を体系的に整理したい方
  • 財務分析やコーポレート・ファイナンスを、実務で使う水準まで学ぶ枠組みが欲しい方
  • 勤務先が協会の法人会員で、受講料が会員価格(63,000円)で済む方
  • 8カ月の講座と数年がかりの受験計画を前提に、腰を据えて取り組める方
  • 職業倫理・行為基準を含めて、金融の専門知識を横断的に押さえたい方

一方、思い立ってすぐ受けられる資格ではありません。講座の受講が受験の前提で、受験できるのは翌年からです。まず会計や金融の基礎を固めたい段階であれば、通年で受験できる日商簿記FP技能士から入るほうが取り組みやすいでしょう。

会計・財務系をさらに深く進むなら、独占業務を持つ公認会計士税理士が選択肢になります。証券アナリストが投資・運用の側から企業と市場を分析する資格であるのに対し、この2つは監査・税務という法定業務を担う資格で、同じ数字を扱っても制度上の役割が異なります