解説

「やめとけ」と言われる資格を公式データで検証

「◯◯ やめとけ」と実際に検索されている資格を検索データで特定し、合格率・受験者数・独占業務など公式に確認できる事実と突き合わせました。検索の多さと試験の難易度は一致しません。収入や職場環境など試験データで検証できないことは扱いません。

最終更新: 2026-08-10

資格名に「やめとけ」を付けた検索は、実際に毎月行われています。この記事はその意見に賛成も反対もしません。代わりに、どの資格が「やめとけ」と検索されているのかを検索データで特定し、公式に確認できる事実と突き合わせます。取る・取らないの判断材料は、うわさではなく数字で持っておくのが安全です。

この記事の調べ方

  • 「やめとけ」を含む検索キーワードと月間検索数(推計値・年平均)をキーワード調査ツールのラッコキーワードで取得しました(2026年8月10日取得)
  • そのうち、資格マップに掲載中の資格(調査時点44件)に一致し、月間100回以上検索されているものを対象にしています
  • 検証に使う合格率などの数値は、すべて実施団体等の公式データです(出典は記事末尾)
  • 収入・職場環境・将来性は、試験の公式データでは検証できないため扱いません。 この記事が答えられるのは「試験と制度の事実」までです

「やめとけ」と検索されている資格

検索キーワードの例 月間検索数(推計) 合格率(公式)
電気工事士2種 やめとけ 14,800 学科57.7%・技能72.0%(令和7年度上期)
宅建士やめとけ 6,600 18.7%(令和7年度)
登録販売者やめとけ 6,600 全国計 43.7%(令和5年度)
社会福祉士やめとけ 4,400 60.7%(第38回)
土地家屋調査士やめとけ 2,900 10.1%(令和7年度)
マンション管理士やめとけ 1,900 11.0%(令和7年度)
中小企業診断士やめとけ 1,900 1次 23.7%・2次 17.6%(令和7年度)
行政書士やめとけ 1,600 14.54%(令和7年度)
通関士 やめとけ 1,600 15.1%(第59回・令和7年)
電験3種 やめとけ 1,300 13.1%(令和7年度下期)
管理業務主任者 やめとけ 1,300 19.6%(令和7年度)

このほか「社会福祉士やめとけ」の類語を除くと、「簿記1級やめとけ」(月間2,400回)と「一級建築士やめとけ」(月間1,900回)も検索されていますが、当サイトが掲載しているのは日商簿記2級・3級と二級建築士のため、この記事では扱いません。

表から最初に分かること

検索の多さと、試験の難しさは一致していません。 もっとも多く検索されている第二種電気工事士の合格率は学科57.7%・技能72.0%で、試験としては挑戦しやすい部類です。登録販売者は43.7%、社会福祉士は60.7%です。一方で、合格率10.1%の土地家屋調査士も上位に入っています。

つまり「やめとけ」と検索される背景は、試験の難しさだけでは説明できません。仕事内容や収入への関心が含まれているとみられますが、そこは試験の公式データでは白黒を付けられない領域です。この記事で確認できるのは、次に挙げる「試験と制度の事実」までです。なお、検索数はその資格への関心の大きさも反映します。受験者245,462人(令和7年度)の宅建士のように、母数が大きい資格は関連検索も多くなる点は割り引いて読んでください。

合格率が高めでも検索されている資格の事実

第二種電気工事士:合格率は学科57.7%・技能72.0%(令和7年度上期)、受験資格の制限はなく年2回受けられます。コンセント増設や照明配線は無資格では行えない独占業務で、勉強時間の目安は100〜150時間程度。試験と制度のデータだけを見れば、費用対効果を疑わせる要素は見当たりません。「やめとけ」の論点は試験の外(働き方など)にあると考えるのが自然です。

登録販売者:合格率は全国計43.7%(令和5年度)で、学歴・実務経験を問わず受験できます。ここで確認しておきたい制度の事実が1つあります。合格しても、正規の登録販売者として一人で売場に立つには勤務開始後に一定の実務経験が必要です。「資格を取れば即戦力」とはいかない制度構造は、取得前に知っておく価値があります。

社会福祉士:合格率は60.7%(第38回)と高めです。ただし受験には福祉系大学等で指定科目を修めるか、養成施設を修了するといったルート要件があり、思い立ってすぐ受験できる試験ではありません。また業務独占ではなく名称独占で、合格後に登録してはじめて社会福祉士を名乗れます。相談援助の仕事自体は無資格でも行えるという制度の事実は、この資格を評価する前提として知っておく必要があります。

通関士:公表される合格率は15.1%(第59回・令和7年)ですが、科目免除のない全科目受験者に限ると13.9%になります。さらに、試験に合格しただけでは通関士を名乗れません。通関業者に所属し、勤務先が財務大臣に届け出て「確認」を受けてはじめて通関業務に従事できます。資格の効力が就職先とセットになっている点は、この資格の判断で最も重要な制度の事実です。

難関だから時間投資の覚悟が要る資格の事実

  • 土地家屋調査士:合格率10.1%(令和7年度・受験者4,824人)。公式の勉強時間目安はなく、測量機器などの設備が必要で士業の中では初期投資が大きい部類です。一方で、表示に関する登記の調査・測量は法律で資格者だけの領域とされています
  • マンション管理士:合格率11.0%(令和7年度)、勉強時間の目安は500時間程度。名称独占資格で、設置義務はありません。管理業務主任者試験の合格者は5問が免除されます
  • 電験三種:合格率13.1%(令和7年度下期)、目安500〜1,000時間。自家用電気工作物を設置する事業者には選任が法律で義務づけられており、科目合格制度(申請により最大で連続5回まで免除)で数年計画も組めます
  • 行政書士:合格率14.54%(令和7年度)、目安600〜1,000時間。受験資格の制限はなく、合格後は登録すれば事務所を構えて開業できます
  • 宅建士:合格率18.7%(令和7年度・受験者245,462人)、目安300〜400時間。重要事項説明の独占業務があり、不動産会社には従業員5人に1人以上の設置義務があります
  • 管理業務主任者:合格率19.6%(令和7年度)、目安300時間前後。管理委託契約の重要事項説明と管理事務の報告が独占業務で、管理会社に設置義務があります
  • 中小企業診断士:1次23.7%・2次17.6%(令和7年度)、目安1,000時間前後。独占業務はありません。これは事実です。同時に、公的機関の専門家派遣・窓口相談という制度化された仕事の入り口があるのも事実で、第1次試験には科目合格制度(翌々年度まで免除)があります

「やめとけ」を数字で判断するチェックリスト

検索結果の意見を読む前に、次の5点を公式データで確かめておくと、判断がぶれにくくなります。

  1. 合格率は区分まで見る。 通関士の全体15.1%と全科目受験者13.9%のように、同じ試験でも区分で数字が変わります
  2. 「合格=業務ができる」かを確かめる。 通関士の財務大臣の確認、登録販売者の実務経験のように、合格後に条件が残る資格があります
  3. 費用は受験料だけで見積もらない。 土地家屋調査士の測量機器のように、開業に初期投資が要る資格があります
  4. 資格が効く場面が制度で決まっているかを見る。 独占業務・設置義務・選任義務があれば、その資格が求められる状況は法令で説明できます。なければ、活かし方は自分の設計次第です
  5. 収入・職場環境の話は、試験データと切り分ける。 そこは公式データの守備範囲外です。この記事も答えを持っていません

「やめとけ」という言葉は、発した人の目的と状況を前提にした結論です。あなたの目的が違えば、結論も変わりえます。各資格の試験データと制度の事実は資格一覧の各ページに、出典つきでまとめています。